呪いの三輪車――え、これホラー? いや、色々な意味で。

されど電波おやぢは妄想を騙る

文字の大きさ
2 / 11

第二夜。

しおりを挟む
 昨晩遅くに現れた女神様のような天使様のフリをしたなにか。が置き土産にしていった三輪車を持って出掛ける俺。


 間違っても、乗って遊ぶ気で持って出掛けたのでは無いと、俺の名誉の為に記しておく――。


 実は、この三輪車。
 呪いの三輪車今、読んでくれているって表題の小説と言うか怪文書。
 あれの表紙のようにボロボロなんすわ。

 蜘蛛の巣張りーの、錆まくりーので、まぢ呪われてんぢゃね? って感じなんすわ。

 昨晩現れた、なにか。が言ってたような、ボーナス廃課金で得られるゴッズアイテムには、到底、思えんのですわ。
 実際、俺が試した時も、人として大事ななにかを失っただけだし……。

 そこで俺は安っぽい電卓ぐらいの脳味噌をフルに回転させて、閃いた事を実行する為に持って出掛けたと言う訳だ!


 間違っても、乗って遊ぶ気で持って出掛けたのでは無いと、俺の名誉の為にもう一度だけ記しておく――大事な事なので二度記す。


 向かっている先は、この界隈では色んな意味で有名な自転車店だ。


 実際は読者しか知らないけども。


 天文台に等しい望遠鏡が屋根から覗いているのが目印で、電波なおやぢさんが有名。


  実際は読者しか知らないけども。


 そこの双子の娘さんがまぢ凄えのよ。って訳で、その自転車店に持ってきた俺。

 修理すれば、書いて字の如く猛り狂って走る。と言う言葉の意味通り、猛走妄想出来ると思ったからだ!


 単純だけど、良いんだそんなで!


「「いらっしゃいませ~」」

 噂をすればなんとやら、可憐な声で出迎えてくれた。

「うわっ、なにそれ⁉︎ 状態最悪じゃん! 廃車にすんの?」

 と、お客に対してはNGワードを平気で宣いながら、三輪車をジロジロ見る、存外、失敬な痛いピンクのメガネを掛けた超絶美少女。
 異国の人だろうか? 金髪碧眼でツインテール。
 ま、噂では聴いていたけども、声に容姿も電脳歌姫何処かの初音さんにそっくりと言うかまんま過ぎて怖いわ。

「あ、いえ……修理をお願いしたくて……」

「こんなの、修理する? 買い替えた方が早いって。ボクなら捨てるよ」

 失敬極まりない物言いで、自転車店にはお約束の買い替えアピール。

 名札は――未来みらいちゃんって言うのか。

 名前を読み替えると電脳歌姫のあの子だからあの初音さんだって!にそっくりって……ある意味で危険だろ? 各方面から苦情くるぞ?

「お、お姉ちゃん! す、すいません。アイが伺います」

 作業場――ピットでスポーツサイクルの修理をしていた、失敬な店員を姉と呼び、叱咤しながら駆け寄ってきた姉にそっくりな子が、俺に深々と頭を下げて謝罪をしてくれた。
 出来た妹さんか……見れば本当にそっくり――違った。


 たわわな果実がもの凄え破壊力だった!


 俺の元へ来る際に、ぷるんぷるんと暴れまくり。姉の方は――ぷ。ちっぱいなのにな。

「なにかボクの事で失礼な事を考えてなかったかな? 今さ、キュピーンって来た!」

 君はエスパーかな? 否、ニュータイプだな。
 しかし……なんだろう、凄く寒くなって呼吸も覚束ないんですけども。


 はっ⁉︎ これが恋! ――って、違うわ、阿呆か。


「お、お姉ちゃん! お客さんに殺気を放って威嚇するのは駄目だって言ったよアイは! ――本当にすいません!」

「アイは相変わらずだね~」


 殺気ってなに? 俺はお客だよね?


 ま、姉は置いておいて……妹さんはアイちゃんって言うのか。


 良し、熱烈な危ないファンになろうと!


「えーと、その三輪車を修理するで良いんですよね?」

「あ、はい。出来ますか?」

「正直に言うと、お姉ちゃんが言ったように買い替えた方が早いんですけど、事情があるんですよね?」

「あ、はい。色々と混み入った。まぢで有り得ない事情が――」

「解りました。アイが責任を持って、頑張って直します。安心して下さい」

 なんて良い子だ……惚れた! 俺、ヤバない?

「――でも、一つだけ伝えておきます」

 真剣な面持ちになり、俺をジッと見るアイちゃん――え? アイちゃんからアイの告白ですか? なんちゃって。

「この三輪車、良くないなにか。が憑いてますよ、きっと」

「あー、それボクも感じた。だから買い替えた方が良いって薦めたんだけど?」

 エスパーでもニュータイプでも無かった。
 霊能者さん、或いは新手のサギ商法――これは無いな、うん。

「どう言う事ですか?」

「えーと、なんて言えば良いやら……」

「単的に言えば、呪われてんじゃないの?」

「お、お姉ちゃん! 本当にすいません!」

「あ、いえ。お気になさらず……」

 未来ちゃんの的を射ている言葉に、不覚にも動揺してしまった俺――。


 決して、アイちゃんのたわわな果実がペコペコ謝る度に揺れるサマにでは無いと、俺の名誉の為に記しておく。


 なにかの抽選で当たった呪いの三輪車は、運の意味で言っても確かについているし、女神様のような天使様のフリをしたなにか。が憑いているもんな。


 ――上手いな。小説のネタに戴こう。
 

「あ、でも大切なので……」

「――解りました。でも、今日はお預りしますね。直ぐには難しいので」

「代車出そうか?」「お姉ちゃん!」


 三輪車に乗って帰る前提で弄るのやめて。


 双子の中心で阿呆かと心で叫ぶ俺だった――。


 ――――――――――
 気になる続きはあるのか?
 答えは広告の後で!(笑)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...