妖精のノート

TAKA

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三つ目の願い

三つ目

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「色が濃くなってるな」

 ノートを見ると表紙の草の模様が増え色が濃くなり、真ん中の文字のようなものも濃くなっているようだった。
 
「②同じ願いは叶えられない」

 表紙の裏に新しい注意書が現れていた。

「ふーん、同じ願いはだめなのか・・・。ま、特に問題ないな」

 同じ願いを叶えられなくても大したことはないと思われた。

「さて、幾らにするかな」

 みはるさんの家ではシャワーを浴びないままだったので汗と体液が混ざった匂いが気になり、まずはシャワーを浴びることにした。

 シャワーを浴びすっきりしたが金額は決まらないままだった。

 気がつくと会社に行く時間が迫っていた。会社に行こうかどうしようか迷ったが、これからノートの力で金持ちになると思うと会社に行くのが馬鹿らしくなりサボることにした。

 冷えたビールを飲みながら金額を考えることにした。

「あー、めんどくさ」

 お酒が入り昨日の徹夜の疲れが出て来たこともあり、いつの間にかソファーで眠っていた。

 ブーン、ブーン、ブーン

 携帯のバイブで目が覚めた。

「はい」

 寝ぼけた声で答えると電話の向こうから森脇の慌てた声が聞こえた。

「あ、やっと出た。高橋、お前今どこで何やってる」

「え、あ、何時だ」

 急に森脇の声を聞いて会社に遅刻したと焦ってしまった。

「もう昼だよ。朝から何度も電話しても出ないからどうしたかと心配したぞ」

「ちっ、何だよ」

 会社をサボることにしたのを思い出し、せっかくの睡眠を邪魔されたこともあって怒りが沸いてきた。

「何だって、そっちこそ何だよ。会社にも来ないでどうしたんだよ」

「ああ、別に何も」

「別にって、お前さ。いくら課長がいないからって勝手に休んでいいわけないだろう」

「じゃあ体調不良ってことにしといてくれよ」

「おま」

「そういうことで、あ、あと2、3日休むかもしれないから、そん時もよろしくー」

 とにかく早く電話を切りたかった。電話を切ろうとした時、みはるさんの名前が聞こえた気がした。

「何だって、みはるさんがどうしたって」

「いや、みはるさんも今日来ていなくてさ。連絡もつかなくてお前も来ていないから、お前と一緒かもって話も出てて。そんなわけないよな」

「いや、知らないな」

 帰る時、背中を見せて震えていたみはるさんの姿を思い出したが、まさか朝まで犯していたとは言えず、知らない振りをした。
 
 みはるさんのことは少し気になったが、俺と同じように寝ているのかもしれないと深く考えることはなかった。

 電話を切り顔を洗いさっぱりしたところで改めて金額について考えることにした。

「そろそろ本当に決めないとな」

 一度は百億円と書こうとしたが、引っ掛かるものがあり書くのを止めた。結局、30分ほど考えたが金額を決めることは出来なかった。

「そっか、金額を無理して決めようとするからだめなんだ」

ーーー使いきれない金が欲しいーーー

 これなら使うより多い金が必ず手に入ることになるので、下手に金額を決めるよりいいと考えた。難しい数学の問題を解いた時のような満足感があった。

 ただ家にじっとしていても金は手に入らないと思ったので外出することにした。今度の外出には忘れずにノートも持って行くことにした。
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