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まだ、寝てたいんだけど

第28話

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 「楓ちゃんが手伝ってくれて助かるわ。うちのバカ息子とはえらい違いや」


 …楓ちゃん?

 誰?と思ったが、恐らく女の名前だろう。

 すっかり仲良くなりやがって。

 相手するのも疲れてきたので、朝メシを食おうとリビングに向かった。

 先客に夏樹がいた。

 トーストにバターを塗って、その上に砂糖を振りまいている。

 よくそんな甘いもん食えるな…

 食卓のテーブルには目玉焼きとおにぎりが添えられていた。

 ついでにウインナーまである。

 いい焦げ目だ。


 「それ、お姉ちゃんが作ってくれたんやで?」


 …アイツが?

 おかんにしては珍しいと思ったが、そういうことか。

 けど、どういう風の吹き回しだ?

 ってか勝手に作らせんなよ

 …ほんとに、状況わかってなさすぎ


 「うち、あんなお姉ちゃんが欲しかったなぁ」

 「あのな、俺の話を信じろよ」

 「なんか言っとったっけ?」

 「…もうええ」


 逆に尊敬するわ。

 お前らの危機察知能力のなさ。

 野生の動物だったらまず間違いなく先に死んでるぞ?

 よかったな。俺がこの家にいて。


 サランラップを開けて毒が入ってないかを確かめる。

 …うーん。

 見た感じ問題はなさそうだな。

 にしてもすごい上手だなこの目玉焼き。

 黄身が艶っつやだ。

 白身は先端まで程よい焼き加減で、塩胡椒の塩梅も完璧に近い。

 おかんとはえらい違いだ。

 おにぎりの形も、めちゃくちゃ整われてるし
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