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久利・俺じゃない
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ばら撒かれた写真を俺は全て手に取ると、じっと見つめた。
全て見比べて違和感を感じた。
俺の顔はぼやけてはいたが、相手の女の顔よりはっきりしている。相手の顔はほとんど影になってぼやけていて分からない。
そして一番の違和感は俺の“カラダ”だった。
確かにぱっと見は俺と同じ体型に見えるが、自分の体は自分が一番分かっている。
冷静に見れば見る程、これはニセモノの体。
誰かが意図的に合成した写真だと思った。
よく出来過ぎているから、茉莉花もすっかり信じたのだろう。
この長い髪の女を、あの時目撃したホテルの女性と勘違いしたんだろう。
「この体、よく見て」
酷な言い方をしたと思った。
茉莉花はこの忌まわしい写真を本来なら抹殺したいのだろう。
でも、茉莉花にもちゃんと確認して欲しいんだ。
この写真の男の体は俺のものじゃないと。
茉莉花が愛してくれた体なんかじゃない事を。
全て見比べて違和感を感じた。
俺の顔はぼやけてはいたが、相手の女の顔よりはっきりしている。相手の顔はほとんど影になってぼやけていて分からない。
そして一番の違和感は俺の“カラダ”だった。
確かにぱっと見は俺と同じ体型に見えるが、自分の体は自分が一番分かっている。
冷静に見れば見る程、これはニセモノの体。
誰かが意図的に合成した写真だと思った。
よく出来過ぎているから、茉莉花もすっかり信じたのだろう。
この長い髪の女を、あの時目撃したホテルの女性と勘違いしたんだろう。
「この体、よく見て」
酷な言い方をしたと思った。
茉莉花はこの忌まわしい写真を本来なら抹殺したいのだろう。
でも、茉莉花にもちゃんと確認して欲しいんだ。
この写真の男の体は俺のものじゃないと。
茉莉花が愛してくれた体なんかじゃない事を。
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