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バックストーリー集
バックストーリーNO.5 「War Type Automaton:Σ」
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NO.5 並行世界線0079
開発者達から名付けられた名はギリシャ文字から取って『War Type Automaton:Σ』
20XX年。エイクスヘブンマーセナリー社によって最初に作られた治安維持、軍事用として生み出されたオートマトンであるΣ。
その銃撃戦等における高い汎用戦闘力、戦車形態への瞬時的な変形機構等と言った今までのオートマトンやロボットにはなかった独自の能力を保有していた。
機械産業において、優れた実績を出していたエイクスヘブンマーセナリー社はこのΣを全面的に公開した事で、ロボット及びオートマトン産業における地位を確立していった…。
そして、正式に採用が決定されたオートマトンであるΣは各地域の治安維持や軍事転用が行われ、初のオートマトン兵として世界各地に進出していった…。
しかし、エイクスヘブンマーセナリー社は利益と収益を第一とする非道な企業であった。
所業は正に死の商人。対立する国家双方に、オートマトンであるΣを売り付け、多額の利益を生んでいたのだ。
その結果、起こるのは簡単な事。Σは対立する国家双方に売り付けられ、エイクスヘブンマーセナリー社製のΣは結果的に同士討ちを始めていたのだった。
敵にも、味方にも同じΣがいる。
右手に直結式で装備されたアサルトライフルが火を吹き、戦車に変形すれば主砲のキャノン砲の砲弾やガトリング砲の弾丸の雨が容赦なしに牙を剥く。
ただ利益だけを求めた、そんな些細な事でΣと言うオートマトンは各対立国家の兵器として、感情を持たないながらも無慈悲な同士討ちを繰り返していた。
簡単な頭脳と知能を持つΣ達に、自分達が同士討ちをしていると言う感覚は存在しない。
ただ、戦えと言うプログラムがその知能を完全に支配し、逆らえない様になっていたからだった。
◇◇
そして、今日と言う日もまたΣは各地で対立する国家同士で使われていた。
しかし一体だけのΣは互いに同士討ちをし、粉々に破壊されると言う末路を辿る事はなかった。
とある戦争で、修復不可となるまではいかないものの戦闘用プログラムや各機能が停止してしまい、人や他のΣに見つからずに数年の間放置された一体のΣが存在していた。
機体本体は雨風に晒され錆び付いていく中で、その体は自然の一部として静かに利用されていくのだった。
植物の根やツタに覆われ、葉が生い茂り、時には鳥や蝶が機体に乗り、そのまま時間は過ぎていく事となった……。
◇◇
そして、運命の時。機能停止に陥っていたシグマであったが偶然か、それとも幸運だったのか、シグマは自分の体に止まっていた鳥の啄みによって再び再起動を果たしたのだった。
戦闘用プログラムは、最後の戦闘時の故障により目覚める事はなかった。
しかし、戦闘用プログラムを失った代わりにシグマは世界に対する強い興味と自然に対する優しさが芽生えていた。
好奇心に促されるがままに、シグマはこの晴れた世界を再び奔走しようとした。
―――戦争は終わったのかと考えるビープ音
いざ、一歩。踏み出そうとした時……。
圧迫…。
恐怖…。
殺人への渇望。
かつての兵器としての力が湧き上がってくる事が分かった。
自分の存在は敵を全て排除する為の兵器だ。
そんな事、忘れたとは言わせない。
Σ、それは殺人機械であり死の商人達が生み出した遺物だ。
ならば、最後まで何をするべきかは分かっているはずだ。
完全に機能が停止し、壊れる時まで何をするかは……。
殲滅、自分が敵と見なした者を全て殲滅して排除する。
それだけだ…。
再び、戦闘用プログラムが起動し縦長のカメラアイが青色から真っ赤な赤色に変わる時、シグマは血の匂いのする霧に包まれていたのだった…。
開発者達から名付けられた名はギリシャ文字から取って『War Type Automaton:Σ』
20XX年。エイクスヘブンマーセナリー社によって最初に作られた治安維持、軍事用として生み出されたオートマトンであるΣ。
その銃撃戦等における高い汎用戦闘力、戦車形態への瞬時的な変形機構等と言った今までのオートマトンやロボットにはなかった独自の能力を保有していた。
機械産業において、優れた実績を出していたエイクスヘブンマーセナリー社はこのΣを全面的に公開した事で、ロボット及びオートマトン産業における地位を確立していった…。
そして、正式に採用が決定されたオートマトンであるΣは各地域の治安維持や軍事転用が行われ、初のオートマトン兵として世界各地に進出していった…。
しかし、エイクスヘブンマーセナリー社は利益と収益を第一とする非道な企業であった。
所業は正に死の商人。対立する国家双方に、オートマトンであるΣを売り付け、多額の利益を生んでいたのだ。
その結果、起こるのは簡単な事。Σは対立する国家双方に売り付けられ、エイクスヘブンマーセナリー社製のΣは結果的に同士討ちを始めていたのだった。
敵にも、味方にも同じΣがいる。
右手に直結式で装備されたアサルトライフルが火を吹き、戦車に変形すれば主砲のキャノン砲の砲弾やガトリング砲の弾丸の雨が容赦なしに牙を剥く。
ただ利益だけを求めた、そんな些細な事でΣと言うオートマトンは各対立国家の兵器として、感情を持たないながらも無慈悲な同士討ちを繰り返していた。
簡単な頭脳と知能を持つΣ達に、自分達が同士討ちをしていると言う感覚は存在しない。
ただ、戦えと言うプログラムがその知能を完全に支配し、逆らえない様になっていたからだった。
◇◇
そして、今日と言う日もまたΣは各地で対立する国家同士で使われていた。
しかし一体だけのΣは互いに同士討ちをし、粉々に破壊されると言う末路を辿る事はなかった。
とある戦争で、修復不可となるまではいかないものの戦闘用プログラムや各機能が停止してしまい、人や他のΣに見つからずに数年の間放置された一体のΣが存在していた。
機体本体は雨風に晒され錆び付いていく中で、その体は自然の一部として静かに利用されていくのだった。
植物の根やツタに覆われ、葉が生い茂り、時には鳥や蝶が機体に乗り、そのまま時間は過ぎていく事となった……。
◇◇
そして、運命の時。機能停止に陥っていたシグマであったが偶然か、それとも幸運だったのか、シグマは自分の体に止まっていた鳥の啄みによって再び再起動を果たしたのだった。
戦闘用プログラムは、最後の戦闘時の故障により目覚める事はなかった。
しかし、戦闘用プログラムを失った代わりにシグマは世界に対する強い興味と自然に対する優しさが芽生えていた。
好奇心に促されるがままに、シグマはこの晴れた世界を再び奔走しようとした。
―――戦争は終わったのかと考えるビープ音
いざ、一歩。踏み出そうとした時……。
圧迫…。
恐怖…。
殺人への渇望。
かつての兵器としての力が湧き上がってくる事が分かった。
自分の存在は敵を全て排除する為の兵器だ。
そんな事、忘れたとは言わせない。
Σ、それは殺人機械であり死の商人達が生み出した遺物だ。
ならば、最後まで何をするべきかは分かっているはずだ。
完全に機能が停止し、壊れる時まで何をするかは……。
殲滅、自分が敵と見なした者を全て殲滅して排除する。
それだけだ…。
再び、戦闘用プログラムが起動し縦長のカメラアイが青色から真っ赤な赤色に変わる時、シグマは血の匂いのする霧に包まれていたのだった…。
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