トライアングル

五嶋樒榴

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茉莉花・不幸の写真

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夕食とお風呂を済ませ、部屋で髪を乾かし、ふとベッドの上の封筒に目が止まった。
何のお知らせかなと封筒を開けてみた。

「ん?写真?」

数枚の写真が入っていた。
次の瞬間、あたしの体から血の気が引いた。

「嘘だー。何これ」

あたしバカになった?
それとも幻覚見てる?嫉妬で頭がおかしくなったの?
写真には久利が写っていた。
長い髪の女の人と、ボケていても裸で抱き合ってるとしか見えない。

「嘘だー」

再びそう呟くと、涙が溢れた。
あまりの衝撃に吐き気がして慌ててトイレに駆け込んだ。
苦しいぐらい、息が止まるぐらい吐いても吐いても治らない。

あの写真は相手の女が送ってきたの?
あたしを排除する為に、久利との仲を見せつける為に?

仕事で忙しいなんて嘘だったんだ。
あの女と会っていたんだ。
あたしと別れる為に、距離を置き始めていたんだ。

吐くものがなくなっても、あたしは吐き気が治らなかった。
2人の行為がおぞましくて気持ち悪くて。

そして、本当はあんな風にあの女の人を抱くんだと思ったら、あたしの今までの大切にしてきた気持ちも汚されてしまった気がした。

お願い、誰か助けて。
もう、あたし生きていけないよ。
あたしから久利を奪わないで。

トイレにあたしがこもっている間に、スマホが鳴っていたことに気がついたのは、それからまだ数時間先の事だった。
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