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第22話 巻き込み
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夕方近くダンジョンを抜けるボクらはアサンの店裏に来ていた。もちろん冒険者やお店の人は凝視している。
なぜなら…
「わっしょい、わーっしょい」
「どいてどいて~」
「常識はずれね…」
「そのまま、そのまま~」
「ここでいい?」
「もうちょい、こっちへ!ゆっくりね~」
ズズゥン。
「スッゲェ、ちょっと揺れた」
ボクらは…むしろボクがルイス商店の倉庫裏まで運び、地面に置いた大岩の隣からミツ先生が出てくる。
「うんうん、いい訓練だぞ!毎回やろう」
「恥ずかしいからヤダ!」
ダンジョンに潜った初心者冒険者一行は帰りに大岩を持って出てきましたとさ。
「アサン。こ、これは?」
「ただいま、父さん!無事帰ってきました。これはちょっと相談したくて…ちょっとこっち」
アサンはおじさんにダンジョンで起きた事を話す。
もちろん僕ら以外は誰もいない。
「冷えた水をください!」
「ぁ、ボクも」
「なんでアンタは疲れてないのよ!」
ふふん、そりゃそういう魔法らしいので?
「ドヤってんじゃないわよ」
デコピンされた~解せん。
「夜まで待つの?」
「いや、もう近くに人の気配ないからいいんじゃない?」
「だそうです」とミツ先生を促すと大岩に亀裂が入って中からリールたちが出てくる。話は聞いていたが一番驚いてたのはアサンのおじさんだった。
「なっ、本当にリール様…」
「…うぅん」
「お気をしっかり坊ちゃま」
「リール様申し訳、おえぇぇぇ」
ダクは真っ青な顔で嘔吐した。ミツ先生がすぐに穴を作ってくれたおかげで嘔吐物はそのまま穴に落ちていった。
ダクの背中をミツ先生が摩っていた。
ガルンがおじさんの前にススイと近づき挨拶をする。
「ルイス殿、突然の訪問になり申し訳ない。私はガルン、こっちがダクと申します。そしてリール様です」
「巻き込んですまない」
「そんな、お顔をあげてください。アサンちょっと頼まれてくれるかい?」
リールたちは頭を下げて話をしようとするが倉庫にある休憩室で話すことになりゾロゾロと倉庫へ入っていく。
「今しがたできたばかりの部屋ですがどうぞこちらへ」
「この格好で大丈夫か?」
「もちろんでございます、お疲れでしょうがどうぞ」
「めっちゃ綺麗ー」
「すまん、ちょっと」
リールはソファに腰掛けると目を閉じていた。
ダクとガルンも同じように座り込む。
「ゼラ感謝する」
「いえいえ、全然!」
「…ただ揺れが酷くて」
「ぁ、ごめんなさい」
どうやら揺れて気分が悪くなってしまったようだ。
ハルはタオルに水を浸して渡していた。
「これで顔拭くと少しは落ち着くぞ」
っ!なんてできる子なんでしょ?!
「ありがとう、ハロルド」
「感謝いたします、ハロルド殿」
「俺はちょっと失礼して…」
ダクはソファから床へ倒れ込む。
相当キツいようだった。
あれ、これはボクの出番だね。
「ちょっと失礼しますね」
リールのおでこに触れて治癒の魔力を流す。
徐々に青ざめた顔が元に戻る。
「おぉ」
リールは驚き腕を掴んできた。
「ゼラの治癒はすごいな!気分がすっかり良くなった」
「それはそれは~、ガルンさんも」
「いや私は…」
断ろうとするガルンさんをリールが首を横に振り静止させてくれた。
「じゃあそうゆうことで~」
ありゃ?熱もある。これも一緒に。
「はい、どうでしょうか」
「いやはや、王都の治癒師より腕が良いですな、ゼラ殿は」
にっこりと笑うガルンは執事として凛と背筋が伸びていた。この人、こーやって笑えるんだな。
「あはは、よくなって良かったです」
「お、俺にも~…」
か細い声でダクは腕を伸ばす。
ボクは「はいはい」とおでこに触れて治癒していった。
「失礼いたします、開けてください~」
ノックが聞こえてハルが扉を開ける。
アサンがおじさんと一緒に食べ物を持ってやってきたのだ。
「空腹のご様子とのこと。ここにある物で申し訳ありませんがまずは腹ごしらえを」
「あぁ、何から何まで感謝しかできない自分が情けない」
「坊ちゃま……」
「今は施しに感謝していただきましょうや、リール様」
早速手が伸びるダクはそのままパンに貪りつく。
なんて早さだっ!もう2個目だと?!
リールも「ではいただこう」とダクに苦笑しながら食べる。ガルンはリールの食事を手伝っていた。
貴族だから作法とかあるのだろうか?よく見ていると「ゼラも食べるか?」と聞かれたが家に帰ると夕飯だからと断った。
「そういえば」とリターナさん。
「アンタたちは換金しなくていいの?初心者冒険者さん」
「「「 ああっ! 」」」
受付が終わっちゃうのすっかり忘れてた。
「じゃあそうゆうことで」
「貴族の挨拶はそれじゃまずいでしょう」
「「 なるほど 」」
(どうするの?)
「それではリール様、ごゆっくり」
アサンはできる子。
「同じく」
すぐさま真似するボク。
「何か買ってくるぜ!」
ハルはもう一度来るようだ。
「「「 急げ~ 」」」
「魔石持っていってどうするか知ってるのかしら……」
何か聞こえたがボクらは止まらない。
むしろハルがボクを引っ張るから止まれない。
夕日が沈みボクらの影が伸びてなんか青春っぽい。
アサンは困り、ハルは笑ってボクも笑った。
なんでハルはこんな早く走れるかふと疑問に思う。
「ハルって荷物忘れてない?」
「……あ!」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
応援やしおりがとっても励みになりますので、
ぜひよろしくお願いします!
次回もお楽しみに!
ぜひチェックしてくださいね。
コメントやメッセージもお待ちしています。
皆さんの感想を読むのが楽しみです!
もし気に入っていただけたら、お友達にも教えてもらえると嬉しいです。
一緒に物語を盛り上げていきましょう!
なぜなら…
「わっしょい、わーっしょい」
「どいてどいて~」
「常識はずれね…」
「そのまま、そのまま~」
「ここでいい?」
「もうちょい、こっちへ!ゆっくりね~」
ズズゥン。
「スッゲェ、ちょっと揺れた」
ボクらは…むしろボクがルイス商店の倉庫裏まで運び、地面に置いた大岩の隣からミツ先生が出てくる。
「うんうん、いい訓練だぞ!毎回やろう」
「恥ずかしいからヤダ!」
ダンジョンに潜った初心者冒険者一行は帰りに大岩を持って出てきましたとさ。
「アサン。こ、これは?」
「ただいま、父さん!無事帰ってきました。これはちょっと相談したくて…ちょっとこっち」
アサンはおじさんにダンジョンで起きた事を話す。
もちろん僕ら以外は誰もいない。
「冷えた水をください!」
「ぁ、ボクも」
「なんでアンタは疲れてないのよ!」
ふふん、そりゃそういう魔法らしいので?
「ドヤってんじゃないわよ」
デコピンされた~解せん。
「夜まで待つの?」
「いや、もう近くに人の気配ないからいいんじゃない?」
「だそうです」とミツ先生を促すと大岩に亀裂が入って中からリールたちが出てくる。話は聞いていたが一番驚いてたのはアサンのおじさんだった。
「なっ、本当にリール様…」
「…うぅん」
「お気をしっかり坊ちゃま」
「リール様申し訳、おえぇぇぇ」
ダクは真っ青な顔で嘔吐した。ミツ先生がすぐに穴を作ってくれたおかげで嘔吐物はそのまま穴に落ちていった。
ダクの背中をミツ先生が摩っていた。
ガルンがおじさんの前にススイと近づき挨拶をする。
「ルイス殿、突然の訪問になり申し訳ない。私はガルン、こっちがダクと申します。そしてリール様です」
「巻き込んですまない」
「そんな、お顔をあげてください。アサンちょっと頼まれてくれるかい?」
リールたちは頭を下げて話をしようとするが倉庫にある休憩室で話すことになりゾロゾロと倉庫へ入っていく。
「今しがたできたばかりの部屋ですがどうぞこちらへ」
「この格好で大丈夫か?」
「もちろんでございます、お疲れでしょうがどうぞ」
「めっちゃ綺麗ー」
「すまん、ちょっと」
リールはソファに腰掛けると目を閉じていた。
ダクとガルンも同じように座り込む。
「ゼラ感謝する」
「いえいえ、全然!」
「…ただ揺れが酷くて」
「ぁ、ごめんなさい」
どうやら揺れて気分が悪くなってしまったようだ。
ハルはタオルに水を浸して渡していた。
「これで顔拭くと少しは落ち着くぞ」
っ!なんてできる子なんでしょ?!
「ありがとう、ハロルド」
「感謝いたします、ハロルド殿」
「俺はちょっと失礼して…」
ダクはソファから床へ倒れ込む。
相当キツいようだった。
あれ、これはボクの出番だね。
「ちょっと失礼しますね」
リールのおでこに触れて治癒の魔力を流す。
徐々に青ざめた顔が元に戻る。
「おぉ」
リールは驚き腕を掴んできた。
「ゼラの治癒はすごいな!気分がすっかり良くなった」
「それはそれは~、ガルンさんも」
「いや私は…」
断ろうとするガルンさんをリールが首を横に振り静止させてくれた。
「じゃあそうゆうことで~」
ありゃ?熱もある。これも一緒に。
「はい、どうでしょうか」
「いやはや、王都の治癒師より腕が良いですな、ゼラ殿は」
にっこりと笑うガルンは執事として凛と背筋が伸びていた。この人、こーやって笑えるんだな。
「あはは、よくなって良かったです」
「お、俺にも~…」
か細い声でダクは腕を伸ばす。
ボクは「はいはい」とおでこに触れて治癒していった。
「失礼いたします、開けてください~」
ノックが聞こえてハルが扉を開ける。
アサンがおじさんと一緒に食べ物を持ってやってきたのだ。
「空腹のご様子とのこと。ここにある物で申し訳ありませんがまずは腹ごしらえを」
「あぁ、何から何まで感謝しかできない自分が情けない」
「坊ちゃま……」
「今は施しに感謝していただきましょうや、リール様」
早速手が伸びるダクはそのままパンに貪りつく。
なんて早さだっ!もう2個目だと?!
リールも「ではいただこう」とダクに苦笑しながら食べる。ガルンはリールの食事を手伝っていた。
貴族だから作法とかあるのだろうか?よく見ていると「ゼラも食べるか?」と聞かれたが家に帰ると夕飯だからと断った。
「そういえば」とリターナさん。
「アンタたちは換金しなくていいの?初心者冒険者さん」
「「「 ああっ! 」」」
受付が終わっちゃうのすっかり忘れてた。
「じゃあそうゆうことで」
「貴族の挨拶はそれじゃまずいでしょう」
「「 なるほど 」」
(どうするの?)
「それではリール様、ごゆっくり」
アサンはできる子。
「同じく」
すぐさま真似するボク。
「何か買ってくるぜ!」
ハルはもう一度来るようだ。
「「「 急げ~ 」」」
「魔石持っていってどうするか知ってるのかしら……」
何か聞こえたがボクらは止まらない。
むしろハルがボクを引っ張るから止まれない。
夕日が沈みボクらの影が伸びてなんか青春っぽい。
アサンは困り、ハルは笑ってボクも笑った。
なんでハルはこんな早く走れるかふと疑問に思う。
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