すいぎょのまぢわり

五嶋樒榴

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第十五話

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学校から帰って、茉理は絢斗の部屋で勉強することになった。

「もうッ!油断も隙もないんだからッ!」

昼間のことでまだ茉理はプリプリしている。
そんな茉理も可愛くて、絢斗は嬉しそうに茉理を眺める。

「もうッ!本当にちゃんと聞いてる?怒ってんだからねッ!」

本気で怒っていないことぐらい絢斗は十分承知している。
床に座っている茉理の背後から絢斗は抱きつき、茉理の髪を優しく撫でる。

「はいはい。ごめんて。学校でもずっと謝ったでしょ?もう2人っきりだし仲良くなろうぜ」

絢斗は茉理をそのまま床に押し倒す。

「仲良くなろうってこう言うことかよッ!って、背中が痛いッ!ベッドにしてッ!」

真っ赤になって抗議する茉理。
絢斗は茉理を起こすと、嫌がらないのはいつもと違うな。と思いながらも、ご希望通りベッドに押し倒す。
茉理の頬に触れながら、絢斗は茉理を見つめる。

「もう俺たち、完璧恋人同士だしぃ。もっともっと仲良くしようぜ」

どうせ恥ずかしがるだろうと思ってニヤニヤする絢斗。
茉理はムッとしながらも絢斗をジッと見つめる。

「じゃあ、ぎゅって抱きしめろよッ!」

「ん?」

抱き締めるどころかキスしたい絢斗。
だが、茉理からおねだりなんて初めてだと思い、絢斗は聞き間違いかと思った。

「絢斗に、抱きしめられるの、本当に気持ち良くて、好きなのッ!だからッ抱きしめてよッ!」

真っ赤になりながらおねだりする茉理。
いつも受け身の茉理がおねだりとか、そんな茉理が絢斗はめっちゃ可愛すぎて、大事すぎて。

「お前、ほんとーにズルいわ。たまにそうやってすげー素直になるし」

嬉しそうに絢斗は言うと、茉理の望み通りギュッと抱き締める。

「だってさッ!俺たち、恋人同士だろッ!」

ツンデレの茉理に理性を保つ自信がない絢斗。やっと気持ちが一つになったと感じる。

「ああ、そうだよ。抱きしめられて気持ちいいか?」

茉理の耳元で囁く絢斗。

「んッ!耳、擽ったい。………………もう、絶対一哉に言っちゃダメだからねッ!俺と絢斗だけの秘密だかんなッ!」

拗ねながら、まだ念を押して言う茉理。
ふたりの秘密という言葉に絢斗はデレる。
もう完璧、絢斗は我慢限界。

「分かったよ。分かったから………………」

見つめ合う絢斗と茉理。重なる唇。
拗ねてご機嫌斜めだった茉理も顔が緩んで笑顔になり、茉理から絢斗の首に両腕を回して密着してキスする。

「………………これからもこの先も、絶対離れるなよ」

ぴったりしがみついてそう言って甘え倒す茉理。もう恥ずかしさも吹っ飛んでいた。

「当たり前だろ。これからもずっと一緒だよ。一生って約束しただろ。俺たち、何があっても離れられないね」

余裕綽綽で茉理を抱きしめる絢斗。






まだまだ始まったばかりのふたりの恋。
でもこれからもより一層、ふたりは水魚之交のようです。





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