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「待って!お願いだ。やっと会えた」
部屋まで逃げたつもりが、クリスは直ぐ追い付き、そう言った
「私に何のご用でしょうか?」
「すまない」
クリス様の顔は真っ青だ
「………エミリー王女との御婚約おめでとうございます」
「あぁ………ありがとう」
「…はぁ、………もう、宜しいでしょうか」
(ダメだ。泣いてしまいそう。早く離れなきゃ)
「いや、お願いだ。聞いて欲しいことがあるんだ。
君にちゃんと話さないといけないことがある。」
「私は婚約者がいる方と話すことはありません。お帰りください」
「………………」
「それでは。さようなら」
そう言って部屋へ入ろうとした時、
一緒にクリス様まで部屋に入ってしまった。
「ちよっ、どう言うことですか!!」
「すまない。でも、このままじゃ、お願いだ。聞いて欲しい」
「なんなんですか!!もう話すことなんて無いです」
「すまない。だが、僕の言うことを、ちゃんと話を聞いて欲しいんだ」
「…………わかりました。なら、早く話してください。2人っきりは困るんです」
「ああ……。昨日の夜会で、僕に婚約者が出来たことは本当だ。
それも……僕が聞いたのは生誕祭の前の日だった。
婚約の打診は、エミリー王女からのだったらしい。国王に頼んであったらしいが全然知らなかった。
そんな事になるなんて思いもしなかったから、僕はビックリだったよ!だって、僕と王女は小さい時から知っていたが、友達みたいな関係で、結婚の話が出るようなそんな仲じゃなかったからね。
まぁ、そう思ってたのは僕だけだったらしいけど。
生誕祭に来た僕の両親に君の事を話そうと思ったのに、王命でエミリー王女と婚約しなさいと言われた時は驚いて………だから、エミリー王女に「僕には大事な人がいるんだ」と伝えたんだ。だが、前からずっと僕の事を慕っていたと言われて、何を言っても結婚したいとしか………しまいには、「我が国は貴方の国をいかようにもできる。貴方を愛してるから離したくない」そう言い始めて、覆すことが出来そうになかった。そんなこと言われたら尚更嫌になるのに。
実は、僕の妹が我が国の王太子と結婚しててね。生誕祭に呼ばれて来てるのだが、王太子に「うちのような属国で弱小の国は、この大国に逆らったらひとたまりもない。国を助けて欲しい。王女と結婚して欲しい。兄様すまない」と言われて、妹はごめんなさいと泣いていて……僕が我慢すれば良いことなんだと思った。
昨日、君があの場にいること、見られていたことに絶望した。だが僕から伝えたかったから、一緒にいた彼に君の居場所を聞いたんだ。だから、教えた彼を怒らないでやって欲しい」
「……………………クリス様」
「ミニョン、僕は国のために王女と結婚するが、心までは王女の思い通りにはならない。君への気持ちまで駄目にされたくはない。
今度会ったとき、話したいことがあるんだって伝えたよね。
君の事が好きなんだ。結婚して欲しいって伝えたかった。」
「伝えたかったんだ…………」
「クリス様、どうか、無理をしないで下さい。私はクリス様を信じていました。でも、叶わなかった。どうか、どうか、クリス様は幸せでいてください。
私は大丈夫てす。元々もう恋なんてと諦めていましたから」
「ミニョン、ごめん。ごめん」
そう言って、クリス様は最後に私を抱きしめてくださいました。今日で会えるのも最後だと、私達はわかっていたから離れられなかった。
「クリス様、私もお慕いしておりました」
あんなにも泣いたのに、また涙が出てきてしまい、クリス様まで泣いていたようだ。
クリス様は朝早い、まだ薄暗い時に帰って行かれた。
私は疲れていたせいか、話していたのにいつの間にか寝てしまい、クリス様を見送ることが叶わなかった。
クリスは、ミニョンの寝顔を見ながら呟いた。
「ミニョン………ごめん。断る事は……両親を………国を捨てなきゃいけない事だ。
僕にはわかってて、皆を不幸に出来ないんだ。
ミニョン、ミニョンの幸せをずっと祈ってるよ。
愛してる………ミニョンいつか、いつか………
僕はこれから心にもない芝居をし続けるよ。」
バタンッ
部屋まで逃げたつもりが、クリスは直ぐ追い付き、そう言った
「私に何のご用でしょうか?」
「すまない」
クリス様の顔は真っ青だ
「………エミリー王女との御婚約おめでとうございます」
「あぁ………ありがとう」
「…はぁ、………もう、宜しいでしょうか」
(ダメだ。泣いてしまいそう。早く離れなきゃ)
「いや、お願いだ。聞いて欲しいことがあるんだ。
君にちゃんと話さないといけないことがある。」
「私は婚約者がいる方と話すことはありません。お帰りください」
「………………」
「それでは。さようなら」
そう言って部屋へ入ろうとした時、
一緒にクリス様まで部屋に入ってしまった。
「ちよっ、どう言うことですか!!」
「すまない。でも、このままじゃ、お願いだ。聞いて欲しい」
「なんなんですか!!もう話すことなんて無いです」
「すまない。だが、僕の言うことを、ちゃんと話を聞いて欲しいんだ」
「…………わかりました。なら、早く話してください。2人っきりは困るんです」
「ああ……。昨日の夜会で、僕に婚約者が出来たことは本当だ。
それも……僕が聞いたのは生誕祭の前の日だった。
婚約の打診は、エミリー王女からのだったらしい。国王に頼んであったらしいが全然知らなかった。
そんな事になるなんて思いもしなかったから、僕はビックリだったよ!だって、僕と王女は小さい時から知っていたが、友達みたいな関係で、結婚の話が出るようなそんな仲じゃなかったからね。
まぁ、そう思ってたのは僕だけだったらしいけど。
生誕祭に来た僕の両親に君の事を話そうと思ったのに、王命でエミリー王女と婚約しなさいと言われた時は驚いて………だから、エミリー王女に「僕には大事な人がいるんだ」と伝えたんだ。だが、前からずっと僕の事を慕っていたと言われて、何を言っても結婚したいとしか………しまいには、「我が国は貴方の国をいかようにもできる。貴方を愛してるから離したくない」そう言い始めて、覆すことが出来そうになかった。そんなこと言われたら尚更嫌になるのに。
実は、僕の妹が我が国の王太子と結婚しててね。生誕祭に呼ばれて来てるのだが、王太子に「うちのような属国で弱小の国は、この大国に逆らったらひとたまりもない。国を助けて欲しい。王女と結婚して欲しい。兄様すまない」と言われて、妹はごめんなさいと泣いていて……僕が我慢すれば良いことなんだと思った。
昨日、君があの場にいること、見られていたことに絶望した。だが僕から伝えたかったから、一緒にいた彼に君の居場所を聞いたんだ。だから、教えた彼を怒らないでやって欲しい」
「……………………クリス様」
「ミニョン、僕は国のために王女と結婚するが、心までは王女の思い通りにはならない。君への気持ちまで駄目にされたくはない。
今度会ったとき、話したいことがあるんだって伝えたよね。
君の事が好きなんだ。結婚して欲しいって伝えたかった。」
「伝えたかったんだ…………」
「クリス様、どうか、無理をしないで下さい。私はクリス様を信じていました。でも、叶わなかった。どうか、どうか、クリス様は幸せでいてください。
私は大丈夫てす。元々もう恋なんてと諦めていましたから」
「ミニョン、ごめん。ごめん」
そう言って、クリス様は最後に私を抱きしめてくださいました。今日で会えるのも最後だと、私達はわかっていたから離れられなかった。
「クリス様、私もお慕いしておりました」
あんなにも泣いたのに、また涙が出てきてしまい、クリス様まで泣いていたようだ。
クリス様は朝早い、まだ薄暗い時に帰って行かれた。
私は疲れていたせいか、話していたのにいつの間にか寝てしまい、クリス様を見送ることが叶わなかった。
クリスは、ミニョンの寝顔を見ながら呟いた。
「ミニョン………ごめん。断る事は……両親を………国を捨てなきゃいけない事だ。
僕にはわかってて、皆を不幸に出来ないんだ。
ミニョン、ミニョンの幸せをずっと祈ってるよ。
愛してる………ミニョンいつか、いつか………
僕はこれから心にもない芝居をし続けるよ。」
バタンッ
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