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始まりの始まり
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私がズルい女だと言う事はわかっている。
生活の安定を夫に求め、愛情を涼香先生に求め。
そして麻奈が夫の浮気を感づいていた事に内心喜んで。
夫が離婚を言い出したら、私は財産分与と慰謝料、麻奈の養育費を請求するつもりだ。
でも夫は離婚なんて言い出すはずがない。
私が離婚の証拠を掴んでいることも知らないし、麻奈にバレているとも思っていない。
家庭の事は私に任せ、性欲はダブル不倫で外で満たす。
結局夫もズルい男なのだ。
私たち夫婦は似た者同士かもしれない。
でも私は夫のような火遊びではない。
本気の恋愛。誰に非難されようが、私は涼香先生との愛は純愛だと思っている。
「ママ、涼香先生のマンション、本当に凄かったね!私、もっと涼香先生にお料理習いたーい」
帰り道、まだ興奮して麻奈は言う。
「では、年会費5万円、1回のレッスン料2万円、ご用意してくださいね」
私がそう言うと麻奈はプッと膨れてそのあと笑った。
「涼香先生の弟の英太さんもカッコよかったねー!オジサンだけど」
そりゃ13歳の小娘から見たら、31歳の英太さんも立派なおじさんかと私は笑った。
「今度お泊まりに行きたいなぁ!英太さんがそう言ったら、涼香先生もお泊まりに来てって言ってくれたよ!」
私と涼香先生の関係を知らない麻奈は無邪気に言う。
「そうね。でもお泊まりに行ったら住みたくなっちゃうよ」
私はちょっとズルい言い方をした。
麻奈がどんな反応をするか見たかった。
「そうだねー。でもそれはないかな。中学変わったらやだもん」
現実的な言葉に私は笑った。
夫と離れることより、中学の心配なんだと私は可笑しくなった。
「パパと離れるのも嫌だもんね」
私はしつこいかなと思いながら聞いた。
麻奈の口から“パパはどうでも良い”と言う言葉が聞きたかった。
「……………ねぇ、パパと離婚したら、あの家から私たち出ていくの?それともパパが出ていくの?」
「え?」
私の想像の上を行く質問を返されて私は驚いた。
「どうかな。分かんないよ。パパと離婚するわけでもないし」
私はそう答えるのが精一杯だった。
「私、ママにパパのこと話してからずっと考えてるんだ。ママもパパの浮気を知ってるならちゃんとしたほうが良いよ。黙って好き勝手にさせておくなんて、それじゃパパはズルいじゃない」
麻奈の言葉はそのまま私に跳ね返る。
私だってズルい女だ。
何も知らない麻奈に、涼香先生《恋人》を会わせた。
もし麻奈がその事を後で知ったら私を罵るだろう。
ママだってパパと一緒じゃない。
パパが浮気してるからって、ママだって女の人と浮気してるんじゃない。
平気な顔で私と浮気相手を会わせて仲良くさせたなんて、ママはひどいよね!
私が麻奈なら、きっとそう言う。
女同士で愛し合うなんて、涼香先生の本当の姿を知らなかったら奇異な目で見るだろう。
でも、私はもう知ってしまった。
涼香先生がどんなに素晴らしい人か。
本気で愛してしまったのが涼香先生だったと言うことだけ。
「でもパパは家庭も大切にしてるわ。麻奈を愛してるのは本当だし。パパとはもう夫婦とは言えないけど、ママはそれでも良いの。だから麻奈もママを可哀想とかって思わないで良いのよ」
私がそう言うと麻奈は渋々頷く。
麻奈も、自分が夫に大事にされているのをちゃんと分かっているから。
でも私たちはいったいいつまで、この平行線を辿るのかと思った。
生活の安定を夫に求め、愛情を涼香先生に求め。
そして麻奈が夫の浮気を感づいていた事に内心喜んで。
夫が離婚を言い出したら、私は財産分与と慰謝料、麻奈の養育費を請求するつもりだ。
でも夫は離婚なんて言い出すはずがない。
私が離婚の証拠を掴んでいることも知らないし、麻奈にバレているとも思っていない。
家庭の事は私に任せ、性欲はダブル不倫で外で満たす。
結局夫もズルい男なのだ。
私たち夫婦は似た者同士かもしれない。
でも私は夫のような火遊びではない。
本気の恋愛。誰に非難されようが、私は涼香先生との愛は純愛だと思っている。
「ママ、涼香先生のマンション、本当に凄かったね!私、もっと涼香先生にお料理習いたーい」
帰り道、まだ興奮して麻奈は言う。
「では、年会費5万円、1回のレッスン料2万円、ご用意してくださいね」
私がそう言うと麻奈はプッと膨れてそのあと笑った。
「涼香先生の弟の英太さんもカッコよかったねー!オジサンだけど」
そりゃ13歳の小娘から見たら、31歳の英太さんも立派なおじさんかと私は笑った。
「今度お泊まりに行きたいなぁ!英太さんがそう言ったら、涼香先生もお泊まりに来てって言ってくれたよ!」
私と涼香先生の関係を知らない麻奈は無邪気に言う。
「そうね。でもお泊まりに行ったら住みたくなっちゃうよ」
私はちょっとズルい言い方をした。
麻奈がどんな反応をするか見たかった。
「そうだねー。でもそれはないかな。中学変わったらやだもん」
現実的な言葉に私は笑った。
夫と離れることより、中学の心配なんだと私は可笑しくなった。
「パパと離れるのも嫌だもんね」
私はしつこいかなと思いながら聞いた。
麻奈の口から“パパはどうでも良い”と言う言葉が聞きたかった。
「……………ねぇ、パパと離婚したら、あの家から私たち出ていくの?それともパパが出ていくの?」
「え?」
私の想像の上を行く質問を返されて私は驚いた。
「どうかな。分かんないよ。パパと離婚するわけでもないし」
私はそう答えるのが精一杯だった。
「私、ママにパパのこと話してからずっと考えてるんだ。ママもパパの浮気を知ってるならちゃんとしたほうが良いよ。黙って好き勝手にさせておくなんて、それじゃパパはズルいじゃない」
麻奈の言葉はそのまま私に跳ね返る。
私だってズルい女だ。
何も知らない麻奈に、涼香先生《恋人》を会わせた。
もし麻奈がその事を後で知ったら私を罵るだろう。
ママだってパパと一緒じゃない。
パパが浮気してるからって、ママだって女の人と浮気してるんじゃない。
平気な顔で私と浮気相手を会わせて仲良くさせたなんて、ママはひどいよね!
私が麻奈なら、きっとそう言う。
女同士で愛し合うなんて、涼香先生の本当の姿を知らなかったら奇異な目で見るだろう。
でも、私はもう知ってしまった。
涼香先生がどんなに素晴らしい人か。
本気で愛してしまったのが涼香先生だったと言うことだけ。
「でもパパは家庭も大切にしてるわ。麻奈を愛してるのは本当だし。パパとはもう夫婦とは言えないけど、ママはそれでも良いの。だから麻奈もママを可哀想とかって思わないで良いのよ」
私がそう言うと麻奈は渋々頷く。
麻奈も、自分が夫に大事にされているのをちゃんと分かっているから。
でも私たちはいったいいつまで、この平行線を辿るのかと思った。
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