31 / 81
サン
9
しおりを挟む
美都子との婚約が正式に決まり、鷹雄は誠竜会の初代会長に就任した。
若干まだ28歳で組を持つ事に反発する勢力もあったが、戸灘の跡目を直ぐに鷹雄が継ぐ事がないならと、稼ぎ頭の一人でもあることから周りも納得せざるおえなかった。
「お式は来年ですって。春には鷹雄のお嫁さんよ」
美都子はそう言って嬉しそうに鷹雄の腕に腕を組んできた。
「ああ、オヤジからそれも聞いた。美都子は体が丈夫じゃないんだから、結婚したとしても無理せず組のことも一切気にしなくていい」
鷹雄も美都子に敬語を使うこともなくなったが、まだ正式に夫婦になっていないこともあり、美都子に指一本触れることはなかった。
「…………分かったわ。私は結局鷹雄のこと、何もできないのね」
寂しそうに美都子は言う。
「普段の俺の事は美都子がすれば良い。そこまでするなとは言ってないだろ」
笑いながら鷹雄が言うと美都子も微笑む。
「うん。でも、ほとんど家にいないじゃない」
鷹雄が仕事だと言って朝まで帰ってこないことを、美都子は責めるように言う。
どうせ外に女がいるんだと美都子は思っていた。
「なにかと忙しいんだよ。これからも仕事のことは口出しするな。オヤジを見てきたのだからお前だって分かるだろう」
それだってどうせ女だと美都子は分かっている。
「外と家は別だ。外に出たら命張ってることは、お前だって分かって俺との結婚を望んだんだろ」
そう言われては美都子も何も言えない。
しかも組を持った以上、今までよりも上納金を稼がなくてはいけないことも。
「鷹雄には、組、持って欲しくなかった」
切なくなって美都子はポロリとこぼす。
「仕方ねぇさ。それがオヤジから言われた、お前との結婚の条件だったんだ。それは納得してくれ」
美都子はもう何も言えなくなった。
それでも鷹雄を自分だけのものにしたくて仕方ない。
「鷹雄!キスして」
美都子が目を潤ませて鷹雄に懇願する。
「……美都子」
鷹雄が美都子に屈み唇を重ねる。
美都子にとっては初めてのキス。
鷹雄を離したくないと鷹雄にギュッと抱きつく。
早く全てを鷹雄に捧げて、鷹雄が自分だけしか愛さないようにしたいと美都子は願いながら、鷹雄にされる激しいキスに酔いしれた。
若干まだ28歳で組を持つ事に反発する勢力もあったが、戸灘の跡目を直ぐに鷹雄が継ぐ事がないならと、稼ぎ頭の一人でもあることから周りも納得せざるおえなかった。
「お式は来年ですって。春には鷹雄のお嫁さんよ」
美都子はそう言って嬉しそうに鷹雄の腕に腕を組んできた。
「ああ、オヤジからそれも聞いた。美都子は体が丈夫じゃないんだから、結婚したとしても無理せず組のことも一切気にしなくていい」
鷹雄も美都子に敬語を使うこともなくなったが、まだ正式に夫婦になっていないこともあり、美都子に指一本触れることはなかった。
「…………分かったわ。私は結局鷹雄のこと、何もできないのね」
寂しそうに美都子は言う。
「普段の俺の事は美都子がすれば良い。そこまでするなとは言ってないだろ」
笑いながら鷹雄が言うと美都子も微笑む。
「うん。でも、ほとんど家にいないじゃない」
鷹雄が仕事だと言って朝まで帰ってこないことを、美都子は責めるように言う。
どうせ外に女がいるんだと美都子は思っていた。
「なにかと忙しいんだよ。これからも仕事のことは口出しするな。オヤジを見てきたのだからお前だって分かるだろう」
それだってどうせ女だと美都子は分かっている。
「外と家は別だ。外に出たら命張ってることは、お前だって分かって俺との結婚を望んだんだろ」
そう言われては美都子も何も言えない。
しかも組を持った以上、今までよりも上納金を稼がなくてはいけないことも。
「鷹雄には、組、持って欲しくなかった」
切なくなって美都子はポロリとこぼす。
「仕方ねぇさ。それがオヤジから言われた、お前との結婚の条件だったんだ。それは納得してくれ」
美都子はもう何も言えなくなった。
それでも鷹雄を自分だけのものにしたくて仕方ない。
「鷹雄!キスして」
美都子が目を潤ませて鷹雄に懇願する。
「……美都子」
鷹雄が美都子に屈み唇を重ねる。
美都子にとっては初めてのキス。
鷹雄を離したくないと鷹雄にギュッと抱きつく。
早く全てを鷹雄に捧げて、鷹雄が自分だけしか愛さないようにしたいと美都子は願いながら、鷹雄にされる激しいキスに酔いしれた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
モース10
藤谷 郁
恋愛
慧一はモテるが、特定の女と長く続かない。
ある日、同じ会社に勤める地味な事務員三原峰子が、彼をネタに同人誌を作る『腐女子』だと知る。
慧一は興味津々で接近するが……
※表紙画像/【イラストAC】NORIMA様
※他サイトに投稿済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる