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嘘だろ!?

第77話

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 「な、何しとんや!!?」


 俺は叫んでた。

 気がついたら叫んでた。

 考えてる時間はなかった。

 どこから声が出てるのかも分からない。

 だけど、「やばい」と思った。

 なんでそこに立ってる…!?

 なんで、そっちに!??





 雨が降ってきた。



 前方から来る電車と、次第に大きくなっていく振動。

 瞬きをするほんのわずかな合間に、ピトッと、雨粒が落下してくる。

 足が動かなかった。

 ゴオオオッという爆音が、耳のすぐそばまでやってきてた。

 線路までジャンプした女の残像が瞳の中に残っていても、その“現実”に追いつけるだけのスピードは、まだ俺の中にはなかった。

 どれだけ速く視線を動かせば、それに追いつけることができただろう。

 雨が地面に落ちる前のわずか数瞬にも満たない距離。

 地上にたどり着いた雨粒の軌跡が、サァァッと世界の色を変える頃、女はただ、前方から来る風の中にいた。


 パァァァァァン


 と、警笛が鳴る。


 その瀬戸際に、——止まり。
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