あなたの指先で触れられたい

五嶋樒榴

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甘くとろけるチョコレート

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次の日の夜、ダメ元で橋元に蓮見は電話をしてみた。
真冬はバイトでまだ帰ってきてない。
『よう。何か進展でもあったか?』
楽しそうに橋元は言う。仕事中では無かったようだ。
「そうそう無いよ。でも、お前からのアドバイスは効いたかな」
『へぇー。オトナになったのね』
からかうように橋元は言う。
「お前って、いつから男が好きになったの?」
『気がついたのは、中学ぐらいかなー。思春期の頃?女の裸より、男の裸の方が興奮した』
「初体験って?」
まるで高校生に戻ったような会話に橋元は笑う。
『高校生の時な。すげー、大人しくて、可愛い子が居たんだよ。半ば無理矢理やったって感じ。正直やり方なんて知らなかったしね。泣かれてさ。でもまたそれが可愛かったなー』
ふふふと橋元は笑う。
「ドSだなー」
呆れながら蓮見は笑う。
「どれぐらい付き合ったの?」
『あいつは地方の大学行って、それで終わったな。今頃どうしてんのかね』
懐かしがって橋元は言う。
「大学時代もだろ?マジ気がつかなかった」
蓮見が笑うと橋元も笑う。
『お前、パリピだったからな。医者の息子で、女遊びも派手だったし。俺とは違う人種だったし。でも俺みたいな性格だったからかな。嫌いでは無かった』
過去の蓮見は、今とは違いすぎてて笑うしかない。
医療に真剣に向かい合うまでは浮かれていたなと蓮見自身も思い出した。
「大学時代に付き合った人ってどんな人だったのか?」
『大学2年の時に、社会人と知り合ったさ。俺より3つ年上のな。年上なんだけどすげー可愛くてさ。甘えん坊で、わがままで、繊細で壊れやすい人だった』
橋元の声のトーンがだんだん重くなった。
『若いのに脳腫瘍持っててさ。でも、俺もだんだん大学が忙しくなって会えなくなってきて。そのうち入院したって聞いて。心配で心配で、病院まで会いに行ったけど……』
この先は聞いたらいけない気がした。蓮見が話を止めようとしたが橋元は続けた。
『すっかり元気になって退院してた。悪性じゃ無かったし、場所も良かったしな』
絶対おちょくりやがったなと蓮見は思った。
深刻な話だと気を使った自分がバカらしくなった。
『俺が脳外の医者になったのも、それの影響だな。今となっては感謝だね』
あははと橋元は笑う。
『その後、結局すれ違いが原因で別れたけどね。でも、今のツレの次に愛してたかもな。って、俺の過去の話聞きたくて電話してきたんじゃ無いだろ?』
橋元が蓮見の話へと軌道修正する。
「まぁね。正直しんどい。真冬が大事すぎて、いざとなると出来ないんだよ」
『勃たねぇの?』
可哀想と言う声でポツリと橋元は言った。
「勃つわッ!ビンビンだわッ!めっちゃすげーわッ!」
ムキになって蓮見は言う。
『チューボーの反応しなくていい』
ケラケラと橋元は笑う。
「大事すぎて、怖気付いてる。正直、あんな狭い場所に入るものなのかと」
『そんなにお前のブツでけーの?』
「うん」
『死ね』
あははとお互い笑う。
『ったく仕方ねーなー。んじゃ、おにーさんが優しく解説してやろう』
「ありがとう!お兄ちゃん!」
『黙れ』
この不毛なやり取りの後、蓮見は自分の疑問をぶつけた。
橋元も意外と真面目に話を聞いてくれた。
「あ、そろそろ真冬が帰ってくるから電話切るわ。色々サンキューな」
『ああ。そのうち4人で飯でも食おうぜ』
恋人を見せるつもりがあるんだと蓮見は思った。
「了解。真冬の飯、食いに来いよ」
電話を終えると、直ぐに真冬が帰ってきた。
「お帰り」
蓮見が真冬を出迎える。
「ただいま」
蓮見の顔を見て嬉しそうな顔で真冬は微笑む。
「疲れただろ?風呂に入って来いよ」
「うん」
真冬の笑顔に蓮見は腕を伸ばして真冬を抱きしめる。
「やっぱり夜はもう寒くなってきたな。冷たい」
「もう10月だからね。先生と出会ってもう3ヶ月近く経ったね」
蓮見に抱きしめられているのが気持ちよくて、真冬も蓮見にギューとしがみつく。
「これからもずっと側にいろよ」
「うん」
蓮見は真冬を離すと前髪を上げておでこにキスをした。
「体、よく温めて来なよ。続きは後でね」
蓮見が笑顔で言うと真冬はおでこに手を当て照れた。
蓮見に愛されすぎて、真冬の身体の中は、もうポカポカになっていた。
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