すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第九話

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茉理の家に到着すると、臨を見た母親が目を輝かせる。

「いやぁーん!聞いていた以上になんて可愛いのかしらッ!本当に肌スベッスベで赤ちゃんみたいぃ!やぁん!可愛い!可愛い!」

悶えまくる母親が恥ずかしくなってくる茉理。

「俺たち部屋行くよ。何かお菓子ある?」

臨を早く部屋に連れて行きたい。

「バウムクーヘンで良いかしら?紅茶とコーヒーどっちにする?」

母親はそう言いながら、箱に入っているバウムクーヘンをゴソゴソと出して、カッティングボードで切り分け始める。

「飲み物はペットボトルのジュースでいい。臨、グラス持ってもらっていい?」

カチャカチャと茉理はグラスを出すと臨に渡す。
茉理はペットボトルのジュースと、皿に乗ったバウムクーヘンを持って2階に上がった。
茉理の部屋に入ると、持って来た物を全てテーブルに置いた。

「ごめんねー。うちの母親可愛い子大好きでさぁ。臨なんてマジどストライクだからさぁ」

茉理が謝ると臨は笑って首を振る。

「うちの母親もそうだよ。茉理が来たら、茉理のお母さんよりもリアクション凄いかも」

それを聞いて、茉理はハハハと笑ってごまかす。

「それにしてもあいつらなんなんだよなぁ。俺たちに聞かせたくない話なんかね」

ペットボトルのジュースをグラスに注ぎながら茉理は言う。

「多分、僕と一哉の、その、付き合ってる事だと思う。僕たちのこと相談できるのって、一哉は絢斗しかいないだろうから」

シュンとなって臨は言う。
話を聞いていて、茉理も恥ずかしくなって来た。

「あのさッ。聞いてもいいかな?」

茉理は意を決して臨に聞くことにした。

「あのさ、そのッ。臨と一哉は付き合ってるじゃん!……………って事は、その……………(キス)シてる訳だよね?」

ストレートすぎたかなと思いながら茉理は尋ねた。

「それはッ!……………って言うか、茉理はどうなの?絢斗とその、付き合ってるんでしょ?」

臨もハッキリ聞きたかった。

「あー、うん。好きだよ。付き合って……………って事になるけどさ」

モジモジしながら茉理は言う。

「茉理こそ、もう(エッチ)シた?」

臨が真っ赤になって尋ねる。

「それは!まだだよ!だって、恥ずかしいじゃん!できないよ!」

ムキになって茉理が言うと臨はホッとした。

「茉理もまだ(エッチ)シてなくて良かったぁ。僕だけ怖がってできないのかと思ってた」

「俺だって怖いよッ!て、言うかよく分からないから恥ずかしい。でことかほっぺは良いけど……………」

真っ赤になる茉理。

「そうだよね。よく分からないよね、男同士で(エッチ)なんてさ」

モジモジしながら言う臨。

「うん。俺、女の子とも(キス)シた事ないんだ」

「あ、僕もッ!女の子と(エッチ)シたことない」

告白し合って恥ずかしがるふたりだが、お互いの悩みが違う事に全く気づかないのであった。
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