【完結】いずれ忘れる恋をした

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【最終章】彼に決めた

1.

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「…あれからもう、1年が経つのね」 

墓前に花を供えながら母さんが言う。その声は穏やかで、でも、父さんはそんな母さんを支えるように肩に手を添えて そっとさすっていた。


私の背にある十字架。重すぎるそれは、家族が何を言おうとも軽くなることはない。




胸が痛くて苦しくて。でも、私に泣く資格なんかない。 

ない、のに。


"マディは、あんたのことが大好きだったんだな" 

"いや、やっぱりあんたの笑顔良いなと思ってな" 

"一緒に店やるって夢、ちゃんと叶えられてんじゃねえか" 

"あんたからしたら俺はただの客でデカいおっさんだろうが、俺は…、いや、何でもねえ。…じゃあな"


声が、聞こえた。
誰のものかも分からない、心地よい低音の声。 

私はこの声を知っている。 

けれど、分からない。



「っ!…シーリル……」



あなたは一体、誰ですか?




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