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最終章
最終章1
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早いもので茜さんからの助言を受け、小説を書き始めてから三か月が経過していた。
二か月の間に色々なことがあった。
ろくにプロットを組まずに書き始めたせいで物語に矛盾が生まれたせいで収拾がつかなくなったり、自身が面白いと思える物語のプロットが完成しても、その面白さを伝えるための文章力が不足していたり、文章力を少しでも補えたと思ったら今度はキャラ設定に問題があったりと……とにかく様々なことがあった。
それでも二か月小説を書き続けて、面白いのではないかと思えるものは書けるようになってきた。
今は十二月二十日。小説コンテストの応募締め切りまで後三か月と少しだ。
そうして、今日も僕は部室にていつものようにノートパソコンを起動し小説を書こうとしていたのだが、そんな僕に茜さんが声をかけてきた。
「空太君は小説コンテストに応募する小説ってもう書き始めてる?」
「いや、まだ書き始めてない」
僕はまだ小説コンテストに応募する小説を書き始めてはいない。それどころかどんな小説にするかも決めてはいない。今書いている小説でもいいのではないかと考えてはいるけれど、どうにもこの小説では賞はとれないだろうという思いが強い。だからこそ新しい小説を書こうとこそ思っているのだがどうにも取っ掛かりを掴めずにいた。
「う~ん、そっか……ちなみにどんな小説にするかは考えてたりする?」
「それもまだ」
「そっか……」
「やっぱり何にも決まってないってのはまずいかな?」
茜さんが顎に手をやりながら唸ってしまったので僕は慌てて尋ねる。
小説コンテストの長編部門はワードの書式で42文字×34行×50枚という中々の文量を書かなければならない。実際、僕は焦っていた。
茜さんが重々しく口を開く。
「……そうだね。今の段階でどんな小説にするのか決まってないのはちょっとまずいかも。空太君は速筆だから小説コンテストに応募するのに必要な文量を残りの時間で書くのは問題ないとは思うんだけど、どんな小説にするかも決まってないのはやっぱりちょっとまずいかも……」
「そっか……」
「空太君の書くスピードを踏まえた上で最高でもあと二日以内にはせめてどんな小説にするかくらいは決めないといけないと思う」
「あと二日……」
小さく、掠れた声で呟く。
中学生の時から小説を書いてきた茜さんが言うのだから提示された期限に間違いはないのだろう。
「僕にできるかな?」
気づけば、そんな弱音を吐いていた。
「どんな小説にしたいかは空太君次第だからできるかできないかは私にはわからない。でも頑張って面白い作品を生み出そうと考えた時間は今後小説を書いていく上で絶対無駄にはならないから。だから二日間、どんな小説を書きたいか考えてみて。大丈夫、思いつかなくても来年も再来年もあるし、もし短編部門に応募するんならまだ時間はあるから」
茜さんは僕の弱音にそんな言葉で答えてくれる。つくづく優しいなと、そう思う。
「わかった。二日間真剣に考えてみるよ」
そう言って、僕はそこから真剣に考え始めた。
二か月の間に色々なことがあった。
ろくにプロットを組まずに書き始めたせいで物語に矛盾が生まれたせいで収拾がつかなくなったり、自身が面白いと思える物語のプロットが完成しても、その面白さを伝えるための文章力が不足していたり、文章力を少しでも補えたと思ったら今度はキャラ設定に問題があったりと……とにかく様々なことがあった。
それでも二か月小説を書き続けて、面白いのではないかと思えるものは書けるようになってきた。
今は十二月二十日。小説コンテストの応募締め切りまで後三か月と少しだ。
そうして、今日も僕は部室にていつものようにノートパソコンを起動し小説を書こうとしていたのだが、そんな僕に茜さんが声をかけてきた。
「空太君は小説コンテストに応募する小説ってもう書き始めてる?」
「いや、まだ書き始めてない」
僕はまだ小説コンテストに応募する小説を書き始めてはいない。それどころかどんな小説にするかも決めてはいない。今書いている小説でもいいのではないかと考えてはいるけれど、どうにもこの小説では賞はとれないだろうという思いが強い。だからこそ新しい小説を書こうとこそ思っているのだがどうにも取っ掛かりを掴めずにいた。
「う~ん、そっか……ちなみにどんな小説にするかは考えてたりする?」
「それもまだ」
「そっか……」
「やっぱり何にも決まってないってのはまずいかな?」
茜さんが顎に手をやりながら唸ってしまったので僕は慌てて尋ねる。
小説コンテストの長編部門はワードの書式で42文字×34行×50枚という中々の文量を書かなければならない。実際、僕は焦っていた。
茜さんが重々しく口を開く。
「……そうだね。今の段階でどんな小説にするのか決まってないのはちょっとまずいかも。空太君は速筆だから小説コンテストに応募するのに必要な文量を残りの時間で書くのは問題ないとは思うんだけど、どんな小説にするかも決まってないのはやっぱりちょっとまずいかも……」
「そっか……」
「空太君の書くスピードを踏まえた上で最高でもあと二日以内にはせめてどんな小説にするかくらいは決めないといけないと思う」
「あと二日……」
小さく、掠れた声で呟く。
中学生の時から小説を書いてきた茜さんが言うのだから提示された期限に間違いはないのだろう。
「僕にできるかな?」
気づけば、そんな弱音を吐いていた。
「どんな小説にしたいかは空太君次第だからできるかできないかは私にはわからない。でも頑張って面白い作品を生み出そうと考えた時間は今後小説を書いていく上で絶対無駄にはならないから。だから二日間、どんな小説を書きたいか考えてみて。大丈夫、思いつかなくても来年も再来年もあるし、もし短編部門に応募するんならまだ時間はあるから」
茜さんは僕の弱音にそんな言葉で答えてくれる。つくづく優しいなと、そう思う。
「わかった。二日間真剣に考えてみるよ」
そう言って、僕はそこから真剣に考え始めた。
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