106 / 127
久利・言葉
4
しおりを挟む
もう、高校生の時の子供じゃない。
俺たちは大人になってしまった。
その事を、しほなの方がよく分かっているんだろう。
でも友達でいることはこの先も変わりない。
「そう言えばこの前しほなさんといらっしゃった時は深刻な様子でしたね。それぞれお二人を見て思いましたが、それも無事解決したようですね」
なんでもお見通しのような、ミステリアスなマスター。この人だけには嘘は通用しない気がした。
「はい。あれだけ悩んでいたのが嘘のようです。マスターのおかげかも」
俺の言葉にマスターは首を傾げた。
「しほなを連れてきた前々日の金曜日、俺珍しく夜中2時くらいまでここにいたじゃない。その時マスターに」
「何を悩んでるか分かりませんが、このまま逃げていても悩みは解決しません」
被せるようにマスターが言った。
「そう!それが酔ってる頭のどこかに残ってたみたいで、目覚めた時に素直に行動したんだよね。そうしたら、こんな風にいい結果になりました。マスターありがとう!」
俺が頭を下げて言うと、マスターはとても魅力的な笑顔で笑ってくれた。
俺たちは大人になってしまった。
その事を、しほなの方がよく分かっているんだろう。
でも友達でいることはこの先も変わりない。
「そう言えばこの前しほなさんといらっしゃった時は深刻な様子でしたね。それぞれお二人を見て思いましたが、それも無事解決したようですね」
なんでもお見通しのような、ミステリアスなマスター。この人だけには嘘は通用しない気がした。
「はい。あれだけ悩んでいたのが嘘のようです。マスターのおかげかも」
俺の言葉にマスターは首を傾げた。
「しほなを連れてきた前々日の金曜日、俺珍しく夜中2時くらいまでここにいたじゃない。その時マスターに」
「何を悩んでるか分かりませんが、このまま逃げていても悩みは解決しません」
被せるようにマスターが言った。
「そう!それが酔ってる頭のどこかに残ってたみたいで、目覚めた時に素直に行動したんだよね。そうしたら、こんな風にいい結果になりました。マスターありがとう!」
俺が頭を下げて言うと、マスターはとても魅力的な笑顔で笑ってくれた。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる