トライアングル

五嶋樒榴

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茉莉花・ときめきと寂しさ

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ドキドキドキドキ。

もう心臓が痛いぐらいあたしの緊張はマックスだった。

久利さんの彼女になれた日、久利さんのマンションにお邪魔して、久利さんのシャワーを浴びて、久利さんのブカブカのスウェットを着て、久利さんのソファで何度もキスをした。

男の人とキスが初めてなわけじゃない。
でも、こんなに優しくて、激しくて、大人のキスを知らない。
久利さんが好きすぎて、もう泣きたいぐらい幸せで。

お姫様抱っこで久利さんのベッドまで運ばれて、ベッドは久利さんのいい匂いがして、まだ何もされてないのに心が満たされてて。

「茉莉花」

掠れた久利さんの声があたしの名前を呼んだ。
薄暗い部屋で、久利さんが上衣を脱いでいるシルエットが浮かんで見えた。
スリーピースをカッコよく着こなす肢体は、暗くて見えにくいのにしなやかに見えた。
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