私を信じてはくれなかった婚約者の事なんて忘れたい。

瑠渡

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ロイスの事を考えていたら

「セシリア先生?」と私を呼ぶ声がした。

「はいっ!あっ、ダリア先生どうされました?」

「先生、この後忙しい?豊穣祭りに1人で行くのも寂しくて。でも、楽しみにしていたから少しでも行きたいの」

「そうですか?勉強しなきゃならなくて………でも、わかりました。
少しだけなら。」

「ありがとう~。このまま行かれるかしら?直ぐに出掛けましょう。
屋台が沢山出てるから夕飯は屋台で頂きましょうね。付き合ってもらうのだから奢るわね!」

「ふふっ、ありがとうございます。
遠慮しないわ!!」

「「ふふっ」」

「貴方の勉強の邪魔は短い時間で済ませるわ。ほんとっ、ごめんね。
屋台の串焼きをどうしても食べたいのよぉ」

「美味しそうね」





「おじさん!串焼き4本ちょうだい!」

「はいよー。べっぴんさんが2人も来てくれて、おっちゃんは嬉しいよ!おまけにポテトもつけてやらぁ」

「「嬉しい。ありがとう」」

「ダリア先生、これほんとに美味しいわ」

「でしょ!豊穣祭りには生産者が自ら屋台を開いてくれるから、美味しい肉なのよ。2本ずつ頼んで正解だわね。
ポテトも付いてきたから、お腹いっぱいになっちゃうわね。後はデザートにしようか?」

「そうしましょう。デザートは何にする?」

「あそこのパイなんかは?」

「いいわね。」


「セシリア先生!!」

「あっ、ジョイ君の?」

「そうです!兄のアベンです。
うちも今日は花を出してるんですよ。
良かったら寄って行ってください」

「じゃあ、後で」




「何?何?教え子の兄と?」

「まさか!違うわよ」

「でも向こうは頬染めてまんざらじゃない感じ」

「そんなことないわよ。でも、良いお兄さんだわ」

「まぁ、せっかくだから後でその場所へ行きましょう」

「そうね、部屋の花がちょうど枯れてしまったし、買いに行こうと思ってたの」




デザートを食べ、向かったジョイ君の家の花屋へ向かい、私とダリア先生は可愛いチューリップを買った。
ジョイ君の兄のアベン様がオマケに小花を付けてくれた。

その時、アベン様に休みは何をしていますか?と聞かれた。
今はこの国の正規の教師になるための試験勉強ばかりしています。と伝えたら、
受かったらお祝いさせて欲しいと言われ、曖昧だが微笑みで返しておいた。

ダリア先生には、あんなイケメンに声をかけてもらったのに靡かないなんて!と、言われてしまったが。






そしていよいよ試験当日

朝早くに馬車で王都に向かった

試験会場でまさかの人に会うなんて、思いもよらなかった











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