甘い蜜と苦い蜜

五嶋樒榴

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柔らかな唇

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涼香先生のアシスタントになって1ヶ月が過ぎた。
私の料理の腕もだいぶ上がったようで、娘から褒められることが増えた。
そして、私に無関心だった夫が、夜、5年ぶりに私を誘ってきた。
「外で少し働くと、やっぱり違ってくるね。有名な料理教室のアシスタントなんだろ?会社で話したら、女子社員が羨ましがってた」
私の胸を揉みながら夫は言う。
「……………ごめんなさい、疲れてるし、もう、ずっとしてないし」
私が逃げようとすると、逆にそれに火がついたのか、夫は私の下着の中に手を入れた。そして5年ぶりのキス。
厚みのある舌が私の舌に絡まり吸い始めた。
「……………ちゃんと気持ち良くしてから挿れるから。ずっとほっといてごめんよ」
不思議だった。
専業主婦だった時は家政婦にしか見られなかったのに、予約が取れない高級料理教室のアシスタントと言う肩書がついただけで、夫は私を求めてくる。
確かに自分で言うのもなんだが、最近私は垢抜けてきたと思う。
それは料理の腕前を褒めてくれた娘も気がついて、前より美容のことなども娘と話すことが増えた。
涼香先生のそばにいると、私までランクが上がった気がした。
夫が優しく指で割れ目を開いていく。
ねっとりと蜜が溢れ出しているのも否定できない。
「んッ!……………んん。んー!」
流石に自分以外の指は違う。
もどかしい動きなのに、焦らされているようで逆に感じてしまう。
「はぁッ!……………んんんッ」
私は声を出さないように堪える。
万が一、娘が起きてこの部屋の前を通ったらと思うと声が出せない。
「可愛いよ。我慢しないで少し声出してよ」
夫は耳元で囁くと、耳たぶを甘噛みした。
グッと中に指を入れられ、乳首をしゃぶられるだけで私はイきそうになってしまった。
「あああッ!」
グチャグチャと音を響かせて、夫は指を激しく使いながら、肉芽を口に含むと舌で転がし始めた。
「あああッ!んんッ!……………あんッ!」
喘ぎ声を抑えてはいるが、私の身体は素直に夫の愛撫に悦んでいた。
「あ!……………イくぅッ!イっちゃうッ!」
肉芽がイってしまった。
気持ち良さに、蜜は止まらない。
「里緒奈。俺のも」
久しぶりに見る、グロテスクにも思える肉の塊を私は口に含んだ。
ドクンドクンと脈打って、その塊は硬さと太さを増していく。
「ああ、気持ちいいよ」
夫は私の頭を押さえつけて腰を動かす。
口の奥に突っ込まれるのは苦手なので、私は疲れたふりをして舌で舐め始めた。
「四つん這いになって」
夫はバックが好き。
私は夫にお尻を掴まれ、割れ目を開かれ、一気に奥まで挿入された。
気持ちいいと感じるまで時間がかかった。
夫は背後から私の乳房を揉みしだきながら、ズンズンと激しく腰を打ち付けてきた。
「狭いッ!キツいよ、里緒奈!」
嬉しそうな声を上げて、夫は自分の好きなように動き続ける。
夫は、私が久しぶりのセックスだから穴が狭くなっていると錯覚している。
本当は、グッズで中はいつも柔らかく解されているとも知らずに。
「ああ、イイッ!里緒奈!」
私はなぜか挿入になってからは冷静になってしまった。
夫が不倫をしている事も原因なのは分かっている。
それ以上に、気持ちの良いところに全く刺激がこなかった。
夫は気持ち良さそうだけど、私はこれならグッズの方が何度でもイけると思った。私の中はもうグッズの形に慣れてしまっていた。
私の身体は、膣は、身勝手に動く生身の塊より、グッズでしか感じなくなっていたようだった。
そのあと正常位にも挑んだ夫だが、私は一切中でイくことはなく、別に次がなくてもいいと思い演技をすることもなく、早く夫が果てるように締め付け続けた。
外に出した精液を夫がティッシュで拭き取り、しばらくすると寝息を立て始めた。

前戯だけで十分な男。

夫の寝顔を見て私はそう思った。
そしてもう抱かれたくないとまで思った。
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