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美奈子の嘘
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美奈子がベッドに横になっていると、裕介がお風呂から上がり美奈子の隣に横になった。
「美奈子。今度の土曜日病院に相談に行ってくるね。やっと仕事の方も、新しく赴任して来た先生も慣れて余裕も出て来たし」
裕介の言葉に美奈子は固まる。
「直ぐに行けなくてごめんね。正直、病院に行くの抵抗あったんだ。仕事のストレスもあって素直に行動に移せなかった。でも仕事に余裕できて来たら、やっぱり僕も早く美奈子を思いっきり抱きたいって思った」
裕介の笑顔に美奈子は胸が締め付けられる。
これは裕介を裏切った自分への罰だと思った。
何故、もう少し我慢できなかったのか。
どうして裕介の、男としてのプライドを考えてあげられなかったのか。
「ごめんなさい」
美奈子は震える声で裕介に謝る。
「どうしたの?美奈子が謝ることないでしょ」
あくまでも優しい声。
「そんなに仕事が大変だって思ってなかった。甘えたいとか、わがまま言ってごめんなさい」
「美奈子のせいじゃないよ!1年以上も最後まで出来なかったんだから。子供だって欲しかったでしょ?1年も遅らせることになって本当にごめん!」
1年は新婚生活楽しみたいな。
それから子供作っても遅くないよね。
確かにそんな会話もしていた。
30歳前に1人目が出来たら良いねと話していた。
やっと裕介が前向きに考えることが出来た日に、美奈子は裕介を裏切ったのだ。
「美奈子。この1年、不満や不安があったよね。ちゃんと前向きに話ができなくてごめん。これからは、話しにくいことも美奈子が話せるようにもっと努力するから」
「裕介。ごめんなさい。私、もっとちゃんとあなたの仕事理解するから」
お互いにすれ違っていたことを、やっと素直に話すこともできたのに、それが今夜だったと言う皮肉に美奈子は自分の愚かさを呪った。
「美奈子。愛してるよ」
裕介が美奈子を抱きしめる。
美奈子の胸がドクンドクンと嫌な音を立てる。
「美奈子、最後までできるか分からないけど」
裕介の手が美奈子の頬に触れ、唇が美奈子の唇に触れた。
平日に求めてくることは、レスになる前も殆どない。
何故今夜?と美奈子は胸が苦しくなる。
涙が頬を伝う。
「美奈子?」
美奈子の涙に裕介も気が付き顔を離す。
「ごめんなさい。裕介が優しいから。でも無理しないで。明日も仕事だし」
やんわりと美奈子は裕介を止めた。
「あ、うん」
拍子抜けした顔で裕介は美奈子を見つめる。
「仕事余裕出て来たなら、病院に行くのも、もう少し様子見てからでいいんじゃない?そんなことで裕介のプライド傷つけたくないし」
笑顔で美奈子が言うと裕介はキュンとなった。
「ありがとう。じゃあ、金曜日の夜、今夜のリベンジさせて」
美奈子は裕介の冗談ぽい言い方にドキドキする。
裕介は金曜日に最後までできなかったら、今度こそ絶対に病院に行こうと思った。
「美奈子。今度の土曜日病院に相談に行ってくるね。やっと仕事の方も、新しく赴任して来た先生も慣れて余裕も出て来たし」
裕介の言葉に美奈子は固まる。
「直ぐに行けなくてごめんね。正直、病院に行くの抵抗あったんだ。仕事のストレスもあって素直に行動に移せなかった。でも仕事に余裕できて来たら、やっぱり僕も早く美奈子を思いっきり抱きたいって思った」
裕介の笑顔に美奈子は胸が締め付けられる。
これは裕介を裏切った自分への罰だと思った。
何故、もう少し我慢できなかったのか。
どうして裕介の、男としてのプライドを考えてあげられなかったのか。
「ごめんなさい」
美奈子は震える声で裕介に謝る。
「どうしたの?美奈子が謝ることないでしょ」
あくまでも優しい声。
「そんなに仕事が大変だって思ってなかった。甘えたいとか、わがまま言ってごめんなさい」
「美奈子のせいじゃないよ!1年以上も最後まで出来なかったんだから。子供だって欲しかったでしょ?1年も遅らせることになって本当にごめん!」
1年は新婚生活楽しみたいな。
それから子供作っても遅くないよね。
確かにそんな会話もしていた。
30歳前に1人目が出来たら良いねと話していた。
やっと裕介が前向きに考えることが出来た日に、美奈子は裕介を裏切ったのだ。
「美奈子。この1年、不満や不安があったよね。ちゃんと前向きに話ができなくてごめん。これからは、話しにくいことも美奈子が話せるようにもっと努力するから」
「裕介。ごめんなさい。私、もっとちゃんとあなたの仕事理解するから」
お互いにすれ違っていたことを、やっと素直に話すこともできたのに、それが今夜だったと言う皮肉に美奈子は自分の愚かさを呪った。
「美奈子。愛してるよ」
裕介が美奈子を抱きしめる。
美奈子の胸がドクンドクンと嫌な音を立てる。
「美奈子、最後までできるか分からないけど」
裕介の手が美奈子の頬に触れ、唇が美奈子の唇に触れた。
平日に求めてくることは、レスになる前も殆どない。
何故今夜?と美奈子は胸が苦しくなる。
涙が頬を伝う。
「美奈子?」
美奈子の涙に裕介も気が付き顔を離す。
「ごめんなさい。裕介が優しいから。でも無理しないで。明日も仕事だし」
やんわりと美奈子は裕介を止めた。
「あ、うん」
拍子抜けした顔で裕介は美奈子を見つめる。
「仕事余裕出て来たなら、病院に行くのも、もう少し様子見てからでいいんじゃない?そんなことで裕介のプライド傷つけたくないし」
笑顔で美奈子が言うと裕介はキュンとなった。
「ありがとう。じゃあ、金曜日の夜、今夜のリベンジさせて」
美奈子は裕介の冗談ぽい言い方にドキドキする。
裕介は金曜日に最後までできなかったら、今度こそ絶対に病院に行こうと思った。
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