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まだ、寝てたいんだけど
第27話
しおりを挟むチュンチュンチュン…
チチチチ…
「おっはよーーう!」
ボカッ
顔に枕が飛んでくる。
何事かと思いベットから飛び起きた。
すると、そこには女の姿が。
「ファッ!?」
「いつまで寝とんねん!」
突然の出来事で何が起こったのかさっぱりわからなかった。
カーテンを無理矢理こじ開けている。
眩しい光が目の中に飛び込んできた。
ええっと、…今何時だ?
「何すんねん」
「あーさーでーすーよー」
それはわかっているが、なんか飛んでこなかった今?
気のせい?
「朝ごはん作ってくれとるで」
朝ごはん…?
めずらし
ムクっと立ち上がり、目を擦る。
ドタドタドタドタッ
という騒がしい音が階段から聞こえて、「さっさと起きろ兄貴!」という声が聞こえた。
うるさいぞ夏樹。
静かにしてろ。
「先降りとくで」
「あ、…はい」
起きたばかりで、まだ意識がハッキリしない。
だが、しばらくしてすぐに記憶が蘇ってきた。
昨日のこと。
謎の女。
後を追うように階段を降りたが、おかんは洗濯物を干しながら、その当人と笑っていた。
温かい日差しが庭先に落ちてきている。
実にいい日和で、洗濯物を干すには最高の天気だ。
おかんと女のツーショットという、奇妙な光景を除けば。
「ようやく起きたんか」
庭先に出た俺に、おかんは呆れ顔だった。
だが、それ以上に呆れ顔だったのは俺だ。
何平和なひと時を過ごしてるんだと、心の底から言いたくなった。
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