僕と貴方と君と

五嶋樒榴

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好きって言うのが難しいんです。

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優星はビールの片付けをして、美峰を明星が眠る和室へと寝かせると自分も部屋に向かった。
お互い、好き、と告白したのは良いが、美峰は優星の好きがどう言う意味なのか聞けなかった分考えてしまう。
それでも優星とキスした唇の感触に、美峰は嬉しくて幸せで。
だから、もうこれ以上は望んではいけないとも思った。
本音は、優星の好きが恋愛とは別な次元の気がして、もう核心に触れるのが怖かった。
今はただ、愛情に飢えている優星をたっぷり甘えさせてあげたかった。
優星も、ベッドの中で美峰を思っていた。
ずっと憧れて、ずっと素敵だと思っていた美峰に対し、つい自分の欲求のまま唇を奪ってしまったが、その衝動がなんなのか説明が出来なかった。
そもそも男に恋などしたこともない。
それ故に、美峰を失いたくなくて、今の感情を恋愛感情だと認めるのが怖かった。
それでも美峰に対する想いが強くなっていて、誰にも渡したくない、自分だけの美峰にしたいと思ってしまっていた。
翌朝、美峰は明星と起きるとリビングに出た。
優星はもう起きていて、目玉焼きを作っている姿が対面式のキッチンから見えた。

「柊木さん、おはようございます。出勤何時ですか?」

優星の爽やかな笑顔と低いイケメンボイスで美峰も目が覚めてきた。

「8時に出れば間に合うから」

美峰が答えると優星は微笑んだ。

「了解です。目玉焼きの黄身は半熟で良いですか?」

「うん。半熟で大丈夫だよ」

明星はまだ眠いようでソファに寝っ転がってしまった。真丸になって目を瞑って仔犬の様で可愛いと美峰は明星を見つめた。

「……………柊木さん。あの、昨日の夜のことなんですが」

優星に言われて美峰はドキンとした。

「……あの、また、したいです」

真っ赤になって優星が言う。
美峰もつられて真っ赤になる。

「柊木さんが好きだから、また、したいです」

美峰はフッと微笑むと、キッチンに向かって歩き優星の隣に並んだ。

「僕も、また、したいよ」

美峰はそう言って背伸びをすると、チュッと軽く優星の頬にキスをした。
優星は一気に真っ赤になって美峰を見つめる。
美峰も真っ赤になって優星を見つめる。
幸せな朝の始まりだった。
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