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第二部 オタクと中二病。

二十二痛 頑なに真の魔王と仰る少女。

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 真野まの 真央まおしんである――。



 ――真偽はともかく、自称、真の魔王とほざきたおす、俺視点では中二病を患うただの痛い女子高生。

 現在十六歳の真野氏は、今をときめく読者モデルに超絶美人な芸能人も顔負けする、肌理きめの細かい色白美肌に九等身の我儘ボディ。

 染めているわけではない自然な栗色の長く艶々な髪は、どう拗らせたのか俺の知るところでは全くないのだが、今回はツンデレ標準のツインテール仕様。
 それも一人の家庭教師を巡ってラブコメな某お馬鹿な五つ子の四女のような、兎耳化した真っ赤なデカいリボンのあざとい仕様ときた。
 そんな元祖・二次元美少女もビックリな鉄板スタイルで纏めている。

 とにかく頭の構造中二病疾患を除き、顔良し、スタイル良し、性格良しの、誰から見ても素敵すぎる完璧超人なJKなのである。

 そのことは俺と接点を持った前回、延々と妙な漫才を繰り広げたやり取りで、最早、周知の事実――ま、そんな痛い御方である。


 それがまた、一体、どうしたのかって?
 だからそれを俺が聴きたい。


 実は今、そんな真野氏が性懲りもなく、前と同じく頭から角を生やし――ゲフンゲフン。それっぽいと言えなくもないアクセサリーを身につけているのに、態々、ツインテで隠す意味不明さで、目の前に唐突に湧い――ゲフンゲフン。現れたかと思えば、現実と虚実の区別もつかな――ゲフンゲフン。夢のある創作物語のようなわけの解らないないことを再び延々とほざい――ゲフンゲフン。語ってくれやがる、懲りずに良くもまぁと言った謎な状況に再び陥っているのですよ、うん。


 二度目の今度は天下の往来である学校の廊下ではなく、ご学友がチラホラと残っている放課後の教室のど真ん中で、人目を憚らず俺を引っ捕まえてガンガン毒電波を飛ばしていらっしゃるときた。

 こんな時、どんな顔のメガネ、クイッ! をすれば良いのだろうか?


 もう帰らせてもらって良いでしょうか?



 ――――――――――
 またしても中二病ってヤツは。
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