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●アンビバレント●
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健を見かけてから、蓮司は健が気になって、毎日のように賢一郎の家を通るようになった。
そして、3ヶ月が過ぎる頃に動きがあった。
賢一郎の家が取り壊され始めたのだった。
突然、何故なんだと蓮司は驚く。
「母さん!賢一郎の家が取り壊されてたんだけど!」
帰るなり蓮司は都子に見て来た事を告げる。
「ああ、買い手が決まったのね。シュウ君のお母さんがずっと気にしてたのよね。夜中に不良があの家の中に入ってるとかって言ってたし」
シュウ君とは、高校は違うが蓮司の幼馴染で、母親同士が今でも仲が良かった。
「だって家が無くなったら、賢一郎どこに住むんだよ!帰る場所が無くなったじゃねーか!」
両親を殺したといえども、蓮司は何か深い理由が有ると信じていた。
きっと、いつか賢一郎が帰ってくると信じている。
「賢一郎君が今どういう状況かは分からないけど、流石にあの家には戻って来なと思うわよ」
興奮する蓮司を都子は落ち着かせようと穏やかな口調で諭す。
「……分かってるさ!」
やり切れない気持ちで、蓮司は自分の部屋へ向かって2階に駆け上がった。
そして、3ヶ月が過ぎる頃に動きがあった。
賢一郎の家が取り壊され始めたのだった。
突然、何故なんだと蓮司は驚く。
「母さん!賢一郎の家が取り壊されてたんだけど!」
帰るなり蓮司は都子に見て来た事を告げる。
「ああ、買い手が決まったのね。シュウ君のお母さんがずっと気にしてたのよね。夜中に不良があの家の中に入ってるとかって言ってたし」
シュウ君とは、高校は違うが蓮司の幼馴染で、母親同士が今でも仲が良かった。
「だって家が無くなったら、賢一郎どこに住むんだよ!帰る場所が無くなったじゃねーか!」
両親を殺したといえども、蓮司は何か深い理由が有ると信じていた。
きっと、いつか賢一郎が帰ってくると信じている。
「賢一郎君が今どういう状況かは分からないけど、流石にあの家には戻って来なと思うわよ」
興奮する蓮司を都子は落ち着かせようと穏やかな口調で諭す。
「……分かってるさ!」
やり切れない気持ちで、蓮司は自分の部屋へ向かって2階に駆け上がった。
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