次男坊と言っても末っ子です。

もちた企画

文字の大きさ
12 / 25

第12話 ギルドマスターと対峙

しおりを挟む
テクテク歩いてそのまま大きな広場に着く。
数人の男性が木剣で戦っていた。

「ここはギルドの訓練場だ、ここなら皆も見られる。ボスを倒した方法を教えてもらうぞ?」

ギロリとおっさんがボクを睨む。もちろん目を逸らす。
……詰め寄ってきた?!

「もし嘘だったら先に言っとけよ?罪は軽い――」

「はい、倒してません」

「ゼラっ!!」

怒られた。どっちでもいいじゃんね?アサンのおじさんが耳打ちする。

「もし倒し方分かればあのお菓子持って帰れるよ、うちで卸してる商品だからね。あと、またダンジョン行けるぞ?何せ1階の覇者様だからな」

ふむふむ。

「ど、どうすればわかるんでしょうか?」

「なに簡単だ。この俺を倒して見せればいい」

後ろから来た男性に長い棒を受け取って…剣だ?!

「こう見えて昔は冒険者稼業だったもんでな、腕には多少自信があるんだ」

変に光る剣はゆらめいて見えた。

「アサン、倒すってどうやるんだ??」

「まぁ、ハルとボクがよく取っ組み合いしてボクが負けてたじゃん…あれだよあれ」

「あぁ泣いたら負けか」

「言うな~!!」

「ははは!いいねぇ泣かせてみろや、ゼラ」

「おっし!行きます!」

いっぱい殴れば泣くってことだよな。
訓練場いっぱいに魔力を流しておっさんから距離を取りつつ土で作った手と腕を出現させて殴りに向かう。

「ん、なんだそりゃ?!」

土で出来た拳がおっさんを殴ろうと迫る。
何個も何個も。
ただ到着するのに少し時間がかかる。

「こんなもん!!」

ぶんっ!
一振りでボクの作った土パンチはバラバラと崩れていく。
すごぉ。
でもね、それ関係ないから。

「っぐあ?!」

おっさんの真下から突き上げる拳はさっきより早く硬く顎を捉えて打ち上げる。
宙に浮いたおっさんは頭から落ちるがすぐ立とうとする。
ハルの戦法で「一気に叩く」を実際にやってみる。
左右の腕というよりは体が動かないようにする腕と顔を殴る複数の土拳。

周りで戦っていた人たちは訓練場から逃げていった。

「泣いたぁ?」

顔を覗き込むが微動だにしないおっさん。

「もう!ストップで!!」

さっきの男性が声をかける。

「でも泣いてないよ?」

「ねぇ?」と振り返るとアサンが「やりすぎだ」と叫ぶ。

おっさんを拘束してた土を退かして傷を治す。
なんか言われても嫌だもんね。

まだ全部治してないのに目を開けるおっさん。
体力すごいなぁ。

「このガキ!!」

「わわっ」掴みかかろうとするから咄嗟に避ける。
まだ続いてるようだ。
剣を握り直して雰囲気を変えるおっさん。
「今度はこっちから行く――」

ひゅんっと姿が消えた。
そう、落とし穴だ。軽く10mは下に落ちた。
さっきまで隣にいた人が四つん這いで無事か確認していた。「もう勝負つきましたー」おっさんに伝えしばらくしても反撃がないのでそっと近づく。

「上げますね」

ズズズと地上までおっさんを土ごと持ち上げると気を失ってるようだった。「また治療かよ…」と小言を言って治していく。周りはザワザワしているが傷が治った頃に静かになった。

「よしっと」

立ち上がり男性に声をかける。

「次はどうすればいいの??」

「バカ!こっち来いゼラ」

なんだと!ボクがバカならアサンだって!!顔を膨らましアサンへ近づく。

「ゼラ、すごいな。土魔法ってここまで自由だとは…」

「農家にピッタリ?」

「いや……万能だろう」

何もなかったかのように訓練場の広場で大の字で寝てるおっさんとその体を揺する男性2人しかいない。
さっきの土拳も落とし穴もなく来た時と同じ地面があるだけだ。

「父さんと母さん用にお菓子持って帰ってもいい?」

「いいぞ、アサンの言っていたことが真実ならゼラは命の恩人だからね」

「おぉ、信じてもらえたよ~」

「ぜぇぇらぁー!!」

ビクゥ!!と振り返るとおっさんが怒っていた。
「なぜ?」というがアサンとおじさんが頭を抱える。

「……どうやった??」

「さっき見たでしょ?」

「違う、俺の知ってる土魔法はこんなことはできないはずだ!」

怒気を強めて言ってくる。
おっかねぇ。

アサンの後ろに隠れると剣を隣の男性に渡してボクに近づいてくる。

「土魔法は魔力がごっそり抜かれる。それは扱う場所や広さが関係するからだがお前のは…どこまで広げられる?」

「えっと、知らない」

「は?」

「し、知らないです」

「違う、どういう意味だってことだ」

「できるってだけ??」

「な、んだと?」

「??」

アサンが物凄い形相のおっさんにビビってジタバタ逃げようとするがそうはさせない!ボクだって恐いもん。
アサンシールドフルパワー!!!!

「今回は訓練場であなたを倒せればお話を認めてくれるということでしたがいかがでしたかな?」

アサンのおじさんが前に出てくれる。
目と目が合う。
一瞬の沈黙と「以上をもちまして確認事項を終了いたします」と隣にいた男性の宣言によって空気が軽くなった。

「現マスターが一方的だったがいいのか?」

男性に詰め寄るおっさん。肩が少し落ちている。

「油断したのは俺か…すまなかった。フロアはまた閉鎖とする」

「「 えぇ 」」

ボクとアサンは同時に声が出た。その声に驚くおっさん。

「せっかくスライム倒せるようになったのに」

「せっかくこの子と強くなろうとしたのに」

「この子らも危険でしたが無事ですし、マスターの許可制にしてもらえば良いではないですか?」

「うーん、許可制か。こちらで今回みたいに力量を測れば……いや」

「それなら2人は冒険者登録すればいい。1階だけじゃつまらないだろ?無理しなきゃ強くなれるぞ?いい稼ぎにもなるし、どうだろうか?」

「ぁ、じゃあハルもいいですか?」

「いいね、ボクらだけだと拗ねるもんね」

「ちょ、ちょっとアサン。冒険者になるのか?」

「冒険者になると商店って出来ないの?」

「いや、そんな縛りはないぞ?むしろ歓迎だ。冒険者で稼げないと生活できないからな」

「だってさ、父さん」

「よ、よし…それなら」

若干の汗を拭きつつ了承をするおじさん。

「それじゃあそのハルってのも連れてきてくれ。ギルド登録を済ませれば今日からでも潜れるぞ」

「潜る?」

「ダンジョンは地下に地下に進んでいくから潜るって言うんだ」

「「 なるほど~ 」」

「じゃあ、今日は悪かったな。ゼラ、アサン」

「全然!また来ます~」

「それでは、開放フロアの件はくれぐれもよろしくお願いしますね」

「報告感謝する、ルイス殿」

「では」

手を振り別れる。アサンとボクはハルを誘いにいくとまた空き地で素振りをしていた。

「ハル~」

「ハルってダンジョン行く?」

「よお、ダンジョンいいねぇ行くか」

「分かった~」

「ゼラ端折りすぎ!あのねハル――」

ハルが居ないので2人でダンジョンへ行きスライムを倒していたらボスと遭遇、なんとか倒せたことを親に伝えたら怒られてギルドマスターへ報告。子供にボスは倒せないと嘘を疑われてゼラが無事勝利。ボスが居たのが真実になって1階の開放を取りやめるそう。でもボクら3人は冒険者になればダンジョンにこれまでと同じく入れることになったことを身振り手振りでボクも頑張って伝えた。
途中から「座れ!邪魔!」って言われたけどね。
……解せん。

「それでハルも親に許可もらう?」

「いや、全然大丈夫だと思うぞ?むしろ強くなれって言われてるし」

「そうか、なら良かった」

「じゃあ早速!」

「「 ゼラは? 」」

「ボクもいいんじゃない?」

一応聞いてからってことでハルも家に帰りボクらも家に戻ることに。ボクは池の果樹園を見に行くと少し芽が出てた。……早くない?「またね」と声をかけて家路につく。

「なんて言おうかなぁ…」





━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
応援やしおりがとっても励みになりますので、
ぜひよろしくお願いします!
次回もお楽しみに!
ぜひチェックしてくださいね。

コメントやメッセージもお待ちしています。
皆さんの感想を読むのが楽しみです!
もし気に入っていただけたら、お友達にも教えてもらえると嬉しいです。
一緒に物語を盛り上げていきましょう!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...