次男坊と言っても末っ子です。

もちた企画

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第11話 ボススライム報告

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「ゼラ、それは……」

「さっき倒したでっかいスライムから出てきたんだよ」

「「 はぁぁ!?? 」」

親子でハモった。
お店で大声出したので注目の的だ。

「おほん」と咳払いして席に着くおじさん。

「アサン、どういうことだい?」

「実はさっきボスが出たんです――」

ボクらは身振り手振りでアサンのおじさんに頑張って倒したんだよ~と伝えたんだ。

だけど。

「なんて危険なことをするんだ!自己責任だって言われてただろう!」

怒られた。注目がまた集まる。
ボクらがあまりにおちゃらけて説明したからかおじさんは大きくため息を吐いて目を瞑ってしまった。

「ギルドマスターに報告しなければ…」

小声で呟きアサンの両肩に手を置いた。

「いいかい、危険なことをしたんだ。父さんは心配だよ。しかし、ボスが出るのだったら話が違う。このことは一緒に報告してもらう。……いいね」

最後の「いいね」はボクに顔を向けてきた。
こくこくと頷くボク。

「それで……」

一呼吸置いてアサンに渡す。

「これはダンジョンに誘ってくれたからアサンにあげるね」

「え?いや、え??」

アサンはボクとおじさんの顔を交互に見て渋っていた。

「アサン、開けるのは待ってほしい。何があるかわからない!まず私が鑑定しよう」

おじさんは丸いガラスを手に取って宝箱を見ている。
「ふむ」とガラスをしまってボクを見る。

「ゼラ、アサンが開けてもいいのかい?キミが倒したんだろ??」

「全然大丈夫です、むしろボクが持って帰ると怪しまれそう」

「そうか、呪いとかはない箱だったから開けてみなさい」

大きく頷くアサン。

キィィ。

「何コレ?」

アサンは覗き込み不思議がる。
おじさんはまたガラスを取り出して固まっている。

なになに?野次馬のように後ろから覗き込むが見えない。

「契約書…」

羊皮紙と呼ばれる物がクルクルと撒かれて筒状になっていた。アサンのおじさんはそれを解いてテーブルの上に広げる。「えっと…」アサンは読もうとするがおじさんが止める。

「精霊の契約書だ」

おじさんはぷるぷる腕が震えていた。

「精霊って何??」

「「 ……  」」

「ゼラ、魔法を使う時どうやってる?」

「どうって…」

「ボクらの魔力に精霊が答えてくれて魔法が使えるって教会で教えてもらっただろう?」

言ってたっけ?

「その通り?」

「魔法を使う時に何かしらお世話になってるのが精霊ってわけだよ」

「そういうことだ、その精霊と契約できるのがこれらしいぞ」

「へぇ!アサン良かったね、ボクおしっこで離れるね」

「ちょ、あからさま~」

ガシッと腕を掴まれた。やめて、おしっこ漏れる。

「いやほんと」

「ゼラ、これは気軽にあげていいものじゃないぞ」

おじさん汗すごいね。

「お気になさらず」

「「 気にするわぁぁ 」」

一応ナニには間に合ったけど話し合いは平行線。

「アサン、これってなんて書いてあるの?」

「ゼラって文字読めないっけ??え~っと…ここのところに署名するみたいだね」

指で指したところを音読する。

「ぁ ちょっとまっt――」

「――この契約書に偽りがないことを証明する。契約者アサン・ルイスって、ボクだったらこんな感じだね」

「へぇ」

ボクが頷くと契約書の周りが光り始める。
アサンはびっくり、おじさんは頭を抱えていた。

名前を書くところがその光が集まって細い線のようになり文字に変化していく。

契約者 アサン・ルイス

スゥッと光が消えてポワンと小さい火の玉が姿を現す。

「……何それ?」

「わっわっ!!」

「ゼラ、知ってた?」

「知らない、何がどうなったの??」

「アサン、どこか体に異常は無いか?!」

「大丈夫みたい、なんとも。火属性の精霊と契約したみたい…です」


――――――――――――――――――――

今ボクらは冒険者ギルドにいる。アサンのおじさんが受付で急ぎ伝えたいとしてダンジョンの話をすると上の階へ案内された。おっかないおっさんがデカい椅子に腰掛けてこちらを見ている。近くのテーブルには水とお菓子が…お菓子!!

「トレイン被害じゃなくてボスの話と言っていたが…ルイスさん」

「えぇ、うちのが出会しました。1階でね」

「へ??」

アサンの頭に手を乗せると淡々と報告するおじさん。
ボクとアサンはビスケットに夢中だった。

「そのボスから出た宝箱を開けると契約書が入っていたんですがアサンが契約者に――」

「ちょっと待ってくれ。1階でボスだと?スライムしか出ない公開フロアじゃないか」

「えぇ、ですから困ってるんです。うちのが危険な目に遭ったのですから。ボスが出る公開フロアなんて聞いたことがない」

「しかもボスと交戦中は出口すら無かったそうです。逃げられず助けも呼べず周りも気付かないなんて“神隠し”ですよ」

「ボクらがね――」

またしてもボクらが饒舌に戦いぶりを伝えても首を傾げて取りあってくれない……。解せん。

「巨大なスライムとは今まで聞いたことがないな…。このダンジョンなら5階ごとに決まったボスがいると報告はある」

ダンジョン資料はギルドに言うと冒険者であれば見ることができるそうだ。ボクらが見ようとすると隠された。アサンも残念そうだ。ぁ水のおかわりください。
……無視ですか。

ギロリと睨まれるボク。咄嗟にアサンの後ろへ隠れる。
アサンは「ぇぇ」と慌てているが火の精霊がアサンの近くで浮いているとギルドマスターのおっさんが指差した。

「そしてそれをこんな子供が討伐、宝箱を持って帰り中身は契約書で契約したのがこの――」

「アサンですね、守護してるようで常に近くを浮いています」

「アサン君、それは隠せないか?貴族に見つかるとちとマズいかもしれない。特にここではな」

「それが一緒がいいと戻ってはくれなくて」

アハハ…と苦笑するアサン。
実際に火の精霊だから触ると燃えるんじゃないかと思ったがほんのり温かいだけで触れられない。
目の前にいるのに触れられない。まさに不思議精霊だった。

「お水おかわりください」

話を遮って水をせがむ。
ノドからからです。

「それでスライムを討伐したのはお前か、ゼラ」

「です」

「本当か??」

「嘘かもよ」

「ゼラ、ちゃんと言わないと怒られるよ」

「倒せたってだけだろ?証拠がない。あれがボスじゃなくてただでっかいスライムってだけかもしれない」

「つまりは分からないと?」

「倒せたのは本当だけど必死だったからね、もう戦いたくはないかな」

「ふむ、精霊は人を選ぶと言うし契約ができたのはアサン君と相性も良かったんだろう。だが実力うんぬんより危険なフロアに子供だけで行かせたのは解放を宣言した我々の落ち度だがうーむ…」

「申し訳ないことをした」と頭を下げるおっさん。
「いいよ」と肩を叩くボク。止めるアサンと頭を抱えるおじさん。

「やはり納得がいかない!子供がボスを倒せるなどと報告できるわけがない」

ぐぬぬと腕を振り上げてギルドマスターはお怒りだった。
全くもってその通り。

「ゼラの土魔法はすごいんです、試してみたらどうでしょう!」

アサンが暴走している。バッとアサンのおじさんを見ると目を逸らした。解せん!!

「ぜひそうしてもらおう、なんちゅう顔してんだ?すぐ終わるから着いてこいゼラ」

皆お菓子がなくなったのか立ち上がりギルドマスターの後に続く。ボクは水をもらって飲み干し家に帰ろうとするがアサンにホールドされて連行された…。







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