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禁断の恋
第23話
しおりを挟む髪の毛が逆立ち、空気が動く。
敵の振り上げたカマは、結界の障壁を砕くには十分すぎるほどの威力を持っていた。
踏み込まれた足が前方の視界の中に入る。
所詮は簡易結界だ。
破壊されるのは百も承知だった。
それよりも——
“使者の門“
結界は霊子で構成されている。
霊子とはいわば【魂=魂魄】を構成する上での量子的なエネルギー情報体であり、霊体を形作る上でのもっとも小さい粒子のことを指す。
霊子は地上と霊界との間にある物質的な境界に線を引くことができる。
空間と空間を結ぶ”臨界点“、——つまり、霊子と物質的な原子の境にある位相領域に、杭を打つことができるんだ。
霊子の隷属。
巷ではそう呼んでいた。
ほんの少しテコ入れをすれば、霊界への「扉」を開けることができた。
キャンバスの上に絵の具を垂らす。
二次元平面上に描いた線が、立体的な奥行きを持つ。
その連続的位置関係に連結・接続することができる点。
肉体と魂とを接続する、——複合的な「位相空間」を。
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