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●目には目を歯には歯を●
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女子高生たちから気になる話を聞き終えバーガーショップを出ると、蓮司は健から教えられた重夫のアパートへと向かった。
思ったよりも軽症で済んだ重夫は、おそらくもうこのアパートに戻っているはずだと思った。
健の会社の管理会社から事情を聞いている大家の富子は、蓮司に協力的で重夫の家族の話を聞かせてくれた。
「全く、本当に迷惑な話しでね!父親はほとんど家にも帰ってなかったみたいで、母子家庭みたいなもんだったのよね!ほら、他にも被害に遭った2人がいただろ?そんな悪そうな友達を家に呼んでは騒いだりしてさぁ。本当は早くに出ていって欲しいんだけどさ!」
鼻息荒く富子は語る。重夫は被害者では有るが、富子にしてみれば重夫家族は厄介者だった。
「せめてもの救いは被害者だったことぐらいだわ。警察に私も聞かれたけど、あいにく私は家の中にいて、全く何も見てなかったのよね」
何も目撃していない富子は、警察に重夫家族の話ぐらいしか出来なかったと語る。
「本当に早くに犯人が捕まってくれたら良いんだけど。フードを被っていて顔は見えなかったらしいじゃない」
事件発生から数日が経つが、まだ犯人の目星はついていなかった。
被害者である重夫達の供述も曖昧で、犯人の顔もほとんど見ていなかったのか記憶にない。
目撃情報も少ないようなので、怨恨の線で警察はとにかく調べを進めているのかと蓮司は想像した。
その後も蓮司は、小学校の卒業アルバムから敏史と逸郎のそれぞれの自宅近辺も探ってみた。
小学校、中学校共に、敏史も逸郎もそれぞれ地元では大人しく目立つ存在ではなかったようだが、高校生になってから2人は知り合い、ガラが悪くなっていった。おそらく重夫の影響だったんだろうと蓮司は思った。
「高校が共通点となると、やっぱりあの噂の信憑性を証明するしかないか」
女子高生2人組が語った、大怪我をさせられた同級生。
それが誰だったのか分かれば、被害者達の裏の顔がもっと良く見えるような気がした。
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鼻息荒く富子は語る。重夫は被害者では有るが、富子にしてみれば重夫家族は厄介者だった。
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何も目撃していない富子は、警察に重夫家族の話ぐらいしか出来なかったと語る。
「本当に早くに犯人が捕まってくれたら良いんだけど。フードを被っていて顔は見えなかったらしいじゃない」
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