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お互いの想い

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「マリエ嬢」


その声が聞こえた瞬間、私は動けなくなった

「ミョーイ君」


「久しぶりだね。元気にしてましたか?」

「ええ。ミョーイ君は?」


「元気ですよ。相変わらず勉強してから店の手伝いをして、品物をお客様にお届けしたり、忙しいです。」


「そうなんですね

「マリエ嬢もドレスの注文ありがとうございます。
その日は同級生のドレスを届けに行き、店に来ていただいたのにすみません。」

「いいえ」

「どうかしたのですか?さっきから一言しか話さなくて……あっ、すみません。僕が話しかけてはいけませんでしたか?

「…………」
「じゃあ……、行きますね」

部屋へ戻ろうとミョーイは歩きだした

「…………違うの。あの、私……
ミョーイ君に馴れ馴れしく話しかけたりしたこと、申し訳なく思っていて。
仲良くなれたと勝手に思っててごめんなさい。
これから気をつけるわ」


その言葉にミョーイが振り返った


「マリエ嬢………聞いてください
僕は平民です。だから、貴族様の方にはあまり馴れ馴れしくしては後が辛くなることがわかったのです。
だから、マリエ嬢のこと諦めようと」

「えっ、ミョーイ君?」

「でも僕はやはりマリエ嬢の姿を追ってしまう。でも、ダメなのはわかっています。だから逃げました」

「ねぇ、ミョーイ君聞いて!
私も同じ気持ちなの。
私と仲良くしてください。
私の父様は好きになった人と一緒になって欲しいと言う人なの。
貴族だろうと平民だろうと関係ないの。
だから……私」

そう言うマリエは顔が真っ赤だ

「ふっ、顔が真っ赤だよ」

「やだ」

「母さんに貴族様とは距離を置いて欲しいと言われたんだ。
でも、僕も正直でありたい。
マリエ嬢、僕は貴方が好きになったようだ」

「ミョーイ君、私も貴方が好きです」


「今日、帰り送って行っても良いかな?」

「ありがとうございます。嬉しいです」



2人は顔を見合わせながら微笑みあっていた。






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