82 / 206
●目には目を歯には歯を●
4-2
しおりを挟む
「とりあえず頼んだ事は助かった。これは報酬だ」
封筒を差し出されて、蓮司はそれを受け取る。
「俺の個人的な金だから、領収書の類はない」
本当に9日分の金額が入っていて、臨時収入に蓮司の顔が緩む。
「無駄遣いすんなよ」
クスクスと健は笑う。
「しないよ。計画があって貯金してんだよ」
貯金と聞いて、意外としっかりしているなと健は蓮司を見た。
「何か大きな買い物でもするのか?車とか?」
「違う。大学生だし、一人暮らししたいと思ってさ」
蓮司は照れる。
「別に家から通えない距離でも無いだろ?あー、女か?」
健はニヤニヤして冷やかす。
「うっせーな。どうだって良いだろ」
図星かと健は笑う。
「アパート探すときは相談してくれ。良い物件紹介するぞ」
誰が頼むかと、蓮司はまだ赤面してムッとする。
「それにしても、その噂の大怪我をさせられた同級生は気になるな。噂で止まっていると言う事は、大きな事件にはならなかったと言う事だろうし」
「もし、その噂が本当で、被害に遭った相手が復讐で3人に怪我をさせたとしたら?」
「そこなんだ。3人とも命に関わるほどの怪我はしていない。初めから殺すつもりは無かったんだろうな。それが思った以上に大きな事件になって、犯人は焦っているかもしれない」
初めは仕返しの犯行だったが、まさか重夫が自分の後を追って来るとは思っていなかったのだろう。
それがこんなインシデントになり、1番焦っているのは犯人だなと健は想像した。
「明日時間あるか?」
「明日はバイトだよ」
健はふぅと息をつく。
「仕方ない。俺1人で行くか」
「どこに?」
蓮司は少しだけ気になった。
「お前の話にちょっと引っかかってね。それを確認しに」
「確認?俺の話で何が引っかかったんだよ」
健が何に気づいたのかだいぶ気になってきた。
「……おそらく、その人物に聞けば犯人が分かりそうだ」
「どう言う事?」
不敵な笑みの健に、蓮司はなぜ急にそんな事を思ったのか謎だった。
「俺の考えが合っていたら、お前にもきちんと報告してやる」
健に勿体つけられて蓮司は苛々するも、どうせまた企業秘密ではぐらかされるだろうと深くは追及するのを辞めた。
封筒を差し出されて、蓮司はそれを受け取る。
「俺の個人的な金だから、領収書の類はない」
本当に9日分の金額が入っていて、臨時収入に蓮司の顔が緩む。
「無駄遣いすんなよ」
クスクスと健は笑う。
「しないよ。計画があって貯金してんだよ」
貯金と聞いて、意外としっかりしているなと健は蓮司を見た。
「何か大きな買い物でもするのか?車とか?」
「違う。大学生だし、一人暮らししたいと思ってさ」
蓮司は照れる。
「別に家から通えない距離でも無いだろ?あー、女か?」
健はニヤニヤして冷やかす。
「うっせーな。どうだって良いだろ」
図星かと健は笑う。
「アパート探すときは相談してくれ。良い物件紹介するぞ」
誰が頼むかと、蓮司はまだ赤面してムッとする。
「それにしても、その噂の大怪我をさせられた同級生は気になるな。噂で止まっていると言う事は、大きな事件にはならなかったと言う事だろうし」
「もし、その噂が本当で、被害に遭った相手が復讐で3人に怪我をさせたとしたら?」
「そこなんだ。3人とも命に関わるほどの怪我はしていない。初めから殺すつもりは無かったんだろうな。それが思った以上に大きな事件になって、犯人は焦っているかもしれない」
初めは仕返しの犯行だったが、まさか重夫が自分の後を追って来るとは思っていなかったのだろう。
それがこんなインシデントになり、1番焦っているのは犯人だなと健は想像した。
「明日時間あるか?」
「明日はバイトだよ」
健はふぅと息をつく。
「仕方ない。俺1人で行くか」
「どこに?」
蓮司は少しだけ気になった。
「お前の話にちょっと引っかかってね。それを確認しに」
「確認?俺の話で何が引っかかったんだよ」
健が何に気づいたのかだいぶ気になってきた。
「……おそらく、その人物に聞けば犯人が分かりそうだ」
「どう言う事?」
不敵な笑みの健に、蓮司はなぜ急にそんな事を思ったのか謎だった。
「俺の考えが合っていたら、お前にもきちんと報告してやる」
健に勿体つけられて蓮司は苛々するも、どうせまた企業秘密ではぐらかされるだろうと深くは追及するのを辞めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
淡色に揺れる
かなめ
恋愛
とある高校の女子生徒たちが繰り広げる、甘く透き通った、百合色の物語です。
ほのぼのとしていて甘酸っぱい、まるで少年漫画のような純粋な恋色をお楽しみいただけます。
★登場人物
白川蓮(しらかわ れん)
太陽みたいに眩しくて天真爛漫な高校2年生。短い髪と小柄な体格から、遠くから見れば少年と見間違われることもしばしば。ちょっと天然で、恋愛に関してはキス未満の付き合いをした元カレが一人いるほど純潔。女子硬式テニス部に所属している。
水沢詩弦(みずさわ しづる)
クールビューティーでやや気が強く、部活の後輩達からちょっぴり恐れられている高校3年生。その美しく整った顔と華奢な体格により男子たちからの人気は高い。本人は控えめな胸を気にしているらしいが、そこもまた良し。蓮と同じく女子テニス部に所属している。
宮坂彩里(みやさか あやり)
明るくて男女後輩みんなから好かれるムードメーカーの高校3年生。詩弦とは系統の違うキューティー美女でスタイルは抜群。もちろん男子からの支持は熱い。女子テニス部に所属しており、詩弦とはジュニア時代からダブルスのペアを組んでいるが、2人は犬猿の仲である。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる