僕と貴方と君と

五嶋樒榴

文字の大きさ
22 / 130
好きって言うのが難しいんです。

しおりを挟む
いつもリビングの隣の和室に優星と明星は布団を敷いて寝ているようで、優星が布団を2組敷いた。

「僕、今夜は美峰君とここで寝る!」

明星が美峰を離さないので美峰は了解するが、そうなると優星が寝る場所がないなと思った。

「大丈夫です。元々の俺の部屋があるんで。そっちにベッドがあるから俺はそこで寝ます」

なんか申し訳ないなと美峰は思ったが、さすがに布団がないので仕方がなかった。
明星が美峰にぴったりとくっついて手を繋いで眠り始めた。
スヤスヤと安らかな寝息に、美峰も気持ちが落ち着いて眠気が訪れていた。
このまま寝てしまうのはもったいないなと思った時、優星のさっきの裸の姿が目に浮かび、美峰はパッチリと目を開けた。
一気に顔が火照ってドキドキと鼓動が速くなる。
鎮まれと胸に握り拳を当てるが、ドクドクと心臓の音が鳴り止まない。
身長が高くて体型もスラっとしたイメージだったのに、引き締まった体は思った以上に筋肉質だった。
着痩せするんだなと美峰は思うと、裸の優星が、笑顔で両手を広げている姿が浮かんで来てしまった。


 あー!
 何考えてるんだよ!
 もぅ、心臓もたない。
 葉山君が素敵過ぎて、知れば知るほど好きになって。
 気持ちが止まらないッ!


その時だった、スッと和室の扉が開く音がした。
美峰はハッとしてその方向に振り向いた。
ギュッと明星が強く手を握った気がして、美峰はビクンとする。
静かに優星が部屋に入ってきて、パチッと美峰と優星の目が合う。
美峰はドキドキして明星の手を握り続ける。
優星が明星の顔を覗き込んで、ぐっすり寝てるのを確認すると小声で美峰に囁いた。

「少し飲みませんか?」

低いイケメンボイスに、美峰の耳は感じてしまった。
耳だけじゃなく、全てが感じてしまった。

「……………明星君が、離してくれない」

美峰も小声で返すと、優星が長い指を絡ませて、明星の手を美峰の手から優しく離した。

「起きて」

優星の声に、美峰はクラクラしながらユックリ起き上がって和室から出た。

「一度寝てしまえば、朝まで起きない子なんで」

優しい笑顔で優星が言う。
美峰はドキドキが止まらない。
触れた長い指の感触が忘れられない。

「なんか、知れば知るほど、柊木さんが……………」

優星は言いかけて言葉を止めた。

「可愛すぎます」

プイと顔をそらして、赤面して優星が言葉を続けた。
美峰はもう息が苦しくなるほどドキドキが止まらなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

処理中です...