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第三ハ幕。

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『旦那様、もう間も無く村に到着しまス』

「了解だ、黒。――帰ったら仲間とゆっくり過ごすと良い。仲間内で積もる話もあるだろうし」

『有難う御座いまス。お言葉に甘えテ、そうさせて頂きますネ』

 褐色肌の女性と交代で馬車の御者ぎょしゃを遣ってくれていた黒が、和かに返事をした。
 隣の御者席に座る褐色肌の女性も、黒に倣って微笑み返してくれた。

 私は言わずもがな。紅にしても同様。
 馬の扱い、ましてや御者何て出来る訳も無く、その二人に任せっきりだった。
 村に戻ったら馬の扱いも教えて貰わないといかんな。

「紅はもう少し私に付き合ってくれ。村に着いたらする事が山程あるから」

「勿論、構わぬ。して主人よ。その後であれば……儂も何だ、その……あ、甘えさせて……も――くぅ~! 言うのが小っ恥ずかしいわ! あ、主人よ、察してくれ」

 身悶えながら一人騒ぐ紅。
 出逢った頃とは立場が逆っぽくなったな、うん。

「勿論、解ってるよ。私の最愛の妻さん」

 そう言って頬に軽く口付けしてあげた。

「くぅ~。やはり主人は中々にドSだの! 恥ずかし過ぎて儂は、もう死んでしまう! 駄目だ!」

『紅様……羨まし過ギ』『ホント』

 御者の二人にも微笑まれて、顔を真っ赤にしてそっぽを向く紅。
 最古の竜たる威厳の欠けらも無いのは如何なものかと。

「さて。私も一眠りさせて貰おう」

 そう言って身悶えてる紅を引っ捕まえて、膝枕をさせて更に辱める中々にドSな私。

 態度を軟化してくれている紅に対し、私にしても遠慮をしない様に努めている――。


 村に着いて直ぐ、皆で宿屋へと向かう。


「おや? 旦那、今日は大所帯ですな? 何かあってですかい?」

「実は旅先で――」

 宿店主に愛玩奴隷だったと言う点は伏せて、掻い摘んで事情を説明し、長旅で疲れているであろう子供達に食事と風呂、ゆっくりと休める部屋の提供を申し出る私。

「お安い御用でさ! 早速、取り掛かりますぜ! おーい、団体様ご案内だよ」

「はーい」「直ぐ行きます」
「団体様ですかぁ」「はいは~い」

 宿店主が奥の部屋に声を掛けると、給仕の女性がわらわらと出てきた。
 こんなに雇ってたんだと、少しばかり驚く私だったと付け加えておく。

「店主。もう一つ我儘を言って申し訳無いんだが、給仕の女性に頼んで、この子達の生活に必要な物を買い出しに行かせて貰えないだろうか? 諸々の代金と手間賃は別枠で支払うから」

「水臭いですぜ、旦那。懇意と言うか贔屓にしてもらってんですぜ? 断ったら罰が当たりやす。家内と娘に都合付けさせますぜ。お任せ下さいってね」

 嫌がる所か満面の笑みで張った胸をドンと叩き、力強い了承の返事をしてくれる宿店主。
 奥さん居たんだとか、娘さん居たんだとか、相手はドワーフなのだろうかとか、内心、気になってしまった私だったと付け加えておく。

「済まない、恩に着る」

 深々と頭を下げる私。
 ドワーフ族とは思えない、相変わらず気さくな宿店主に感謝した。

 快諾してくれた宿店主と給仕の女性達に子供達を任せ、子供達の護衛も兼ねて宿屋に残ってくれると進言してくれた黒達とも一旦別れる。

 そして私と紅は、村長宅を訪ねる事とした――。



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 気になる続きはCMの後!
 チャンネルは、そのまま!(笑)
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