田辺君はずるいから

五嶋樒榴

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44ずるい・温泉旅行

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若女将に田辺と諭は部屋に案内された。
部屋は和室だったが、奥にもう一部屋あり、その奥に檜の大きな風呂とその先には露天風呂まである部屋だった。
大きな窓から見える庭園とその先に海も見えて最高のロケーションで、諭は驚きで声が出せなかった。

「どうぞ、ごゆっくりなさってね。また後で来るからッ!」

名残惜しそうに若女将が言うと、諭は笑顔で会釈した。
若女将が居なくなると諭は部屋をマジマジと見る。

「凄い部屋だー!めっちゃ高そう」

「そうでもないですよ。今回特別室は無理だったので、次回は早目に予約取りますね」

この部屋で十分です。と諭は心の中でつぶやいた。

「あのッ!本当に払うよッ!交通費も出してもらっちゃって、ここの宿泊代も受け取ってくれないんだもんッ!」

「勝手に俺がここに決めたんですから、諭先輩は気にしないでください。それより温泉入ってゆっくりしましょう」

田辺は諭を抱きしめる。

「田辺、だめだよッ!恥ずかしいッ!」

流石に近くに田辺の家族がいると分かって、田辺とエッチは出来ないと諭は思っていた。

「言うと思った。別に見られてる訳じゃないから良いでしょ?」

「そうだけど、そのッ、シーツが乱れてたらバレちゃうッ!」

「ただ寝てたってシーツは乱れるでしょ?ほら、温泉入る」

もう待てないと、田辺は諭を裸にすると檜の風呂に諭を入れ唇を奪う。
お互いの舌を刺激し合いながら、田辺は諭の身体を手で撫で回す。

「はぁ……田辺、んんッ」

肌をピンク色にさせて諭はトロンとした瞳で田辺を見る。

「まだ欲しくならない?我慢します?」

風呂の縁に田辺が腰掛け、諭は田辺の前に立ち上がって田辺にキスする。
田辺に硬くなったモノを扱かれながら、諭は田辺の唇を貪るようにキスを繰り返す。

「……あんッ!……ダメぇ。出ちゃうッ」

田辺の首に腕を回して諭はプルプル震える。

「意地悪しないで……お願い」

諭のモノを扱く田辺の手を諭が止める。

「意地悪じゃないですよ。ベッドに行きますか?」

我慢できない諭はコクンと頷いた。
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