田辺君はずるいから

五嶋樒榴

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46ずるい・諭と蘭

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グッタリして旅館に帰ってきた諭を、田辺は優しく抱きしめる。

「お疲れ様でした。めっちゃ可愛がられてましたね。親父も諭先輩を気に入っちゃったし」

諭が田辺父に気を遣って、一緒に酒を飲んで話を聞いてあげた事で、すっかり田辺父も諭を気に入ってしまった。

「楽しかったのは本当だよ。みんな好意的で可愛がってくれたし。田辺の家族も大好きだよ」

諭が無邪気に言うと、田辺は微笑んで諭にキスする。

「良かったです。やっぱり俺が選んだ諭先輩は最高です」

田辺にそう言ってもらえるのが、諭にとっても1番嬉しい。
みんなに認められて、この旅行に来て良かったと本当に思った。

「田辺。俺ね、こんな風に本当に大好きになったの田辺が初めてだよ。付き合い始めはどうなるかって不安だったけど、今は何も不安はない。これからも、ずっと俺のこと好きでいてね」

諭の告白に田辺は微笑む。

「俺もですよ。初めは正直、ま、いっか。ってノリで付き合い始めたけど、今では諭先輩が離せなくなってる。離れることも許さないですよ」

田辺に愛されてる実感をひしひしと感じる。
諭は田辺の頬を両手で包む。

「田辺。だーいすき」

諭の瞳を見つめながら田辺は諭の両手首を握った。

「……じゃあ、そろそろ呼び方変えませんか?俺も変えます。敬語もやめます」

田辺はそう言って、諭の頭を引き寄せて再びキスをする。
唇が離れると、田辺はじっと諭を見つめる。

「愛してるよ。諭」

田辺に名前を呼び捨てされて、諭は一気に真っ赤になって震える。

「もうッ、本当にずるいッ!もう……蘭のバカぁ」

恥ずかしくて、嬉しくて、愛おしくて。
諭と田辺はギュッと抱きしめ合った。
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