1 / 29
あ
しおりを挟む
「僕が帰るまで待っていてくれるかい?」
「マイク、私はちゃんと待ってるわ」
そう約束してお別れしたのは4年前
マイクは貴族学院の寮へは入るため
此処、辺境の地を旅立った。
無事に卒業後、王宮で文官の書物を扱う部署で働き始めた。
学生の時は何度か帰って来たときに、町にデートに行っていたが、働き始めてからはなかなか帰って来なかった。
そんな秋も深まった頃、マイクの両親が我が家に訪ねてきた
「マイクがミニョンと結婚の約束をしていたことも知っている。
私達もそうなることを待っていたのだが、あいつはそれをすっかり忘れ、王都の伯爵令嬢と恋をし、婚姻したいと手紙で伝えてきた。
それも、もう子供がお腹にいると言う。
ミニョン嬢、ほんとにすまない。」
私は叔父様の言葉を、意識の遠くで聞いていた
(マイクは……私との約束を忘れてしまっていた。子供?)
私は静かに意識を集中させ、マイクの両親を見ていた
「ミニョン?」
母親が私に声をかけた
!!
「あっ、あの…………マイク様のご結婚、おめでとうございます」
そう伝えて、静かにその場を辞した
無事にマイクの結婚式が終わったと風の便りで聞いた
私はいつものように、領地を巡り領民に声をかけ、領地の教会へ行き併設している孤児院で子供達と遊び勉強を教えて邸に帰るを繰り返し過ごしていた。
ある時、我が邸にお客様がいらっしゃった。
隣国の大使をしている方数名で、領地で作られている果物を使った甘い特産品を求めていらっしゃった。
次いでに作り方も教えて欲しいと言う話だった。
その事業は私が主にしている事だったので、私が説明をし作り方を伝授することにした。
特産品でもあるが、その土地で作られる果物も違うこともあり、同じにはならない。
なので、我が領地ではなくても栄えることを願う気持ちは同じである。
領民が幸せに過ごせるよう、孤児が増えないのであれば、それに越したことはない。
私は丁寧に製法を教えて、また紙にも書いて渡した。
何日間一緒に作り、いよいよ帰ると言うときに、大使の中の1人の方に話しかけられた。
「ミニョン嬢は、好きな方がいますか?」
「えっ?あの、私には好きな方はいません。
いえ、いたと言った方が良いかもしれません。
子供がの頃の約束を信じ、ずっと待っていた方がおりました。
ですが、その方はそんな約束をすっかり忘れ、愛しい方と会われ結婚されました。
もう過ぎた事ですが………幸せにしてらっしゃいます。」
「そうですか。
今回は視察も終わりましたので帰りますが、またミニョン嬢に会いに来てもよろしいでしか?
私はどうも、あなたに恋をしているらしい」
「えっ?」
「会いに来てもよろしいか?」
「ふっ、そうですね。そちらでできた試作品、楽しみに待ってます」
「……そうですね」と笑って行かれた。
それから暫くした頃、1人の女性が私に会いに来た
玄関ホールに向かい顔を見たが、覚えがない
「あの、私がミニョンですが、どちら様でしょうか?」
「あなたがミニョン様?
そう……貴方がね」
「?」
「私はサレーダ伯爵令息の妻、ナタリーよ」
「サレーダ?マイク様の……そうですか。で、今日は私に何かご用で?
」
「失礼する!ナタリー!!」
「あぁ、マイクゥー」
「君はどうしたの?何故ここに来たの?」
「だって、だって、私が貴方をこの人から奪ったから謝ろうと」
「何を言ってるんだい。そんなことない。謝る必要なんてないんだ。
さぁ、帰るよ」
私は呆然としてしまった
馬車に奥様を乗せて、マイク様はまた玄関にいらっしゃった。
「すまないね。両親から君の事を聞いたらしく、それから少し喧嘩をして。気がついたら馬車に乗っていなくなってしまった。たぶん、此処へ来たのだろうと思って来てみたら。すまない」
「いえ、此方へいらっしゃっていたのですね」
「あぁ。昨日着いたんだ。
……その、僕は覚えていたんだ。君へ言った言葉は。だが、子供の時の事だし、たぶん君は忘れているだろうと思ったし、ナタリーと会って舞い上がってしまったことも確かで。ずっと待っていてくれたと聞いた。
すまなかった」
「いえ、私の事はお気遣いなく」
「結婚してから、ナタリーは変わってしまったんだ。子供もね、今なら何故できたのか………いや、自分のしでかしたことだ。しっかり守って生きていくつもりだ。君を裏切った僕の運命だ。どうか、君は幸せになって欲しい」
そう言ってマイク様は帰っていった
その日私はずっとマイク様のことを考えていた。
久しぶりに会ったマイク様は前と変わらず穏やかな雰囲気だった。
だが、いつの間にか私の恋心は消えていたらしく、会っても心は傷まなかった。
「マイク、私はちゃんと待ってるわ」
そう約束してお別れしたのは4年前
マイクは貴族学院の寮へは入るため
此処、辺境の地を旅立った。
無事に卒業後、王宮で文官の書物を扱う部署で働き始めた。
学生の時は何度か帰って来たときに、町にデートに行っていたが、働き始めてからはなかなか帰って来なかった。
そんな秋も深まった頃、マイクの両親が我が家に訪ねてきた
「マイクがミニョンと結婚の約束をしていたことも知っている。
私達もそうなることを待っていたのだが、あいつはそれをすっかり忘れ、王都の伯爵令嬢と恋をし、婚姻したいと手紙で伝えてきた。
それも、もう子供がお腹にいると言う。
ミニョン嬢、ほんとにすまない。」
私は叔父様の言葉を、意識の遠くで聞いていた
(マイクは……私との約束を忘れてしまっていた。子供?)
私は静かに意識を集中させ、マイクの両親を見ていた
「ミニョン?」
母親が私に声をかけた
!!
「あっ、あの…………マイク様のご結婚、おめでとうございます」
そう伝えて、静かにその場を辞した
無事にマイクの結婚式が終わったと風の便りで聞いた
私はいつものように、領地を巡り領民に声をかけ、領地の教会へ行き併設している孤児院で子供達と遊び勉強を教えて邸に帰るを繰り返し過ごしていた。
ある時、我が邸にお客様がいらっしゃった。
隣国の大使をしている方数名で、領地で作られている果物を使った甘い特産品を求めていらっしゃった。
次いでに作り方も教えて欲しいと言う話だった。
その事業は私が主にしている事だったので、私が説明をし作り方を伝授することにした。
特産品でもあるが、その土地で作られる果物も違うこともあり、同じにはならない。
なので、我が領地ではなくても栄えることを願う気持ちは同じである。
領民が幸せに過ごせるよう、孤児が増えないのであれば、それに越したことはない。
私は丁寧に製法を教えて、また紙にも書いて渡した。
何日間一緒に作り、いよいよ帰ると言うときに、大使の中の1人の方に話しかけられた。
「ミニョン嬢は、好きな方がいますか?」
「えっ?あの、私には好きな方はいません。
いえ、いたと言った方が良いかもしれません。
子供がの頃の約束を信じ、ずっと待っていた方がおりました。
ですが、その方はそんな約束をすっかり忘れ、愛しい方と会われ結婚されました。
もう過ぎた事ですが………幸せにしてらっしゃいます。」
「そうですか。
今回は視察も終わりましたので帰りますが、またミニョン嬢に会いに来てもよろしいでしか?
私はどうも、あなたに恋をしているらしい」
「えっ?」
「会いに来てもよろしいか?」
「ふっ、そうですね。そちらでできた試作品、楽しみに待ってます」
「……そうですね」と笑って行かれた。
それから暫くした頃、1人の女性が私に会いに来た
玄関ホールに向かい顔を見たが、覚えがない
「あの、私がミニョンですが、どちら様でしょうか?」
「あなたがミニョン様?
そう……貴方がね」
「?」
「私はサレーダ伯爵令息の妻、ナタリーよ」
「サレーダ?マイク様の……そうですか。で、今日は私に何かご用で?
」
「失礼する!ナタリー!!」
「あぁ、マイクゥー」
「君はどうしたの?何故ここに来たの?」
「だって、だって、私が貴方をこの人から奪ったから謝ろうと」
「何を言ってるんだい。そんなことない。謝る必要なんてないんだ。
さぁ、帰るよ」
私は呆然としてしまった
馬車に奥様を乗せて、マイク様はまた玄関にいらっしゃった。
「すまないね。両親から君の事を聞いたらしく、それから少し喧嘩をして。気がついたら馬車に乗っていなくなってしまった。たぶん、此処へ来たのだろうと思って来てみたら。すまない」
「いえ、此方へいらっしゃっていたのですね」
「あぁ。昨日着いたんだ。
……その、僕は覚えていたんだ。君へ言った言葉は。だが、子供の時の事だし、たぶん君は忘れているだろうと思ったし、ナタリーと会って舞い上がってしまったことも確かで。ずっと待っていてくれたと聞いた。
すまなかった」
「いえ、私の事はお気遣いなく」
「結婚してから、ナタリーは変わってしまったんだ。子供もね、今なら何故できたのか………いや、自分のしでかしたことだ。しっかり守って生きていくつもりだ。君を裏切った僕の運命だ。どうか、君は幸せになって欲しい」
そう言ってマイク様は帰っていった
その日私はずっとマイク様のことを考えていた。
久しぶりに会ったマイク様は前と変わらず穏やかな雰囲気だった。
だが、いつの間にか私の恋心は消えていたらしく、会っても心は傷まなかった。
37
あなたにおすすめの小説
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
義兄のために私ができること
しゃーりん
恋愛
姉が亡くなった。出産時の失血が原因だった。
しかも、子供は義兄の子ではないと罪の告白をして。
入り婿である義兄はどこまで知っている?
姉の子を跡継ぎにすべきか、自分が跡継ぎになるべきか、義兄を解放すべきか。
伯爵家のために、義兄のために最善の道を考え悩む令嬢のお話です。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
【完結】どうか私を思い出さないで
miniko
恋愛
コーデリアとアルバートは相思相愛の婚約者同士だった。
一年後には学園を卒業し、正式に婚姻を結ぶはずだったのだが……。
ある事件が原因で、二人を取り巻く状況が大きく変化してしまう。
コーデリアはアルバートの足手まといになりたくなくて、身を切る思いで別れを決意した。
「貴方に触れるのは、きっとこれが最後になるのね」
それなのに、運命は二人を再び引き寄せる。
「たとえ記憶を失ったとしても、きっと僕は、何度でも君に恋をする」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる