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仲良し
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昼食を終えると、クロードはまた執務室で仕事を始めた。
私も専用の小部屋で、仮面作りの仕上げを始める。
左目の部分は傷を隠す為に開けていないので、違和感が無い様な刺繍で華やかにしようかと考えた。
「わあ!本当にフィリシアさんは器用ですね!」
私の横で、マリエッタが仮面を見てはしゃいでいる。
「細かい作業は得意なんです」
刺繍が得意なわけじゃなく、ピッキングや人体解剖のおかげで、指先が器用になったのよね。
なんて言ったら、マリエッタは卒倒ものよね。
「3時のおやつを持って来ました」
マリエッタは、紅茶とクッキーを運んでくれた。
「ありがとうございます」
私はなんだか侍女の中では、マリエッタと1番親しくなった感じがする。
他の侍女達とももちろん会話をするのだけど、この広いお屋敷での作業では、あまりゆっくり顔を交わす機会が無かった。
「あの、良かったら敬語、辞めませんか?名前も呼び捨てにして欲しいんだけど」
一応フィリシアの方が1歳年上って事なので、私の方から切り出してみると、マリエッタはにっこり笑ってくれた。
「はい!分かりました、フィリシア」
あはは。
慣れるまで変な感じかも。
「それにしても、本当に素敵な仮面ですね。旦那様が付けているところを早く見たいわ!」
「クロード様も凄く楽しみにしてくださってるのよ。だから、何枚でも作りたくなるわ」
今回は、ブルーのベルベット生地に、金色と銀色の糸で刺繍を施した。
「これを着けれは、鼻や口は表に出るんですよね?」
ふふふ。
やっぱりなかなか敬語が抜けないわね。
「ええ。試着してもらった時に、傷だけが上手く隠せたの」
私の説明に、マリエッタは涙ぐむ。
「え?え?どうしたの?」
なんで泣くことがあるー?
私、何かマリエッタの地雷を踏んだ?
「嬉しいんです。旦那様の顔を最後に見たのが7年前で、幼心にもとてもハンサムだと思っていたんです」
もしかして、マリエッタの初恋の相手だったり?
「また、旦那様の顔が少しでも見られると思ったら、私、なんだか込み上げて来てしまって」
マリエッタは本当に良い子だわ。
ううん。
この屋敷の人は本当に優しい。
シュナイダーも料理長も。
誰もが信じられないほど、優しさに満ちている。
「今夜クロード様にこれをお渡しするわね。そして、明日からはこれを着けてもらうようにするわ。明日の朝を楽しみにしていてね」
「はい!他の皆んなにも伝えても良い?」
マリエッタがパァッと笑顔になった。
「もちろんよ。私も絶対、皆んなに見てもらいたいもの。クロード様が恥ずかしがっても、皆んなの前に私がお連れするわ」
私も作品を皆んなに見てもらいたいしね。
クロードに、重い仮面はもう2度と着けさせない。
クロードの負担を少しでも減らしてあげたい。
私に優しさを与えてくれた人だから、私もその恩は返したい。
「あのぉ」
マリエッタが今度はモジモジしだした。
「ん?なあに?」
「フィリシアは、旦那様をどう思ってるの?私は旦那様はフィリシアを気に入っていると思うんだけど。それも、恋愛的な意味で」
私とクロードの関係を見ていたら、皆んなそう思うわよね。
元々私は、クロードの子を産む為にここに来たんだもの。
「私は、マリエッタと同じよ。尊敬してるし、素晴らしい方だと思ってる」
嘘は言ってない。
本当にそう思ってる。
それに私はクロードに愛される資格はない。
だって私は、本物のフィリシアじゃないんだもの。
「私、大人の事情はまだ良く理解できないけど、旦那様とフィリシアが、この先も仲睦まじくいてくれたら良いなって思ってる」
エリーズがいる以上、クロードとフィリシアが本当の意味で結ばれない事は、マリエッタも良く分かっている。
それでも私とクロードが、結ばれれば良いのにと思っているのも伝わって来る。
でも、私は1人で生きていく力が付いたらこの屋敷を、クロードの元から去るつもりでいる。
「未来は分からないけど、私がクロード様をずっと大切に思う気持ちは変わらないわ」
この数日だけでも、私はクロードから安らぎをもらった。
今まで決して手の入らなかった物。
私がやっと人間らしい生活をしている。
でも皮肉なものね。
それが自分自身の体としてじゃなくて、フィリシアとしてだなんて。
ウォーレンはどう頑張っても、人間らしい生活が出来ないということだもの。
「マリエッタ。もし、私が……」
フィリシアじゃ無かったらどう思う?
「え?」
「……ううん。何でもないわ」
私の中の何かが崩れていく。
私はフィリシアじゃないという思いと、フィリシアで良かったという思いと。
私もクロードに惹かれてはいる。
でも、恋をしているとはまだ言い切れない。
今までだって、恋愛なんてしたこと無かったし。
私も専用の小部屋で、仮面作りの仕上げを始める。
左目の部分は傷を隠す為に開けていないので、違和感が無い様な刺繍で華やかにしようかと考えた。
「わあ!本当にフィリシアさんは器用ですね!」
私の横で、マリエッタが仮面を見てはしゃいでいる。
「細かい作業は得意なんです」
刺繍が得意なわけじゃなく、ピッキングや人体解剖のおかげで、指先が器用になったのよね。
なんて言ったら、マリエッタは卒倒ものよね。
「3時のおやつを持って来ました」
マリエッタは、紅茶とクッキーを運んでくれた。
「ありがとうございます」
私はなんだか侍女の中では、マリエッタと1番親しくなった感じがする。
他の侍女達とももちろん会話をするのだけど、この広いお屋敷での作業では、あまりゆっくり顔を交わす機会が無かった。
「あの、良かったら敬語、辞めませんか?名前も呼び捨てにして欲しいんだけど」
一応フィリシアの方が1歳年上って事なので、私の方から切り出してみると、マリエッタはにっこり笑ってくれた。
「はい!分かりました、フィリシア」
あはは。
慣れるまで変な感じかも。
「それにしても、本当に素敵な仮面ですね。旦那様が付けているところを早く見たいわ!」
「クロード様も凄く楽しみにしてくださってるのよ。だから、何枚でも作りたくなるわ」
今回は、ブルーのベルベット生地に、金色と銀色の糸で刺繍を施した。
「これを着けれは、鼻や口は表に出るんですよね?」
ふふふ。
やっぱりなかなか敬語が抜けないわね。
「ええ。試着してもらった時に、傷だけが上手く隠せたの」
私の説明に、マリエッタは涙ぐむ。
「え?え?どうしたの?」
なんで泣くことがあるー?
私、何かマリエッタの地雷を踏んだ?
「嬉しいんです。旦那様の顔を最後に見たのが7年前で、幼心にもとてもハンサムだと思っていたんです」
もしかして、マリエッタの初恋の相手だったり?
「また、旦那様の顔が少しでも見られると思ったら、私、なんだか込み上げて来てしまって」
マリエッタは本当に良い子だわ。
ううん。
この屋敷の人は本当に優しい。
シュナイダーも料理長も。
誰もが信じられないほど、優しさに満ちている。
「今夜クロード様にこれをお渡しするわね。そして、明日からはこれを着けてもらうようにするわ。明日の朝を楽しみにしていてね」
「はい!他の皆んなにも伝えても良い?」
マリエッタがパァッと笑顔になった。
「もちろんよ。私も絶対、皆んなに見てもらいたいもの。クロード様が恥ずかしがっても、皆んなの前に私がお連れするわ」
私も作品を皆んなに見てもらいたいしね。
クロードに、重い仮面はもう2度と着けさせない。
クロードの負担を少しでも減らしてあげたい。
私に優しさを与えてくれた人だから、私もその恩は返したい。
「あのぉ」
マリエッタが今度はモジモジしだした。
「ん?なあに?」
「フィリシアは、旦那様をどう思ってるの?私は旦那様はフィリシアを気に入っていると思うんだけど。それも、恋愛的な意味で」
私とクロードの関係を見ていたら、皆んなそう思うわよね。
元々私は、クロードの子を産む為にここに来たんだもの。
「私は、マリエッタと同じよ。尊敬してるし、素晴らしい方だと思ってる」
嘘は言ってない。
本当にそう思ってる。
それに私はクロードに愛される資格はない。
だって私は、本物のフィリシアじゃないんだもの。
「私、大人の事情はまだ良く理解できないけど、旦那様とフィリシアが、この先も仲睦まじくいてくれたら良いなって思ってる」
エリーズがいる以上、クロードとフィリシアが本当の意味で結ばれない事は、マリエッタも良く分かっている。
それでも私とクロードが、結ばれれば良いのにと思っているのも伝わって来る。
でも、私は1人で生きていく力が付いたらこの屋敷を、クロードの元から去るつもりでいる。
「未来は分からないけど、私がクロード様をずっと大切に思う気持ちは変わらないわ」
この数日だけでも、私はクロードから安らぎをもらった。
今まで決して手の入らなかった物。
私がやっと人間らしい生活をしている。
でも皮肉なものね。
それが自分自身の体としてじゃなくて、フィリシアとしてだなんて。
ウォーレンはどう頑張っても、人間らしい生活が出来ないということだもの。
「マリエッタ。もし、私が……」
フィリシアじゃ無かったらどう思う?
「え?」
「……ううん。何でもないわ」
私の中の何かが崩れていく。
私はフィリシアじゃないという思いと、フィリシアで良かったという思いと。
私もクロードに惹かれてはいる。
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