私には勿体ない人

瑠渡

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僕が初めてクララと会ったのは

クララは婚約が決められた時だと思っているが、僕が7歳、クララが5歳の時、国妃主催の子供のお茶会だった。
まだ幼いクララは、つまらなそうに花壇の所にいて、たまたま僕が通った。
女の子の友達が来たと思ったクララが、満面の笑顔で「見て見て、このお花可愛いね」と話しかけ、女の子だと思ったクララが「ゲッ」っと言い、あたふたした。
その顔が僕のハートに命中し、惚れてしまった。
あのブサイクな顔が……。


そして忘れられなかった僕が名前をつきとめ、親にこの子以外は絶対嫌だと頼み込み親面接で婚約を結ぶ事になった。

カークが15歳、クララが13歳の時に紹介があった。

「クララ、こちらがカーク君だよ。クララの婚約者だ」

「君がクララだね。僕はカークだよ。よっ…ろしく」

「はい、よろしくお願いします」


カークは優しくていつもクララを気にかけてくれていた。
だが見目麗しのカークは中学の時から令嬢がほっとかない。
カークは困っていつも学校でナイトのようにクララを守った。
学年が違うので廊下ですれ違うときも「クララ、大丈夫?」と声をかけ、お昼も学食でクララと食べていた。


そんな時、カークを自分の婚約者にしたい令嬢により、クララは痛め付けられた。
カークの目の前でクララが階段の手摺から落ちるという事件があった。
落ちていく時、カークとずっと目があっていたクララは、怪我が大したことはなかったが、カークのことをすっかり記憶からなくしてしまった。


それもそのはずなのだ。
階段の手摺から落ちていく時、カークの隣にはカークの腕にしがみつく幼なじみのマリッサがいたからだ。
カークを好きな幼なじみのマリッサは、カークとクララがデートしている時にいつも現れたり、クララ1人の時に「昨日カークと町にデートに行ったのよ」「カークの部屋でずっと2人で勉強したの」「カークはね、貴女なんて好きじゃないの。家の為に仕方なし今は婚約してるだけ。落ち着いたら婚約破棄して私と結婚するって言ってたもの」「カークはね」「カークはね」といつも嘘をクララに言い、不安になってる時にあの事件が起きた。

裏切られたと思うショックが重なり、カークとの記憶を無くしたいのだろう。


それがクララ13歳の時

怪我と心に傷をもったクララは、いつ訪ねても「知らない人」には会いたくないと言い、面会を拒みカークに会おうとはしなかった。記憶が戻ると思って待っていたがいっこうに戻らず、カークはクララに何も告げず王都に帰ることになった。
元々カークもクララも王都の人間だが、辺境の地で学ぶ事があると遠いザランという町に来て小中を過ごしていた。

カークはクララとは、それっきり会うことはなかったが、クララはたまに王都にある邸に向かい過ごすことがある。
そんな時カークは、連絡をもらい町で幼なじみと一緒にいるクララを影から見ることにしていた。
小さい時からの幼なじみのアンリエッタは、そっとカークへ目配せしクララに気がつかないように会わせてくれていた。




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