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●目には目を歯には歯を●

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健は重夫達の小学校、中学校、高校の卒業アルバムを大知から入手した。 
それを渡された蓮司は早速、3人の共通点である高校へまずは足を運んだ。
下手に生徒に声を掛けると不審者に思われるので、高校の最寄駅のハンバーガーショップへ向かった。
コーヒーを購入して、重夫達の高校の生徒を探す。
出来れば女子のグループが良いなと見回し、2人組の女子高生の隣の席に座った。

「あ、もしもし。悪い、俺、今、店の中なんだよ」

蓮司はわざと電話がかかってきたようにスマホで話し始めた。

「ほら、例の被害者が卒業した高校の近く。取材のバイトでさ」

隣の女子達が興味を示すような口調で蓮司は話し続ける。
女子高生2人は、蓮司の話の内容も気になったが、蓮司のイケメンぶりも気になった。

「あ、ごめんね、うるさかった?」

2人の視線を感じて、蓮司が笑顔で謝る。
女子高生2人は真っ赤になって首を振った。

「君たち、もしかして山王高校の生徒?」

分かっていて蓮司は尋ねる。

「はい。そうですッ」

聞いて聞いて!と言う顔で、髪の長い派手な感じの女子高生が蓮司に笑顔で答える。
ゲット!と蓮司は内心ほくそ笑む。

「びっくりしたでしょ?君たちの先輩が事件に巻き込まれて」

同情するように尋ねると二人は頷いた。

「3人も一緒に被害に遭うなんて、これって怨恨とかかなぁ」

蓮司は2人に質問しながら、自分にはこう言う才能があったのかと少し酔いしれる。

「えっと、被害にあった先輩達には悪いけど、その人達、うちの学校でもかなり不良だったし」

もう1人の、ショートカットの可愛い顔をした方が話し始めた。

「そうだったの?」

「確か停学にもなったよねー」

「うんうん」

2人はお互いに過去の確認をする。

「何したの?」

「いじめだった気がするぅ。とにかく怖いから、みんな近寄らないようにしてたし。噂では卒業式直後に、同級生を大怪我させたって言うのも聞いたよね」

こりゃ、重夫達はかなりやんちゃで、人から恨まれまくっていたかと蓮司は思った。

「警察に捕まったけど、別に普通に生活してるみたいだから、大怪我させたのも噂だったのかな」
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