44 / 127
久利・リスタート
1
しおりを挟む
俺は早々に茉莉花を連れて、茉莉花の知らない部屋に帰ってきた。
茉莉花は躊躇したが、俺に背中を押されて部屋に入ってくれた。
玄関のドアを閉めると、茉莉花はフッと息を軽く吐いた。
「前のマンションより、新しい気がする」
茉莉花は俺にそう言うと、白いクロスを貼った壁を撫でた。
「新築のマンションだったからね。いい物件だったよ」
上がるように促すと、茉莉花は「お邪魔します」と呟いてリビングに入って行った。
「部屋の広さは前とあまり変わらないんだけど、新しい分気持ちがいいでしょ?」
俺はなるべく、他愛もない会話を投げかけた。
茉莉花の今の気持ちがまだ掴みきれてないのが本音。
正直茉莉花はまだ遠慮がちだった。あんなに慣れ親しんでいたのによそよそしい。
その壁を作ったのは俺のせいでもあるんだけどね。
今すぐにでも茉莉花を抱きしめたい衝動に駆られながらも、失った時間と信頼をまず回復させるのが先だった。
「久利だけずるいなぁ。こんなステキな部屋見つけてたんだ」
茉莉花が言うと、俺は冗談半分、本音半分に「じゃあ、一緒に住む?」って言ってみた。
昔の茉莉花なら絶対喜んでくれたであろうセリフも、まだ今の茉莉花には響かなかったらしい。
「なんて、ね」
誤魔化して付け足してみた。なんか、めっちゃカッコ悪い俺。つい笑ってしまった。茉莉花がキョトンとしている。
茉莉花は躊躇したが、俺に背中を押されて部屋に入ってくれた。
玄関のドアを閉めると、茉莉花はフッと息を軽く吐いた。
「前のマンションより、新しい気がする」
茉莉花は俺にそう言うと、白いクロスを貼った壁を撫でた。
「新築のマンションだったからね。いい物件だったよ」
上がるように促すと、茉莉花は「お邪魔します」と呟いてリビングに入って行った。
「部屋の広さは前とあまり変わらないんだけど、新しい分気持ちがいいでしょ?」
俺はなるべく、他愛もない会話を投げかけた。
茉莉花の今の気持ちがまだ掴みきれてないのが本音。
正直茉莉花はまだ遠慮がちだった。あんなに慣れ親しんでいたのによそよそしい。
その壁を作ったのは俺のせいでもあるんだけどね。
今すぐにでも茉莉花を抱きしめたい衝動に駆られながらも、失った時間と信頼をまず回復させるのが先だった。
「久利だけずるいなぁ。こんなステキな部屋見つけてたんだ」
茉莉花が言うと、俺は冗談半分、本音半分に「じゃあ、一緒に住む?」って言ってみた。
昔の茉莉花なら絶対喜んでくれたであろうセリフも、まだ今の茉莉花には響かなかったらしい。
「なんて、ね」
誤魔化して付け足してみた。なんか、めっちゃカッコ悪い俺。つい笑ってしまった。茉莉花がキョトンとしている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる