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頭の側にいるのは、甘い地獄だ。
抗いたくて抗えず、快楽に溺れ、自分を制止することができない。
ずっと望んでいた。
頭に壊されてしまいたいと。
もう、俺は死ぬことも生きることも価値もない。
乙也を俺自身が穢した。
そして頭も。
頭の側にいて守りたいと思いながら、本当は、欲望丸出しだったんだ。
真幸が工の手首を縛っていたネクタイを外した。
やっと自由になり、工は手首を振り感覚を蘇らせ、剥き出しのままのモノをしまった。
「一度しゃぶられれば、もう何度しても同じだろ?ってか、マジでけぇなお前のブツ。久しぶりに顎疲れたわ」
真幸が笑いながら言う。工は俯いて首を振る。
「もう同じ手には引っ掛かりません。今回は不可抗力です」
工の言葉に真幸は笑う。
「強がるなよ。我慢汁垂れ流して、俺の口の中にぶちまけておいて」
工は真幸を見つめる。
「気持ち良かったです。頭の口の中で果てて。頭が俺の精液を飲んでくれたのも嬉しかった。でも、もう同じ手には引っ掛かりません。頭を押さえつけても、自分の身は自分で守ります」
工のセリフに真幸はゲラゲラ笑う。
「まるで俺がお前をレイプしたような言い草だな」
真幸はそう言って、煙草を吸い始めた。
「俺は頭のオモチャです。でもそれは頭に奉仕する為だけの存在です。俺が気持ちよくなったら、お仕置きにもなりませんよ」
「なっただろ?頑なに俺を拒んでいたんだから。それなのに俺がお前をしゃぶった」
工はフッと笑った。
「もう、勘弁してください。これ以上あなたを求めてしまったら、俺は生きていけない。生きる価値も死ぬ価値もないのはわかってます。それなら死ぬしかありません」
工の言葉に真幸もフッと笑った。
「お前が死んだら、俺も死ぬ。もう、誰も消えて欲しくない」
真幸の言葉に工はズキッとした。
疾風と別れて、死を選んだ脆い真幸が、傷つきやすい真幸が、工を失うのも怖くなっていた。
「分かった。もう、しない。だから、俺を感じさせてくれ。もう、お前しか、俺にはいない。お前の身体も欲しがらない。だから、俺の側から離れるな」
泣きそうな真幸の美しい顔に、工は顔を歪めた。工も泣きそうだった。
本当は抱きしめたい。唇を奪いたい。真幸の身体を全て自分のものにしたい。
工は震える手で、真幸の頬に触れた。
「毎日、頭の身体を感じさせます。もう、やめろと言われるまで」
真幸の全てが欲しいと言いそうになる。
でも、その言葉だけは絶対に言ってはいけない。
「言わねぇよ。もったいねー」
真幸のセリフに工はフッと笑った。
「本当は、真春の所にも行かせたくない。お前の所有者は俺だ」
イラつくように真幸は言う。
「でも仕方ねーから、我慢するさ」
真幸はそう言って煙草を吸うと、その煙を工の顔にかけた。
「真春は、俺の息子だ」
真幸の告白に工は固まった。
聞き間違いかと思った。
「組の人間は誰も知らないはずだ。じーさんと俺しか知らない。お前も墓場まで持っていけ」
真春が真幸に似ていたのは隔世遺伝ではなく、実の父息子と知り工はスッと腑に落ちた。
「全く、親子で同じ男を取り合うとも思ってなかったぜ」
真幸は涼しい顔で笑って煙草の煙を燻らす。
真幸の言葉に、工は顔を背ける。
「真春さんは、ただ孤独で俺を慕っているだけです。今の生活に落ち着けば、俺のことなんてなんとも思わなくなります。ただ、それだけの存在です」
真幸は煙草を吸い煙を吐くと煙草を押し潰して火種を消した。
「分かってねぇな。俺の息子だぜ。わがままで甘えん坊で。特にあいつは俺と違って嫉妬深い。一度こいつと決めたら離す訳がない」
真幸の最後の言葉にドキッとした。
それは、自分もそうだと言っているのかと工は真幸をジッと見る。
ただ、真幸が自分の存在をどう思っているのか分からない。
疾風の代わりにしている訳ではないような気がしてきたが、だからと言って愛しているわけではないとも思った。
主従関係は変わらない。
オモチャだろうとなんだろうと、この人の身体に触れることが出来るなら、どんな地獄を味わってもいい。
でも、なぜ真春が自分の子だと俺に告白した?
「なんで俺がお前に真春のことを話したって顔をしてるな。牽制だよ。万が一にも、真春と間違いがないようにな」
真幸はそう言うと、美しい顔でただ静かに笑った。
抗いたくて抗えず、快楽に溺れ、自分を制止することができない。
ずっと望んでいた。
頭に壊されてしまいたいと。
もう、俺は死ぬことも生きることも価値もない。
乙也を俺自身が穢した。
そして頭も。
頭の側にいて守りたいと思いながら、本当は、欲望丸出しだったんだ。
真幸が工の手首を縛っていたネクタイを外した。
やっと自由になり、工は手首を振り感覚を蘇らせ、剥き出しのままのモノをしまった。
「一度しゃぶられれば、もう何度しても同じだろ?ってか、マジでけぇなお前のブツ。久しぶりに顎疲れたわ」
真幸が笑いながら言う。工は俯いて首を振る。
「もう同じ手には引っ掛かりません。今回は不可抗力です」
工の言葉に真幸は笑う。
「強がるなよ。我慢汁垂れ流して、俺の口の中にぶちまけておいて」
工は真幸を見つめる。
「気持ち良かったです。頭の口の中で果てて。頭が俺の精液を飲んでくれたのも嬉しかった。でも、もう同じ手には引っ掛かりません。頭を押さえつけても、自分の身は自分で守ります」
工のセリフに真幸はゲラゲラ笑う。
「まるで俺がお前をレイプしたような言い草だな」
真幸はそう言って、煙草を吸い始めた。
「俺は頭のオモチャです。でもそれは頭に奉仕する為だけの存在です。俺が気持ちよくなったら、お仕置きにもなりませんよ」
「なっただろ?頑なに俺を拒んでいたんだから。それなのに俺がお前をしゃぶった」
工はフッと笑った。
「もう、勘弁してください。これ以上あなたを求めてしまったら、俺は生きていけない。生きる価値も死ぬ価値もないのはわかってます。それなら死ぬしかありません」
工の言葉に真幸もフッと笑った。
「お前が死んだら、俺も死ぬ。もう、誰も消えて欲しくない」
真幸の言葉に工はズキッとした。
疾風と別れて、死を選んだ脆い真幸が、傷つきやすい真幸が、工を失うのも怖くなっていた。
「分かった。もう、しない。だから、俺を感じさせてくれ。もう、お前しか、俺にはいない。お前の身体も欲しがらない。だから、俺の側から離れるな」
泣きそうな真幸の美しい顔に、工は顔を歪めた。工も泣きそうだった。
本当は抱きしめたい。唇を奪いたい。真幸の身体を全て自分のものにしたい。
工は震える手で、真幸の頬に触れた。
「毎日、頭の身体を感じさせます。もう、やめろと言われるまで」
真幸の全てが欲しいと言いそうになる。
でも、その言葉だけは絶対に言ってはいけない。
「言わねぇよ。もったいねー」
真幸のセリフに工はフッと笑った。
「本当は、真春の所にも行かせたくない。お前の所有者は俺だ」
イラつくように真幸は言う。
「でも仕方ねーから、我慢するさ」
真幸はそう言って煙草を吸うと、その煙を工の顔にかけた。
「真春は、俺の息子だ」
真幸の告白に工は固まった。
聞き間違いかと思った。
「組の人間は誰も知らないはずだ。じーさんと俺しか知らない。お前も墓場まで持っていけ」
真春が真幸に似ていたのは隔世遺伝ではなく、実の父息子と知り工はスッと腑に落ちた。
「全く、親子で同じ男を取り合うとも思ってなかったぜ」
真幸は涼しい顔で笑って煙草の煙を燻らす。
真幸の言葉に、工は顔を背ける。
「真春さんは、ただ孤独で俺を慕っているだけです。今の生活に落ち着けば、俺のことなんてなんとも思わなくなります。ただ、それだけの存在です」
真幸は煙草を吸い煙を吐くと煙草を押し潰して火種を消した。
「分かってねぇな。俺の息子だぜ。わがままで甘えん坊で。特にあいつは俺と違って嫉妬深い。一度こいつと決めたら離す訳がない」
真幸の最後の言葉にドキッとした。
それは、自分もそうだと言っているのかと工は真幸をジッと見る。
ただ、真幸が自分の存在をどう思っているのか分からない。
疾風の代わりにしている訳ではないような気がしてきたが、だからと言って愛しているわけではないとも思った。
主従関係は変わらない。
オモチャだろうとなんだろうと、この人の身体に触れることが出来るなら、どんな地獄を味わってもいい。
でも、なぜ真春が自分の子だと俺に告白した?
「なんで俺がお前に真春のことを話したって顔をしてるな。牽制だよ。万が一にも、真春と間違いがないようにな」
真幸はそう言うと、美しい顔でただ静かに笑った。
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