アア

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第三章

3ー2

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 茜さんを名前で呼ぶようになって一週間が経過した日の昼休み。僕は、教室で彼女にとある提案をしていた。
「茜さんの友達に会わせてくれませんか?」
「私の友達に?」
「はい」
「なんで?」
「え~っと……」
 なんでと聞かれると若干言葉に詰まる。だが、こんなところで躓いていてもしょうがないので僕ははっきりと提案の意図を伝える。
「僕は、茜さんと仲良くなって、確かに前よりは色々なことが楽しくなりました。でも、茜さんと仲良くなっていくほどにそれだけじゃ駄目だって思うようになって……だから、茜さん以外の人とも話せるようになりたくて……駄目ですかね?」
「……私としては空太君が私以外の人と友達になったり仲良くなってくれたりしたら嬉しいけど、空太君は大丈夫なの?やっぱり人と会話するのはまだ怖いんじゃないの?」
「それは、まあ、怖いですけど……」
 正直、まだ怖い。
 提案をするタイミングも今じゃなかったんじゃないかと思ってしまっていたりする。
 でも、それでも……
「僕は今よりも前に進まないといけないと思うんです。だから茜さんの友達に合わせてください」
「……本当に大丈夫?」
「はい」
 はっきりと返事をする。
「わかったよ。じゃあ、明日の放課後に会うのでいい?」
「はい」
 そうして、僕は茜さんの友達に会うことになった。
 
 茜さんとの約束を取り付けた次の日、僕は茜さんが指定した学校近くのファミレスに足を運んでいた。
 入り口付近のテーブル席に腰かけ、大きく息を吐く。
 正直な話、怖い。
 何故茜さんとあんな約束をしてしまったのだろうと思うし、逃げてもいいのなら逃げ出してしまいたい。
 でも、逃げてはいけない。わかっている。わかっているのだが……
 僕がそんな風に思考を巡らせていると茜さんが何人かの女子を連れてファミレスに入ってきた。
 茜さんは僕を見つけると小さく手を振りながらこちらに小走りで近づいてくる。
「ごめん、待った?」
「いえ、全然。ちょうど今来たところなので」
 事実、今来たばかりだ。
「良かった」
 笑みを浮かべながら彼女は言う。
「紹介するね。私の友達の須藤あかりと宮下凛」
 茜さんが友達の名前を紹介してくれる。
 須藤さんは長身、長髪、大きな目と大きいものすべてが集まったような見た目で、宮下さんは小柄で、どちらかと言えば少女的な見た目をしていた。
「それで、こっちの男の子が白峰空太君。私の新しい友達!二人とも仲良くしてあげてね」
「えっと……あの……よろしくお願いします」
 そんな僕の言葉に須藤さんと宮下さんの二人は同時に
「「よろしく」」
 と言った。
 
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