振られた現場を見てしまった私に、その時振られた彼が私の彼になった

瑠渡

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たまたま喉が渇いてカフェに入った


店内の空いてる席を探していたら、

そこだけ違うオーラがあった

女の人の後ろには侍女が立っており、

その前には端正な顔をした素敵な人が座っていた

近くを通りすぎようとした時、その彼と目があった

彼は何故か私を見て驚いた顔をした

知らない人よね?

空いていた席がわりと近くて、
来た店員に、ケーキとお茶を頼んだ

「私もう我慢できないの。
貴方とは婚約を破棄するつもりよ。」
 

(嫌だ。話が聞こえてくる)


「そうか」


「そうかじゃないわよ!
貴方は私と婚約したのに全然見てくれなかった。この私よ?私には沢山の釣書が届いていたの。それを蹴って貴方と婚約したのに全然私を見てくれなかった。もう限界。
今日だって嫌々来たのでしょ?
これから帰って、お父様に破棄して欲しいと頼むわ。安心して違反金はこちらから支払うわ。そのくらい、貴方とはもう我慢できないから。
じゃあ、話は終わりよ」

そう言って彼女は席を立った

チラッと彼女が見えた

(うわっ、凄い美人だ。なんて勿体無い)

その後チラッと彼を見た

テーブルのカップを見つめている

でも横顔が……うん?笑いそう?

まさかね……


「お待たせしました」

「うわっ。美味しそう~」

(いけない、声に出てしまった)

聞こえてないよね?と辺りを見たら
先ほどの彼と目があった。

微笑まれた。

つぅー、聞かれていたか…

もう気にしない!食べるぞ。


食べていたら先ほどの彼が出ていった。

素敵な人だったな。
なんて、思ってはいけないわ。





私は貴族院を卒業後、大学に進み

今は母校の貴族院で教師をしている

私の教えている科目はとても人気のない薬草。

休み時間になっても誰も寄りつかない。

人気の科目の教師は生徒が押し寄せて教えをこうている。

授業も週に5回あれば良い方。

だから自分の研究時間が沢山取れる。

その空き時間に薬草を使い王宮への
薬草茶を作る。

頭痛などにきくリラックスできる茶だ。

睡眠効果にもなるので、仕事のたまっている職員、王族の方にも飲まれている。

王宮の薬剤師経由で取り扱うので、
品物チェックが入り、私も安心して渡している。

まぁ、授業が内職といっても良いかもしれない。

こんな冴えない薬草学科だか、これを好んで来てくれる生徒もいる。

国の第三王子だ。

王子は子供の頃から体が弱く

私の配合の薬草茶を飲むとリラックスもでき、体がラクになるらしい。

薬も配合しながら作っているので、
頭痛、腹痛がすると直ぐに私の研究室に飛んでくる。

研究室には仮眠ベッドもあるので、
そこで少し休んで授業に復帰することが多い。

「先生、いつもありがとうございます」

そう言って入ってきたのは
第三王子の婚約者のミナン公爵令嬢だ。

「王子は今、薬を飲んで眠っているわよ」

「ありがとうございます。」

「もうじき起きると思うわ」

「僕は起きてますよ!」

「リュード様、大丈夫ですか?」

「あぁ、いつも心配させてごめん」

「いいえ。リュード様が大事ですから」

「ミナン、ありがとう」

ポッ  ポッ

「あのねぇ、元気になったのなら行きなさい」

「はい。先生ありがとうございました。」

「ふっ、貴方達はとても幸せそうで良いわ」



そう話していた半月の間に…………


「ミナン、僕は君に失望したよ。
何故にクロウをいじめるのだ?
そんな根性の腐った女を婚約者に置いておくのは非常に迷惑な話だ。
父上に言って破棄してもらおうと思う」


「リュード様………そんなっ」




なんて事だ
あの仲が良かった2人が……

王子の隣にいる子は……!!!

あの時、カフェで婚約破棄を宣言してた彼女だわ。
ここの生徒だったなんて……






「ミナン様………」

「マリナ先生………ううぅ~」

「大丈夫よ。きっと誤解だとわかってくれるわ」

「リュード様が急に私に冷たくなって。
生徒会の懇親会に出た後からなんです。
私はその日、体調が悪く休んでしまい、3日後に学校へ来たらリュード様の様子が変で。
それから、いつも避けられ隣にはあの方がいて………」

「うーん。なんか変だわね。

ちよっと、調べてみるわ」

そうはいっても、どうやって調べたら良いのか………



そんな時

コンコンコンッ

「はい!どうぞ」

「こちら、カイラム教授の研究室でしょうか?」

「はい、そうですが

えっ?貴方は?」

「突然申し訳ありません。
私は国の防衛大臣をしております、ドイル.ランドベイリーと申します。お見知りおきを」

「あの、私、確かカフェでお見かけ「そうですね。「会いましたね」」

ニコッ


「今回は、第三王子が被害にあっていましてね」

「被害に?やはり、あの彼女は?」

「そうです。私の……まぁ、元婚約者ですね
これには事情がありまして、あまり言えませんが。
王子はこちらで、休ませてもらっている時があると聞きまして、訪ねさせてもらいました。
急にクロウ嬢が出てきたと思うのですが……」

「そうです。先月は婚約者のミナン様と仲良くしておられました。」


「そうですね、実は私が婚約した時も同じことがありました。
彼女の父親が国の重鎮でして、
よく王宮にも来ています。
ある時、私に会いたいといらっしゃいまして、その時に娘のクロウ嬢も一緒にいらっしゃった。
彼女が目の前に来たら、何故か惚れてしまったんですよ。
その時は自分の妻にすることを考えて行動したと思います。
直ぐに父親のベルカナリー公爵に話をし、婚約の了解を得たわけです。
ですが、仕事で長く会えない日があると、スッと想いも低くなると言うか、何故か(なんで婚約するまで想ってしまうのか?)と不思議に思いまして……
でも会うとまた好きな気持ちが大きくなる。その繰り返しになった時、彼女の付けているネックレスに目が行きました。
なんと言いますか、彼女と会うと不思議な感覚になるわけです。
なので、魔法省庁の上の人に相談しましたら、今私が付けていますブレスレットを紹介されたわけです。
何でも魅惑を効かなくする魔道ブレスレットらしいです。
それを付けたら、あんなに好きだと思っていたクロウ嬢が醜い歪んだ女にしか見えない訳です。
心根が腐った女ですからね。
ほんとに我が儘で、自分の下の爵の者には酷い扱いもしますし。
私との婚約も将来王の側近になると見込んだものでしたしね。
呼び出しも頻繁で酷いものでした。
好きな時は会いたくて、時間を頑張って作り会いに行きましたが、心が落ち着いたら会いたくもない。
うるさく言ってきましたが、時間が無いと会いにも行きませんでした。
そして貴方に見られたカフェでの断罪です。
あの時は嬉しくて笑っちゃいそうでしたよ。
抑えるのに必死でした。くくくっ
ところが、私が無事に婚約破棄できたら、今度は王族に手を出してきた。
それが第三王子です。
普通王子には、そういう邪の魔法は効かないはずなのですが、リュード様は身体が弱く、弱っていた隙間に魔法がかかってしまったのでしょう。
ですが、国としても重く受け止め、今は泳がして捕まえようとしています。

婚約者のミナン様には辛い現実を見せていますが、今暫く我慢して頂いて、事を進めていこうと考えています。」



「そうなんですね。ですが、ミナン様は相当参っておられます。
早く対処されないと、リュード様から離れてしまわれると思いますが……」

「わかりました。魔道ブレスレットが手元に来ましたら、直ぐにリュード様に付けてもらいます。
ですが、その前に貴方に相談なのですが………

リュード様がこちらへ来たら、いつものように休んでもらい、その時に、クロウ嬢が現れたらこのスプレーをネックレスにかけられますかね?
これは、包み込む性質の水でして、発動されている物を暫く閉じ込めておけるのですが」

「それは……私には荷が重いです」

「そうですね。無理を言いました」

「ごめんなさい」



    そうは言ったものの、もしも隙間ができたらと置いていかれてまった。

何度か訪れるけれど、その隙間は訪れない。
ブレスレットもなかなか仕上がってこない。
リュード王子とクロウ嬢はどんどん仲を深めていく。





そして………とうとうミナン嬢は心身共に疲弊し、学園には来なくなり、心配した両親によって隣国へ留学していってしまった。


それから半月したころだろうか、ブレスレットが出来上がり、リュード王子に付けられた。

それからの方が大変で、リュード王子の嘆き悲しむ姿。

それでもクロウ嬢の執拗な性格は直らない。
城へまで赴き、リュード王子を追いかける。

リュード王子にクロウ嬢を投獄することを伝え、芝居をしてもらうことになった。
リュード王子は、自分の愚かさからミナン様を傷つけたこと、魅了にかかってしまったことも王族としてあってはならなかったこと。
この問題が終わったら愚かさを振り返ると、陛下に伝えた。

そして……いよいよ退治する日が来た


「リュード様ぁ~。やっと会えましたわ」

「クロウ」

「会えない日がとても辛かったです。
お身体が悪かったのですか?
早く私の側に来てくださいな。
さあ、私が抱き締めてあげますわ」
と言いながら、ネックレスを胸元から出した。

それを見た瞬間、リュード王子がネックレスのトップにスプレーをかけた。

「何をなさいますの?」

「クロウ、お前……私に魅了を使ったな」

その時、影から近衛兵数名が現れ、クロウ嬢を拘束。
ネックレスをもぎ取って魅了魔法を固めてしまう薬水の中へ落とした。

 ギャーギャー騒いでるクロウ嬢の前に  ドイル、ランドベリーが向かう


クロウ嬢が「えっ?なぜ?」

「久しぶりだなクロウ」

「なんで?」

「お前が魅了を使ったのがわかったので捕まえに来たのさ。俺の時も使ったよな?」

「わっ、私は知らない。そんなことしてないわ」

「このネックレスは隣国で使われている魅了魔法のネックレスだ」

「おかしいと思ったんだ。お前ごときに惚れるなんてさ。今回、王子にも使った。クロウ、お前は国家を揺るがす事をした。捕まって当然だ。連れていけ!」

「いや、いやよ!リュード様、助けて!」





「リュード王子」

「僕は、僕は……1番大事にしていたを無くしてしまった」

「ミナン様は、ずっと待っていたらしいです。学園の先生が言ってました。
実は僕もあのクロウに魅了されたのです。離れるとクロウの何が良いのか?と考える時間があり、おかしいと感じました。殿下もそうじゃありませんでしたか?」

「たっ、確かに不思議に思ったことはありました。ミナンはどうしてるか?考えたり。だが、クロウに会うとモヤがかかってクロウしか考えられなくなって」

そう話しながら殿下は泣かれる

「ミナン様が目の前にいたら、どうしますか?」


「そんなこと決まってる。どんなに辛い思いをさせたか謝って謝り続ける。
そして2度とこのような思いはさせないと言いたい。」


「そうですか。ミナン様は心身が疲弊し闘病中だそうです。会うのを許してもらえたら訪ねて看病されたらどうですか?」


「今からミナンの家に行ってきます。
そして許されるなら訪ねたいと思う。
陛下へ伝えてくる。失礼する」




「通じると良いですね」









コンコンコンッ

「はい!」


「先生、協力ありがとうございました」

「ドイル様、終わりましたか」

「ええ。もっと早くだったら良かったのですが。リュード王子は慌てて出ていきましたよ」

「そうですか……前のお二人に戻れたら良いですが」



「カイラム教授」

「はい」

「お名前をお聞きしても」

「私ですか?私はマリナ.カイラムです」

「仕事できてる時になんですが、今度一緒にお茶を飲みませんか?
マリナさんがケーキを美味しそうに食べてる姿が可愛かったです。」

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