【短編】ルルリア第2夫人の穏やかな一生

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ミリア・サラン

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「お気を付けていってらっしゃいませ、ダグラス様」
「ああ、行って来る。帰りは早くとも1ヶ月後になる」
「ご武運を」
「ああ」 

黒々とした毛並みの熊獣人が自分より頭2つ分は小さい人間の女性を見下ろして僅かに口角を上げた。見る人が見れば分かるほど僅かに。それは一見、威圧感のある仏頂面なのだが、柔らかな笑みをたたえた女性はそんな旦那に向けて一層表情を和らげた。
このやり取りは毎朝のことであるが、奥様はまるで聖母のようだ、と使用人達は思う。 

家紋の刻まれた馬車を見送り、皆で室内に入ると、留守の旦那に変わり屋敷の主人となった夫人は笑みを崩さぬまま告げる。 

「みなさん、今日も1日よろしく頼みますね」 

この言葉に一同が返事をして、ルルリア侯爵家の平和な1日が始まるのである。 

__________


ダグラス・ルルリアは若くして帝国騎士団の団長を務める熊の獣人である。そしてその妻は代々宰相や文官を務める人材を輩出しているサラン伯爵家の次女、ミリア。
現宰相の父と、その後を継ぐのは確実にどちらかだろうと言われるほどの才と実力を持った姉と兄がおり、加えて彼らは揃って整った容姿の持ち主であった。一方、末の娘であるミリアにはこれといって目立った取り柄が何もなく、強いて言えば特徴は長く細い首と漆黒とは言えぬ赤みがかった黒髪。それを揶揄して社交界では密かに「ダチョウ」もしくは「飛べぬ鳥」と呼ばれていた。 

そんなミリアに帝国の騎士団長であるダグラスとの婚約の話が上がったのは彼女が17、成人の1年前の話である。当時、相手のダグラスは27歳、年齢差にして10歳。
それでもミリアは父と姉、兄から勧められたこの話を断る選択肢もなく、首を縦に振ったのであるが、引く手あまたであろうダグラスと特に何の取り柄もない自分がどうして結婚することになったのだろうという疑問はすんなり婚約が成立しても常に頭に残っていた。しかし成人を迎え、無事に結婚、それから2年の月日が流れる頃には宰相である父の話を断れず、害の無さそうな印象の薄い自分と結婚したのだろうと思うようになっていた。 

事実、当時のダグラスにとって結婚相手は誰でも良く、もう見合い話は懲り懲りだと思っていたところで宰相から告げられたのが宰相の末の娘との見合い話であり、断れずにその場所へ向かうと、来たのが害のなさそうな女だったからそのまま婚約した、というだけだった。 

結婚してすぐの頃は10の年齢差のある夫婦はそれぞれが元来口数が多い方ではなかったために会話は最低限のものであった。しかしそれでも2人で会話をする時間というものを必ず設け、静かながら、確かにその距離を詰めていった。1年が経つ頃には、相変わらず口数は多くないが2人の間には信頼関係が築かれ、次第に互いへの愛情が芽生えていた。使用人に対してもミリアは丁寧な対応をし、そう時間を要せず使用人一同は優しく穏やかな若い妻を慕うようになっていた。 

ミリアの20の誕生日には、ダグラスは美しい花束を手に帰り、その日、2年が経ってようやく初めての夜を迎えた。獣人と人間の夫婦ということもあり、同人種同士の夫婦よりも子供はできにくいと言われている。
その日から3年が経っても、二人の間には子供ができなかった。
一夫多妻制の認められている国であり、ダグラスもミリアもそれを承知の上で婚約していた。"結婚から5年が経っても跡継ぎができなかった場合は他に妻をつくってもよい"と、ミリアの父と当人達により決められていたが、5年が経ってもダグラスは例え運命の番というものに出会ってもその人を妻を迎えるつもりは全くなかったし、ミリアとの間に子供ができなくても構わない、ミリアと並び一生を添い遂げたいと考えていた。それほどまでに彼は妻を愛するようになっていたのだ。 

そう、それは、運命の番と出会う時までの考えで。 

遠征先の街でダグラスは出会ってしまったのだ。一生の間に出会えるのは奇跡だと言われる運命の番と。 


__________



「おかえりなさいませ、ダグラス様。ご無事で何よりです」
「……ああ」
「…ダグラス様?」
「ミリア、話がある」
「……かしこまりました」 

遠征から帰るとすぐ、ダグラスはミリアに包み隠さず事実を述べた。
遠征先で運命の番と出会ったこと、それから、既にその女性への愛情しか抱けなくなっていて、彼女と結婚し、番いたいと思ってしまっていることを。 

ダグラスは自分でも信じられなかった。あれほどまでに彼女だけで良い、愛しいと思っていたのに、そしてその感情を抱いていた記憶はあるのに、運命の番に出会った瞬間、砂のように指の隙間からこぼれ落ちてすっかり無くなってしまったのだから。 

普段は無口な夫が整理するように話すのを、向かいのソファに腰掛けた妻は黙って聞いていた。 

「……すまない、ミリア」 

その一言で話を締めくくったダグラスに、ミリアは穏やかに声を掛ける。 

「ダグラス様、顔をお上げください」
「……」
「何となく感じておりました。だって、貴方の纏う空気がほんの少しだけ、違ったんですもの」
「ミリア…」
「お父様との約束事も既に時効ですし、私はダグラス様にそのような方が現れて心から嬉しく思っております。ダグラス様さえ宜しければ、その方とご挨拶させて頂いても構わないでしょうか」
「ああ、もちろんだ」
「ありがとうございます。
………ダグラス様、我儘を申し上げることは重々承知ですが、私はもう23で行き場もありません、その方を正妻になさった後もどうか離縁はせず、ルルリア侯爵家領地の屋敷に置いてくださいませんか。ダグラス様もご存知の通り、ある程度の経営と経理、管理はできますので、是非これからも手助けをさせて頂きたく思います」
「……ミリア」 

決して背筋を曲げず、視線も逸らさず、凛とした声で告げた妻。ダグラスが初めて見る姿であった。 

「これからも、よろしく頼む」
「…ありがとうございます」 

小さな違和感を飲み込み、ようやくダグラスの口から絞り出された了承の言葉に、ミリアは眉を下げて微笑み、礼を告げる。 

本当に、彼女は自分を愛していたのか。
愛していたのなら、どうしてこんなにすんなりと許してくれたのか。
もしかすると、彼女の心は自分にはもう既になく、居場所がないために仕方なく自分の元にいようとしているのか。
だから、傷付いたように見えないのだろうか。 

考えてみても、他より突出して女心に疎いダグラスに分かるはずもなく、ただ、6年隣にいたという情から、ミリアとの結婚関係を継続することにしたのだった。6年も連れ添った妻に対してそんな情しか残らないほど強い自分の動物的な本能。それによりミリアという1人の女性の人生を振り回した事実に罪悪感を抱きながら。 


__________ 



「初めまして。サラン伯爵家の次女、ミリアと申します。お話はダグラス様からお伺いしております。エカエラ様とお呼びしても宜しいでしょうか?」
「ミリア様、そんなにかしこまらないでくれ…ください。私は平民です。それと、私も、ダグ…ラス様から、お話は聞いています。一夫多妻制が認められているとはいえ、いきなり来て貴方からダグラス様を奪うようなことをして、本当に、……」 

後日、ダグラスの隣に並び屋敷に足を踏み入れたのは、美しい狼の獣人の女性、エカエラだった。 

彼らをいつもの笑みで出迎え、挨拶をしたミリアに、エカエラは慌てたように返事をした。 

2人はまるで正反対の容姿であった。ミリアが月なら、エカエラは太陽。
静かな空気を纏い、素朴極まりなく、どちらかと言えば涼やかな容姿をしたミリア。
快活な空気と、貴族として磨けば目を引く存在になるであろう容姿をしたエカエラ。


ミリアは23歳、エカエラは30歳。 

エカエラはその美貌を持ちながら、この歳になるまで未婚であり、その理由は運命の番以外とは結婚する気がないからというものだった。その人を探すべく冒険者として各地を旅していたところ、遠征中のダグラスと出会ったのだ。 

狼の獣人は一夫一妻が基本であり、伴侶を見つけると死ぬまで、死んでもその相手だけを思い続ける性質がある。そのことから、エカエラはダグラスに既に妻がいることを聞いて諦めようと考えたのだが、そんな思いは運命の番に対する本能的な思いの強さの前では無力であった。
本能をギリギリで抑え、理性的に話し合った結果、ダグラスとエカエラは触れ合い等はきちんとミリアへ話をしてからと決めていた。ダグラスから話を聞く限り、ミリアはきっときちんと話を聞いてくれ、運命の番に対して理解のある女だろうとエカエラは考えていた。彼女に許されなかった場合のことを考える余裕は正直なかった。探し続けた運命を目の前に、理性を保つので精一杯だった。 

結果的に、エカエラが思う以上にミリアは理解のある女であった。逆にそれに違和を感じるほどに。 

「運命の番とはどのようなものか、私には分かりません。ですが、私はお2人が出会えた奇跡が心から嬉しいのです」 

目尻を下げて微笑んだミリアの表情は、偽りなく、ダグラスとエカエラが出会えたことを嬉しいと伝えていた。 

「ミリア様…あん、あなた…」
「ふふ、エカエラ様、貴女の話しやすいように話されて良いのですよ。これからはエカエラ様がダグラス様の正妻となられるのですから、遠慮は禁物です」
「いや、でも…」
「…実は私、エカエラお姉様とお呼びしたいのです。貴女のようなお姉さんが欲しかったんですもの。私の姉はどうも堅くて…あ、秘密ですよ?」
「…じゃあ、ミリア、と呼んでも?」
「もちろんですわ、エカエラお姉様」 

エカエラに合わせ、ほんの少し砕けた話し方をし、あどけなく笑ったミリア。ダグラスが好きだった、ごく稀に彼女が見せる姿だった。 


__________ 



ダグラス・ルルリアが運命の番を正妻に迎え入れることは、すぐに社交界に広まり、一時はその噂でもちきりとなった。 

その噂が広まる前にアポを取り、サラン家へ訪ねたダグラスとミリア、そしてエカエラ。宰相である父、優秀な文官である姉と兄の威厳にエカエラは緊張していたが、あっさり受け入れられたことに拍子抜けしていた。一夫多妻制が染み付いている家庭はこんなものなのかと感じていた。 

「ミリア、聞いても良いかな」
「はい」
「一夫多妻制が染み付いているからミリアの家族は快く了承したっていう認識で良い?」
「私の家族は、私自身に興味がないだけだと思います」
「そんなことは…」
「…では、お姉様が言った認識が正しいということにしておきます。嫌な思いをさせてしまっていたらごめんなさい」
「それはないよ、私はミリアが心配なんだ」
「……ありがとうございます」 


__________



そうして無事に婚姻関係の手続きは終わり、荷物をまとめたミリアは王都の屋敷から離れ、侯爵家の領地へと向かった。 

ミリアに着いて来た片手に収まる使用人数人と領地の屋敷に待機していた使用人達を合わせても多いとは言えない人数であるため、ダグラスに人員補充を提案されたが、ミリアは十分だと答えた。住むのは1人だけなのだから構わない、それよりもいろいろと不慣れなことが多いエカエラをサポートしてあげてほしいと。
それからミリアは、これから入るであろう新人も含め、自分とエカエラを比べる発言は一切しないように伝えるように、それから自分そう指示したことを秘密にしておくようにと、強く執事長とメイド長に告げた。生まれながらの貴族と平民ではマナーなどに差があるのは当たり前であるからという、ミリアなりの気遣いであった。



ルルリア侯爵領の屋敷にミリアが1人で戻り、住み始めた当初はさまざまな噂話が飛び交ったが、すぐにそれも落ち着いた。元より、2人が結婚してから5年の間に領民達は彼女を好ましく思うようになっていたからだ。 



領民の熊獣人にミリアが襲われたという連絡がダグラスの耳に届いたのは彼女が領地に移り住んで1年が経とうという時だった。
その時、ちょうどダグラスは多忙な時期であり、エカエラの腹の中には生命が宿っていたことから、報告を聞くだけに留まった。そして2か月後、無事に第1子が生まれ、ダグラスとエカエラは連れ立って領地へ向かった。


__________ 



「あの庭の隅の墓は何? 何かあったの?」
「実は、こちらに来てから飼い始めた鳥が死んでしまったのです」
「………そう」 

悲しそうに微笑むミリアを、エカエラは赤子を抱いた腕とは逆の腕で抱き締めた。彼女は、真実は他にあることを何となく察していた。 

「ミリア、やっぱり女1人でここに住むのは危険だ。王都に戻って来たらどう?」
「大丈夫ですわ、エカエラお姉様。私、この地が好きですから、離れ難いのです。やっと領地の問題も解決に向かいつつあるからまだ様子を見なければなりませんしね」
「何かあったらすぐに連絡をするんだよ」
「承知しました、お姉様」 

それからミリアはダグラス様が許してくださるのなら、養子を取って跡継ぎとして育てても良い、と告げた。
正直ここ1年で更にダグラスは彼女の能力を認めることになっていたが、その話はまた別の機会にということになった。 

その夜、ミリアの部屋に訪ねたのはダグラスだった。月を見上げながら趣味である絵を描いている妻の背中に向けて謝罪をした。話は聞いた、すぐに駆けつけられずすまなかった、と。彼からは彼女が何を描いているのかは見えない。
ミリアは筆を動かし続けている。 

「いいえ、良いんです。この領地に住みたいと我儘を言ったのは私ですもの。そんなことより、こんなところへいないでエカエラ様の元へお行きになってください。赤ちゃんを産んだばかりの母親は、精神も不安定になりやすいんですのよ」 

ようやく筆を置いて立ち上がったミリアはやはり笑っていた。しかし、ダグラスの記憶にある笑顔ではなかった。いつからこんな風に笑うようになったのだろう。何かを隠すような儚げで寂しそうな笑顔。 

「領地の管理のことで何かご指摘や方針のご希望がありましたら仰ってください。その通りに致します」 

その言葉の後、半ば強引に部屋を出されたダグラス。 

運命の番であるエカエラが見つかって、恋愛的にも性的にも彼女にしか愛情を向けられなくなったが、ミリアを嫌いになったわけではなかった。エカエラが見つかる前は、確かにミリアを愛していた。 

今なお強く残る動物の本能によって、今まで積み上げてきた想いや関係が蹴飛ばされたのは紛れもない事実。やるせなくて歯がゆくて胸が絞られ、しかしどうすることもできなかった。もう、ダグラスはミリアを抱こうとは思えなかったし、女としての愛さえ芽生える気配も感じられなかったのだ。 


__________ 



時が流れるのは速い。ダグラスとエカエラは子宝に恵まれた。長男は騎士団長である父と同じ道を、次男は領地運営に興味と才があり、度々領地へ赴いてはミリアからの指導を受けていた。長女はその美貌に加え文官としての才があった。子供達は女に懐いた。子供達は彼女が父のもう1人の妻であることを10の年を迎える頃まで知らなかったし、小さいうちは知らせないでくれと深く頭を下げて本人に頼まれていた。ダグラスへの頼み事は領地へ移り住みたいというもの以来2度目のことだった。 

エカエラとの結婚後、ダグラスはミリアを抱かなかった。抱き締めもしなかった。運命の番がいるのだから、至極当然のことであると言える。 

次男が王立学校を卒業する年、彼が18の時。ミリアはあっさりと息を引き取った。感染力のない流行病にかかったのだった。執事が急いで王都の屋敷へ報せたが彼らは間に合わず、使用人達に看取られ、静かに逝った。まだ40代も前半だった。 

報告を受けたダグラスら家族5人が揃って領地の屋敷の前に足を下ろしたのは報告の3日後。彼らを出迎えたのは使用人達だけで、そこにはもう優しく微笑む彼女の姿はなかった。 

自室のベッドに横たわるミリアは穏やかな顔をして眠っていた。まるで眠っているようだった。
次男が1番にその横へ駆け寄り、冷たく動かない彼女の手に触れて人目も気にせず声を上げて泣いた。エカエラと長男と長女もそれに続いて歩み寄り、3つの手が次男の背を擦る。

ダグラスは、そこに近付くことができなかった。死人の姿など職業柄 幾度となく見てきたはずなのに。胃から何かが込み上げる感じがして、ダグラスは咄嗟にその部屋を出た。 

ふらふらとした足取りで廊下を歩き、ふと開いた扉の向こうはミリアのアトリエだった。そのまま導かれるように素朴な椅子に腰掛けると、気分が落ち着いてくる。こんなことを周りに言えば、騎士団長とあろう者が情けないと笑われるだろうか。

見回すと、その部屋には描き上がったばかりらしい絵があった。そこに描かれていたのはダグラス、エカエラ、そして3人の子供の姿だった。ミリアの姿は描かれていなかった。
彼女のスケッチブックも、描かれているのはダグラスら家族や使用人達の姿、屋敷や領地の風景ばかりで、彼女の姿はひとつとして描かれていない。 

ふと目を向けると、横の机に彼女が毎日欠かさず書いていた日記帳を見つけた。いけないことだと知りつつも、そっとそれを手に取り開く。一時期文通していた頃の記憶が蘇る、ミリアの字が連なっていた。 

『彼の子供を身ごもって、産んでみたかったという我儘は、ここだけの秘密』 

『エカエラ様が現れようと、ダグラス様に全く会えなくても、彼の私への愛がもうないとしても、私はずっと彼を愛しているのです。馬鹿な女と笑えば良い、案外私は重くて一途だったのね』 

『あの日、容姿も声も私に触れる手も全てが違う熊獣人に襲われた日、少しでも彼に重ねてしまった自分にはいつか罰が下ってほしい』 

『もう一度だけで良いから、彼が私の膝に頭を乗せて、彼の少し硬いくせっ毛を撫でるあの穏やかで何でもない幸せな時間を味わいたかった』 

『マルコ様が私を"お母様"と呼んだ時は本当に驚いたけれど、とても、温かかった』 

『最初こそ政略結婚だったけれど、ダグラス様と出会えて、私はとても恵まれた女だったと思う。今も名前だけでも彼の妻でいられていることが本当に幸せ』

『さようなら、私の愛する人。早く私という人間の記憶が彼から無くなってしまいますように』 

ついぞ聞けなかった彼女の心の内。 

ダグラスの目から涙が溢れる。
愛していた。彼は確かに彼女を愛していたのだ。 


__________



次男は卒業後、そのまま彼女の跡を継ぎ、ルルリア侯爵家領地の管理を行うこととなった。 


魔獣との戦いにより片脚を失くしても、騎士団長を辞しても、ダグラスは自身が死ぬまでミリアの命日には必ず領地を訪れた。彼女が1番の笑顔を浮かべてくれた、あの日の花束を持って。



               ー完ー
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