田辺君はずるいから

３ずるい・出会い

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諭が田辺を初めて見たのは、大学のキャンパスだった。

「あいつだろ？入試で成績良くて教授達が一目置いてるって。確かに頭良さそうな顔してるわ。何かと目立つねー」

友人達と田辺を見た諭は、田辺のイケメン度の高さに目を奪われた。

「顔ちっせー。手足なげー」

諭は思わず呟いた。

「モデルみたいだなぁ。あーあ、女子に囲まれててよー。リア充だねぇ」

学年も学部も違う諭と田辺が知り合うきっかけはまず皆無。
しかも帝應大学はマンモス大学であったから、知り合うことなどなかったはずだった。

「諭、合コン行かね？お前を連れて来いって女子がうるさくってさぁ」

「え？なになに？俺モテ期？」

ニヤニヤする諭。

「帝應プリンセスを間近で見たいらしいぞ」

あははと笑う友人のその言葉に諭はガッカリする。
1年の時のハロウィンパーティーで、無理矢理女子にプリンセス女装をさせられ、グランプリを受賞したのだった。

「今年もハロウィンにお前を女装させたいらしい」

「やだ！もう2度とするもんかッ！」

結局モテ期なんて来てないんだと、諭はガッカリするのだった。