聖癒の聖女は覚えていない

せろり茶

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~5話~

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ぬくぬくだぁ...。

朝日が暖かく顔を撫でて、起きなくちゃ...と思いながら、ぬくぬくと温かいお布団に包まれる幸せを噛み締める。

そろそろ起きなくちゃ...ノースさんが来ちゃうなぁ。

でもいつもより温かいお布団の中から出たくないし、背中の温もりと、柔らかく撫でている手のひらは幸せな気分になる。



ん?!




手のひら...?!



「おはようエミーリア...」

私の首のしたの腕で肩を抱き締められながら、背中から耳に唇が微かに触れて囁かれ、ゾクゾクっと小さく甘い痺れが体を走る。


「あ......神父さま...」

そうだ、私...昨日神父さまと結ばれたんだ!!!?

ぼふぅッ!と顔が赤くなるのがわかった。

ええと、これ、私裸で神父さまも裸で...朝で!!

あああああっ!!!これ、朝チュンってお兄ちゃんのよく読む雑誌にあるあれだ!!!

これが朝チュンっ!!


わたわたと慌てる私を抱きすくめながら、小さく神父さまが笑いを堪えた声で囁く。


「ダメですよ、エミーリア。私の名前は?」


「...テ、テセウスさま...です...。」

真っ赤になるのは、一瞬で昨夜の記憶をハッキリくっきり思い出してしまっているのと、テセウスさまの名前を呼んだ瞬間、ふわりと蕩ける私の思考のせい...。

ぼんやりと起きた朝に、こんな嬉しくて恥ずかしいしん...テ、テセウスさまに抱きすくめられているなんて、発火してしまうんじゃないかと思うくらいに真っ赤になっている確信がある。


「エミーリアが腕のなかで寝ている幸せで、どうにかなりそうでしたよ...?」

チュッ...と音がして、頭にキスを落とされる。

そのまま、首筋に唇が降りてきて軽く首と肩を齧られるだけで、ゾクゾクが止まらなくなる。


「あ...っ...ふっ...テ、テセウスさま...ダメッ...」

首を仰け反らせながら甘い痺れに耐えると、軽く笑い声をさせながら、ゆっくりと腕を引き抜かれ、仰向けに横たえさせられる。

私の上に覆い被さりながら、しん...テ、テセウスさまの熱い肉棒で、秘めた場所をゆるゆると擦られる。思わずピクピクと震えるのは、それが強いくらいの快感をもたらす物だと知ってしまったから...?



「このまま...いいですよね?」

擦られ、徐々に開かれていく中のくちゅっと粘ばった音を耳が拾って、丸くて熱い尖端で擦られる摩擦に腰が揺れる。

これ以上ない程真っ赤になっている自信がある。

「まだ乾いてないですね...先だけでも気持ちがいいですよ、ぬるぬるで温かくて...ほら、私のチンポを食べてるよ...。」


真っ赤になってる確信から自信にランクアップしてる。

テセウスさまの卑猥な言葉も、丁寧な言葉使いがたまに崩れてらっしゃるのにも、ドキッとする。体の奥から、心の奥までゾクゾクして蕩けていく。愛される歓びに溺れてしまってもいいのかな...?


テセウスさまの先端部分にぬちぬちと揺すられる動きで、敏感な秘芯まで擦られて、鋭い快感で息が止まりそう...。


「や...恥ずかしいです...朝ですょ?」

こんなあれこれハッキリ見える時間に愛を交わすなんて...テセウスさまの筋肉の溝にできる影も、私を見つめるテセウスさまの眼の中に映る私の姿もハッキリ見てとれて...。

恥ずかしい...。


「ふふ。困った顔のエミーリアも可愛いね」


クッと腰を圧し進められると、潜り込んでくる熱量に圧迫されて、はくはくと呼吸を求めて口が開いてしまう。

くすくすと笑いながら、神父...テセウスさまが啄む様にキスをしてきて、そんな余裕綽々な姿に大人の男性だなぁって、翻弄されている事にすらときめく。


「エミーリアの中、温かいですよ。」

くちゅっくちゅっくちゅっ...軽く入り口を揺すられる度に潤んだ音がして、いたずらをする様にチロチロと唇を舐められて、指が乳房に埋められると掠める尖りに触れて甘い声が洩れる。


「朝ですからね。可愛い小鳥の囀ずりをたっぷり聞かせて?」


テセウスさまの低い声が私の官能を引きずり出していく。

溺れるように、愛される行為に翻弄されてしまう。

沢山快感を拾う部分を触れられながら熱い尖端で貫かれた。




**********



たくさんいろんな体勢で翻弄されて、熱く中に出されて、ぐったりとシーツに沈む私をとても幸せそうな微笑みを浮かべたまま、テセウスさまがお湯を用意してくださって、浄めていく。

恥ずかしさに身悶えるけど、指先ひとつ動かせない位体は重くて為されるがままになってしまう。


顔、首筋、鎖骨、腋から胸へ、と温かいタオルに拭われていく。

「エミーリア、足。拡げて?」

くすくすと笑いながら、テセウスさまが膝頭を押さえてくる。


「ゃぁ...そこは...!」

自分で...と思うのはこれだけテセウスさまに愛でられても、やっぱりソコは、恥ずかしい場所だから小さく抵抗して。

身を捩った瞬間、中からトロリ...と垂れる感触にふるりと悶えるのは羞恥が強くなる。


「ね?エミーリア...垂れてきた?中、私が沢山注ぎましたからね。ほら、キレイにしないと、授業中に出てしまったら困るでしょう?」


時間差で出ちゃうの?!今だってトロリと中から溢れ落ちる滴にすら体は反応してしまうのに...?!でも!でも!?

こんな明るい最中に見られてしまうのは...恥ずかしい。


「い、いじわるですぅ...」

とても嬉しそうなお顔のテセウスさまに、半泣きで告げるのは仕方がないと思うんです。


「じゃあ、自分で掻き出しますか?ちゃんとできるか見てて差し上げましょう。」

にっこりと、笑顔で膝を開きながら囁かれる。

で、で、出来ません...。自分でなんて...。


「......お、お願いします...。」


真っ赤になりながら両手で顔を隠した。陥落って単語が脳裏に浮かぶ。


「はい。任せてください。」

物凄く満面の笑みに、あれ?喜んでくださってるなら、いいのか...な?...と一瞬掠めたけど、

ぬちゃっ、くちゅっ...くちゅぬちゃぬちゅぬちゅ...。

すぐに耳に淫らな音色が届くとやっぱり恥ずかしい!恥ずかしすぎる!!と身悶える。

指が深く沈みこんだだけで、さっきまで太い肉杭にかき混ぜられていたそこは、潤んだ音を響かせながら刺激を拾う。


「ぁっんっ...んっ」

トポッコポッ...中から空気が押し出される音と、粘液がお尻を伝っていく感覚が、また全身の敏感な場所に電流を走らせていく。

奥に欲しいって疼いてしまうと、閉じた瞳の裏に光を感じる。

眩しい光が自分の中から沸き上がっていくけど、それの中に飛び込むにはまだ足りない。

奥が疼いてきゅんっと下腹部から全身が痺れるけど、これ以上は...本当にこれ以上は体も気持ちも持たない様に思う。


「白いのが沢山溢れて、ぬるぬるでびしょびしょで...指だけでも触れていられて私は気持ちいいですよ。エミーリアも気持ちいいんだね?きゅうきゅう締め付けてきて...可愛いですね。でもこれ以上は...夜までがまんするとしましょう」

くちゅっぬちゃっと、指を出し入れしながらテセウスさまは私のお臍へとチュッチュッと音をわざと立てながらキスをする。なんとなく不穏な事を告げられた気がしたけれど、お腹の奥に熱が籠ってピクピクと体が震えてしまって、


「でも...きゅうきゅうして可愛いので、クリトリスでイカせてあげましょうね」


テセウスさまのニヤリッとした男らしすぎる笑みにゾクリッとしてしまう。こんな男らしすぎる笑みは、反則です...。

お臍からスルッと唇を滑らせてテセウスさまに卑猥な突起をパクリ、と食べられる。

「んんんぅーーーーーーッ...!イッちゃうぅッーーッ!」

舌全体でベロリっと包まれ舐められまるで飴玉を転がす様に刺激されて、吸われたり尖らせた舌先で突つかれたり...電流を走らせていく刺激は、膣の奥をぎゅうっと震わせて、快感をまるで大きな波の様に絶え間なく押し寄せさせる。


お腹の奥...ここが赤ちゃんの部屋...と本能で知った。そこからブワッと光が溢れた。


それは快感の奥にある絶頂たっするときの光の様に真っ白な光で、私の体と、テセウスさまを包み込む。

暖かくて、力強く、目を開けていられない位真っ白な光なのに。

この光は祝福の光だ、と本能で知る。

この光は私が主神様方により遣わされた力だ、とも。

光がギュンッと収束して、クルクルと円を書いて私とテセウスさまの周りを廻る。

1重の円には輝く文字が刻まれて、その周りを更に帯状の光が廻る。

帯状の光には模様が浮かび上がって、多分これが主神様方の紋章で、祝福。


「おおお...聖女...エミーリア...。聖女ご覚醒おめでとうございます...。私のエミーリア...。私の手で聖女完誕を致せた事を、覚醒の瞬間に立ち会えた誉れをありがとう存じますね...。万感の歓びです...。

さぁ、深くイッて?エミーリア。」


微笑むテセウスさまが、手の動きを激しくして、クルックルッ...チュッ...ズルルルッと厭らし過ぎる位クリトリスを舐め回し吸い込み啜りながらお臍の下をクンッと圧す。

慈愛に溢れた視線が私を深く愛してると伝えて来て、私の全てを見つめている。

視線を受け止めながら、輝く輪の中で肌から伝わる愛に魂から歓ぶ。


ギュンッ!!ギュンッ!!キュウウウウッ...赤ちゃんの部屋が絞られる様に収縮して、そのあとに膣が蠢いて、クリトリスがビクビクッと震えて...私は快感の深淵を覗いたまま、神々の世界に飛ばされてしまったのだった。








真っ白な光が溢れたそこは、床も壁も空も大地も、なにもない空間だった。

ただそこに浮かぶ。

ふわふわとした空間で手足を丸めて、揺蕩う。

真っ白な光は私を受け止めながら、私の中に外に全てに私を放出していく。


世界が私の中に流れ込んで、世界の理と神々の理とが混ざり合って、有限と無限と巡間で神々の愛を理解した。


愛する行為...生命の源水...そして肉欲の根底に流れる命の煌めき。

この生命の煌めき、愛交こそが【神々の糧】で、私の役目は生命の源の尊さを偽りなく伝導する事。


世界をお作りになったのが夫婦神の始祖神ゼツリンテス様と開祖神アンザールル女神で、御二柱から託され、その息子神のムケール神が人の世を慈しんで下さるのだと知る。

ムケール神様と女花神達が愛育や生誕、農耕や繁栄等沢山の愛を授けてくださっている事や、そのお力添えを人の世に伝えたり、神の祝福として広めていくのが聖女の役目で...。その聖女の役目を広めていくのが本来の御子や種子みこやしゅしの役目だと言うことも。


世界の長い歴史の中で、生命の煌めきが強い者達(聖女や聖子息)が聖殿の中で祈りを...神へと【生命の源の発露】を捧げる事によって、神力の奇跡を得ていった事から捧げ方が秘匿されていき、花祭りの奇祭へと変移していった事も...知った。


聖国母神の聖淫水の使い方も、神の滴液の取り方も。

聖殿閨儀の意味も方法も、聖女の枷になる伴侶の選定という儀式も、何もかもが一気に流れ込んできて、その中に『私の花祭りの映像』も紛れていて。


複雑な想いでその記憶の欠片を受け止めながらも、どれ程テセウスさまが私を想って長い間悩んでらしたのかも、神の祝福として柔らかな優しさに包まれて脳裏に届けられた。

全部を知って...それでもやっぱり私はテセウスさまが好きだと、この想いを愛おしいと思う。


尊い神々から愛されて望まれて。

微笑む神々の気持ちが、私をそっと押した。

真っ白な光の世界から現し世へと戻るのだ、と知った。

もっと、沢山の愛交を重ねる事でハッキリと神々と会話が出来るようになるから、頑張ってね?と、最後に国母神様から告げられる。

何処と無く、いたずらっ子の表情で微笑む女神に頷いたところで、目が醒めた。


「エミーリア...エミーリア...エミーリア」


一瞬だけ、気を喪っていた短い時間だったようで、秘唇を開いて激しく手を動かされたまま、テセウスさまが私の名前を呼びながら、私が達する姿を愛でていた。

ぐっちゅっぐちゅぐちゅっ...掻き回される音と甘酸っぱい匂いと濃厚な精の匂いとが混ざり合って、股座を突き上げる様にガクガクと震える下肢に、私の高い鳴き声が部屋を占めていて、私とテセウスさまを包み込む光の輪が一層強く輝く。


「あっ!あっッあ...ッあぐっんんんんんッきゃうッあんあんあんあんいいッいいッイクイクイクィくぅッッ!!!」


全身の全ての感覚が開いて行くようなイきかたをしながら、恥骨がテセウスさまの手の動きを追うように自然と持ち上がって、限界まで伸びた足先で宙を掻く。

私の中に光の輪が流れ込んできて、一瞬強く瞬いてから消えた。


荒く息を肩で付きながら、テセウスさまを見上げる。「もぅ...すっごく...エッチですテセウスさま...。」


「それは仕方がありません。私のエミーリアが愛おしいんですから。」

ふっ、と笑ってから蕩ける笑みで私を見つめて流れるように額にキスをする。

それからゆっくりと私の中から指を抜きながら、その指をペロリと舐めてみせるから、恥ずかしさで居たたまれないのと、今までの過去の真面目で敬虔で穏やかな神父さまとのギャップに悶える。

なんていうか、もう...存在がエッチですテセウスさま。

枕に顔を埋めて悶えていると、テセウスさまが髪を撫でながら、真剣な声色と眼差しで私を見ていて、


「エミーリア、聖女として完全に覚醒の兆しが出ましたが...これはまだ誰にも話さないでもらえますか?これから徐々に下腹部に聖女の紋章も浮かんできます。

それが出るまでは誰にも話さないでもらえますか?

そうですね、私以外はガイルだけ。それ以外にはまだ話さないで欲しいのです。

なるべく儀式までには急いで整えますから...お願いです。」


そう仰るテセウスさまは、やっぱり私がよく知る神父さまだった。真剣で、真面目で...頼りがいのある神父さま。

テセウスさまがそう言うならば、私にとって悪いようにはしないと思う。

だから私は「はい。」と返事をした。


それから、朝食を一緒にしたいのだけれど、朝の礼拝があるので、と寂しげにテセウスさまは部屋から出ていった。

一人で居る部屋がなんとなく...こう...もにゃもにゃした空気をしているような気がして、このままノースさんを迎えたくなくて、窓を開けて、バルコニーに出てみたり、そうだ!シーツ!と慌てて取り替えてみたりと一人で忙しなくしていた。

いやだって...なんとなくエッチな空気がするんじゃないかしら、とか考えてしまって...。

濃厚?っていうか、ここに誰かを迎えるのが恥ずかしいと言いますか...。

落ち着かない。


思い返すとなんて凄いことをした夜だったんだろうか...。

赤くなる顔を手でぱたぱたと扇いでいると、ノックの音がして、ノースさんが声を掛けてくる。

「聖女様...エミーリア様、朝食のご準備が出来ております。朝のお着替えをお手伝いさせてくださいますか?」


「あ!もう着替えましたので、すぐ出ます。」


返事をして、ドアを開けるとノースさんがいつもの無表情ながらも、一瞬目を見開いて私を見た。


「おはようございます。エミーリア様。」

背中を真っ直ぐに腰から曲げて、挨拶をしてくれるノースさん。いつもながら惚れ惚れする位姿勢が綺麗で羨ましい。


「おはようございます、ノースさん。」

なんとなく照れながらも朝の挨拶をする。

スッと姿勢を正して、ノースさんが私を見下ろす。

平均より低めの私と、多分平均よりかなり高めのノースさんと対面すると、どうしても見上げる形になるのは仕方がないのだけど。

それにしても、なんとなく不機嫌...?


「エミーリア様、お召し替えは私の役目でございます。」

そう言ってノースさんが部屋のなかに入ってくる。ベットをちらり、と見て、少しだけ眉が上がった。勝手に私が整えたのも気がついたらしい。

これはノースさん的には憮然としてる、のだろうか?

あまり表情は動かないけれど、少しだけ唇の端が下がっているのを見つけた。


「あの、今日はちょっと...早く目が覚めてしまって...、その、昨日暑かったのかなぁ?沢山汗をかいてしまったの。その...うぅ...ごめん...なさい?」


いや、なんか違う...一人で着替え出来るのに何故に責められてるんだろう私...。


「ドアも。ご自身で開けてはなりません。警備は磐石ですが、万が一不届き者が居るかもしれないのですよ。危のうございます。」


あ、そうか。ノースさん達は『従士』さん。

この離宮の警邏も含めての仕事なんだ...ん?

まただ。

ふっと浮かぶ単語の中身と記憶の齟齬。

噛み合わない記憶の靄が頭の中を混乱させてくる。

でも神々との繋がりの中で知れた事のなかに『時期が来ればわかる』という感覚。

聖淫水での記憶の消去は完璧ではない。

消去されたままということは、まだ私に真に必要がないとの神々の判断だから...。

ゆっくりと深呼吸をして、ノースさんを見つめる。

憧れのふわふわしたフィルターを外して、確りとノースさんを見つめる。

高すぎない長身、細身に見える四肢は鍛えられている俊敏さを持っているしなやかさ。

うーん...と考えてみるともしかしなくても「あの、失礼かもですけど...ノースさんって、男性...でしたり、します...?」

ちろっと見上げる。いや、だって...着替えとか着替えとか御風呂とか!!

目眩がしそうな過ぎ去った日々のあれこれを飲み込んで、違うといって!と念じながら聞いてみる。


「...... エミーリア様。」

ひどく静かな声がノースさんから漏れたのは肯定でも否定でもなく

「些末な事です。我らは貴女様の忠実な聖従士。貴女のお世話は全て私が執り行います。」


あ、はい。ごめんなさい。


その後、滔々と自室の扉を開けるのは自分でしては成らぬ事や、着替えや湯浴みは私の体調管理に重要な事だとの理路整然としたお説教を賜りながら食堂までいわゆる【お姫様だっこ】で運ばれるのは、どういう罰なんでしょうか?!



羞恥に悶えながら耐えながら、食堂へ着くと空かさずイースさんのお膝に座らされ、ウェスさんにあーんと食事を口元に運ばれる苦行をこなし、緊張で何を食べたかも記憶にない...。

これは聖淫水関係ないですね、そうですね。


遠く何処かの平原で風に吹かれたいな...とか、海ってどこまでも続くんだよね...とかぼんやりと考えながら、紅茶(なんか薔薇のジャムとかついてたけど記憶にない気がする...)を飲まされて、ふと気がつくと湯浴みの時間です、と告げられる。


大きな鏡の前で座らされながら

「え?!あの!大丈夫です!一人で出来ますから!」

ノースさんがやたらと髪を撫でてくれて櫛梳ってくれるのをやんわりと...いや、ここは聖女として毅然と!毅然と断ってみる。


「エミーリア様の髪は柔らかくて絡みやすいのですよ。力加減を間違うと千切れてしまうのです。

さぁ、香油で地肌のマッサージをしてから洗い流しましょう。

今日はラベンダーの香油でいいですか?どうやらエミーリア様は緊張なさって肩に力が入ってますから。」


普段無口なのに...ノースさんが妙に饒舌というか、なんだか有無を言わせぬ迫力があるというか...。

それに昨日よりもなんだか距離が近い...、緊張するなと言われても、困るくらいに距離が近い。

「自分でできますぅ~!!」

ワンピースの肩口のリボンをイースさんがほどくのを半泣きしながら断るけど、あっという間に脱がされ、湯帷子を羽織さらせ

ひょいっと抱き上げられて。


苦悶しながら湯浴みの時間が終わる。

終わる頃には『こんな所まで洗われて...』と心で泣きながら無表情になっていたのは仕方がないと思う。

だって...みんな男の人なんだよね...何も言わないけど...。

最初にメイドさんって勘違いしたのは私だし...あああ!!もう泣きたい。





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