28 / 62
28
しおりを挟む
私はアトラスの笑顔を見ながら溜め息をつくしかなかった。
「そんなむくれないでよ。どれも似合ってたよ」
「それいつも聞いてる」
「だって似合ってたからね。ほら、もうすぐ美味しいタルトが食べられるよ」
「そうね。ランレイのお勧めなら間違いないものね」
私が仕方なく微笑むと、安堵したようにアトラスは笑った。
カフェは私でも知っている、敷居の高すぎる高級店だった。
貴族や富豪、裕福な選ばれた者しか入店を許されず、私達のような下級貴族は予約しないと入れない。
それも半年先まで予約で詰まっていると聞いている。
それに比べ上級貴族は顔パスだから、アトラスといっしょだったから、直ぐに入れた。
店内は、白を基調とした内装が施され、観葉植物が飾られ、花瓶には色とりどりの花が生けられている。
奥に机と椅子があり、硝子張りになった壁の外には簡易的なテラス席もある。
とても落ち着いた雰囲気だ。
左側には大きなショーケースが置かれていて、煌びやかな菓子が並んでいた。
「どうする?ここで食べて帰る?持ち帰る?」
「どっちも」
「そういうと思った」
アトラスはくすりと笑うと手を握った。
「見に行こうか」
「うん」
ショーケースの中は当然宝石のように美しいお菓子が並んでいた。
その美しさと繊細さに目を奪われてしまう。
どれを食べてもきっと美味しいに違いないだろう。
白桃の種を綺麗にくり抜き、中に生クリームを詰め込んだもの。
定番のいちごたっぷりのったタルト。キラキラとタルト生地が輝いているからきっと、バターと蜂蜜がたっぷり塗ってあるのだ。
白、ピンク、紫、と三層になったレアチーズケーキ。その上にふんだんに果物が零れるくらいに乗っている。
他にも、オレンジピールのクッキー、ぶどうのマカロン、木苺のパイ、ラズベリーとブルーベリーのジャムが入ったシュークリームなど、数え切れないほどの種類があった。
「迷っちゃうね」
「そうだね。全部買って帰ろうか?」
「本当に?」
凄く惹かれる提案だ。
「どうする?」
「うーん、全部はやめようかな。だって、そんな事したら次にくる楽しみが減っちゃうよ。また、連れてきてくれるでしょ?」
私がそう言いアトラスを見ると、アトラスは蠱惑的とも言えるような妖艶な微笑みを浮かべた。
「強請るルミナは可愛いな」
私は思わず赤面した。
「こ、こんなとこで何言うのよ」
「本当だよ」
「早く選ぼうよ」
私は恥ずかしさを隠すために、ショーケースに顔を戻した。
胸が高鳴る。アトラスと繋ぐ手が妙に熱く感じ、その手から伝わる鼓動が速くなっていく。
それが私のものかアトラスのものか分からないが、アトラスだったら嬉しいと思う自分がいた。
私に対していつもよりも感情が高ぶる様子に、私だけが特別なのだ、と錯覚に囚われる。
なんだが知らない気持ちがせり上がってくる。
くすぐったいような、もどかしいような、不思議な気持ちだ。
「これは、カーヴァン令息ではありませんか」
2人で選んでいると、不意に背後から声をかけられ振り向くと50代程の夫婦が立っていた。
アトラスを呼んだということは知り合いなのだろう、と思い見ると、超絶不機嫌な表情でアトラスは2人を睨んでいた。
現に夫婦は、表情が強ばり蒼白だ。
「無粋ですね。今、私がどのような状況かご存知でお声を掛けられたのですよね?」
アトラスは言葉は冷たく、苛立っていた。
「あなたは先々を読む事が出来ず周りを見れない。だから、今回の事業計画書が幾度も差し戻しになっているんですよ」
叩きつけるような冷淡な態度と口調でアトラスはそう言い放つと、お2人とも言葉を詰まらせた。
身なりからして上級貴族の方だ。
歳もかなり上だけど、この話を聞く限りカーヴァン家の事業に関わり、アトラスも関わっているという事だろう。
嫡男だから納得するが、この物言いはいただけない。
アトラスが冷たい視線を送ると、萎縮してしまい、顔色がますます悪くなる。
「アトラス、私、気にしてないよ。話を聞いて上げて」
要は私との時間を邪魔されて八つ当たりしているのだ。
私が優しくそう言うと、アトラスは私を見て微笑んだ。
それはまるで、先程までの態度が嘘かのように、優しい微笑みだった。
その様子にお2人とも驚きアトラスを珍獣かのように何度も瞬きして食い入るように見た。
そんなに驚く事だろうか、と首を傾げる。
「もし、宜しければご挨拶させて下さいませ」
媚を売るように、私を見ながら男性が言った。
アトラスの機嫌が私で変わったものだから、私に取り入りたいのかもしれない。
「ルミナは、どうなの?」
アトラスは私の方を向き、意見を求めてきた。
ここで拒否する理由もないし、何よりもこの毛を逆立てた猫のような状態のアトラスをどうにかしたい。
「勿論構いませんよ。では、私から」
「いいえ、私からでございます」
慌てて割り込むように男性が口を挟むが、絶対に私が先に名乗るべきだと思う。
貴族社会において、立場が低い者が先に名乗り、その名を聞いてから、相手は名乗るかどうか決める。
「お初にお目にかかります。私はイフ・マムと申します。隣にいるのが妻のマーナでございます」
綺麗な背筋のまま、深深と2人は頭を下げた。
その所作は洗練されていて、とても美しい。
洗練された身のこなしは、まさに上流階級の貴族だ。
その名前を聞いて、アトラスを見た。
ほらほらやっぱり上級貴族だよ。
マム、と言えば侯爵様だ。それもカーヴァン家とは親戚だ。
頭を上げ今か今かと、私の挨拶を待っているが、この流れで私の挨拶はしずらい。
「私が代わりにしようか?」
私に優しく問うアトラスの提案に少し考えたが、首を振った。
それは失礼だ。これから先また顔を合わせることもあるかもしれない。
「初めまして。私はルミナ・オルファと申します」
「オルファ、ですか?」
考えるように呟いたその言葉に、吹雪のような凍てつく風が吹き荒れるような雰囲気が流れた。
そして、全身に突き刺さるような鋭い眼差しでアトラスはマム夫妻を睨んだ。
「貴族の名、全てを把握されていないとは、随分と物覚えが悪いのですね。私よりも早く世に産まれた割には、どうも無駄に長生きをしているだけのようですが、そんなに長生きしたところで何になるのでしょうねぇ?」
辛辣な言葉に、夫婦の身体が震えている。
「子爵です」
これ以上は見てられない。
「私の恋人です」
私の言葉に被せるようにして、アトラスが言った途端、2人は血の気が引きよろけた。
運悪くアトラスに声を掛けたのが、恋人と楽しく過ごしている時で、運悪く知らない名前が、アトラスの恋人だった。
なんだか、可哀想になってきた。
「アトラス、私さっき言ったよね少し話を聞いて上げてよ。親戚の方との事業の話しなら尚更大事な話でしょ」
私がそう言うと、アトラスは不満げな顔をした。
「この方々は事業計画書の提出が明後日だから焦っているんだ。事業の内容にしても、予算にしても、あまりに杜撰な内容なのに、ご自分で解決しようせず他人の頭脳を頼ろうとする下賎な考えしかないのだ」
うわぁ、辛辣だわ。もう少し柔らかく言ってよ。
「そ、それは理解しております。そこをもう少し助言を戴きたいのです」
声は震えてはいたが、食い下がることが無い様子に本当に困っているのだと思った。
「だから、聞いて上げて、と言ってるでしょ。私は、ゆっくりケーキを選んでいるから大丈夫」
「ルミナがそう言うなら」
アトラスは渋々承諾すると、3人は少し離れた場所で話し合いを始めた。
お2人は感謝の目で私に会釈してくれた。
その様子を横目に、私はケーキを選び続けた。
「そんなむくれないでよ。どれも似合ってたよ」
「それいつも聞いてる」
「だって似合ってたからね。ほら、もうすぐ美味しいタルトが食べられるよ」
「そうね。ランレイのお勧めなら間違いないものね」
私が仕方なく微笑むと、安堵したようにアトラスは笑った。
カフェは私でも知っている、敷居の高すぎる高級店だった。
貴族や富豪、裕福な選ばれた者しか入店を許されず、私達のような下級貴族は予約しないと入れない。
それも半年先まで予約で詰まっていると聞いている。
それに比べ上級貴族は顔パスだから、アトラスといっしょだったから、直ぐに入れた。
店内は、白を基調とした内装が施され、観葉植物が飾られ、花瓶には色とりどりの花が生けられている。
奥に机と椅子があり、硝子張りになった壁の外には簡易的なテラス席もある。
とても落ち着いた雰囲気だ。
左側には大きなショーケースが置かれていて、煌びやかな菓子が並んでいた。
「どうする?ここで食べて帰る?持ち帰る?」
「どっちも」
「そういうと思った」
アトラスはくすりと笑うと手を握った。
「見に行こうか」
「うん」
ショーケースの中は当然宝石のように美しいお菓子が並んでいた。
その美しさと繊細さに目を奪われてしまう。
どれを食べてもきっと美味しいに違いないだろう。
白桃の種を綺麗にくり抜き、中に生クリームを詰め込んだもの。
定番のいちごたっぷりのったタルト。キラキラとタルト生地が輝いているからきっと、バターと蜂蜜がたっぷり塗ってあるのだ。
白、ピンク、紫、と三層になったレアチーズケーキ。その上にふんだんに果物が零れるくらいに乗っている。
他にも、オレンジピールのクッキー、ぶどうのマカロン、木苺のパイ、ラズベリーとブルーベリーのジャムが入ったシュークリームなど、数え切れないほどの種類があった。
「迷っちゃうね」
「そうだね。全部買って帰ろうか?」
「本当に?」
凄く惹かれる提案だ。
「どうする?」
「うーん、全部はやめようかな。だって、そんな事したら次にくる楽しみが減っちゃうよ。また、連れてきてくれるでしょ?」
私がそう言いアトラスを見ると、アトラスは蠱惑的とも言えるような妖艶な微笑みを浮かべた。
「強請るルミナは可愛いな」
私は思わず赤面した。
「こ、こんなとこで何言うのよ」
「本当だよ」
「早く選ぼうよ」
私は恥ずかしさを隠すために、ショーケースに顔を戻した。
胸が高鳴る。アトラスと繋ぐ手が妙に熱く感じ、その手から伝わる鼓動が速くなっていく。
それが私のものかアトラスのものか分からないが、アトラスだったら嬉しいと思う自分がいた。
私に対していつもよりも感情が高ぶる様子に、私だけが特別なのだ、と錯覚に囚われる。
なんだが知らない気持ちがせり上がってくる。
くすぐったいような、もどかしいような、不思議な気持ちだ。
「これは、カーヴァン令息ではありませんか」
2人で選んでいると、不意に背後から声をかけられ振り向くと50代程の夫婦が立っていた。
アトラスを呼んだということは知り合いなのだろう、と思い見ると、超絶不機嫌な表情でアトラスは2人を睨んでいた。
現に夫婦は、表情が強ばり蒼白だ。
「無粋ですね。今、私がどのような状況かご存知でお声を掛けられたのですよね?」
アトラスは言葉は冷たく、苛立っていた。
「あなたは先々を読む事が出来ず周りを見れない。だから、今回の事業計画書が幾度も差し戻しになっているんですよ」
叩きつけるような冷淡な態度と口調でアトラスはそう言い放つと、お2人とも言葉を詰まらせた。
身なりからして上級貴族の方だ。
歳もかなり上だけど、この話を聞く限りカーヴァン家の事業に関わり、アトラスも関わっているという事だろう。
嫡男だから納得するが、この物言いはいただけない。
アトラスが冷たい視線を送ると、萎縮してしまい、顔色がますます悪くなる。
「アトラス、私、気にしてないよ。話を聞いて上げて」
要は私との時間を邪魔されて八つ当たりしているのだ。
私が優しくそう言うと、アトラスは私を見て微笑んだ。
それはまるで、先程までの態度が嘘かのように、優しい微笑みだった。
その様子にお2人とも驚きアトラスを珍獣かのように何度も瞬きして食い入るように見た。
そんなに驚く事だろうか、と首を傾げる。
「もし、宜しければご挨拶させて下さいませ」
媚を売るように、私を見ながら男性が言った。
アトラスの機嫌が私で変わったものだから、私に取り入りたいのかもしれない。
「ルミナは、どうなの?」
アトラスは私の方を向き、意見を求めてきた。
ここで拒否する理由もないし、何よりもこの毛を逆立てた猫のような状態のアトラスをどうにかしたい。
「勿論構いませんよ。では、私から」
「いいえ、私からでございます」
慌てて割り込むように男性が口を挟むが、絶対に私が先に名乗るべきだと思う。
貴族社会において、立場が低い者が先に名乗り、その名を聞いてから、相手は名乗るかどうか決める。
「お初にお目にかかります。私はイフ・マムと申します。隣にいるのが妻のマーナでございます」
綺麗な背筋のまま、深深と2人は頭を下げた。
その所作は洗練されていて、とても美しい。
洗練された身のこなしは、まさに上流階級の貴族だ。
その名前を聞いて、アトラスを見た。
ほらほらやっぱり上級貴族だよ。
マム、と言えば侯爵様だ。それもカーヴァン家とは親戚だ。
頭を上げ今か今かと、私の挨拶を待っているが、この流れで私の挨拶はしずらい。
「私が代わりにしようか?」
私に優しく問うアトラスの提案に少し考えたが、首を振った。
それは失礼だ。これから先また顔を合わせることもあるかもしれない。
「初めまして。私はルミナ・オルファと申します」
「オルファ、ですか?」
考えるように呟いたその言葉に、吹雪のような凍てつく風が吹き荒れるような雰囲気が流れた。
そして、全身に突き刺さるような鋭い眼差しでアトラスはマム夫妻を睨んだ。
「貴族の名、全てを把握されていないとは、随分と物覚えが悪いのですね。私よりも早く世に産まれた割には、どうも無駄に長生きをしているだけのようですが、そんなに長生きしたところで何になるのでしょうねぇ?」
辛辣な言葉に、夫婦の身体が震えている。
「子爵です」
これ以上は見てられない。
「私の恋人です」
私の言葉に被せるようにして、アトラスが言った途端、2人は血の気が引きよろけた。
運悪くアトラスに声を掛けたのが、恋人と楽しく過ごしている時で、運悪く知らない名前が、アトラスの恋人だった。
なんだか、可哀想になってきた。
「アトラス、私さっき言ったよね少し話を聞いて上げてよ。親戚の方との事業の話しなら尚更大事な話でしょ」
私がそう言うと、アトラスは不満げな顔をした。
「この方々は事業計画書の提出が明後日だから焦っているんだ。事業の内容にしても、予算にしても、あまりに杜撰な内容なのに、ご自分で解決しようせず他人の頭脳を頼ろうとする下賎な考えしかないのだ」
うわぁ、辛辣だわ。もう少し柔らかく言ってよ。
「そ、それは理解しております。そこをもう少し助言を戴きたいのです」
声は震えてはいたが、食い下がることが無い様子に本当に困っているのだと思った。
「だから、聞いて上げて、と言ってるでしょ。私は、ゆっくりケーキを選んでいるから大丈夫」
「ルミナがそう言うなら」
アトラスは渋々承諾すると、3人は少し離れた場所で話し合いを始めた。
お2人は感謝の目で私に会釈してくれた。
その様子を横目に、私はケーキを選び続けた。
22
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
セーブポイントに設定された幸薄令嬢は、英雄騎士様にいつの間にか執着されています。
待鳥園子
恋愛
オブライエン侯爵令嬢レティシアは城中にある洋服箪笥の中で、悲しみに暮れて隠れるように泣いていた。
箪笥の扉をいきなり開けたのは、冒険者のパーティの三人。彼らはレティシアが自分たちの『セーブポイント』に設定されているため、自分たちがSSランクへ昇級するまでは夜に一度会いに行きたいと頼む。
落ち込むしかない状況の気晴らしにと、戸惑いながらも彼らの要望を受け入れることにしたレティシアは、やがて三人の中の一人で心優しい聖騎士イーサンに惹かれるようになる。
侯爵家の血を繋ぐためには冒険者の彼とは結婚出来ないために遠ざけて諦めようとすると、イーサンはレティシアへの執着心を剥き出しにするようになって!?
幼い頃から幸が薄い人生を歩んできた貴族令嬢が、スパダリ過ぎる聖騎士に溺愛されて幸せになる話。
※完結まで毎日投稿です。
親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語
石のやっさん
恋愛
同世代の輪から浮いていた和也は、村の権力者の息子正一より、とうとう、その輪のなから外されてしまった。幼馴染もかっての婚約者芽瑠も全員正一の物ので、そこに居場所が無いと悟った和也はそれを受け入れる事にした。
本来なら絶望的な状況の筈だが……和也の顔は笑っていた。
『勇者からの追放物』を書く時にに集めた資料を基に異世界でなくどこかの日本にありそうな架空な場所での物語を書いてみました。
「25周年アニバーサリーカップ」出展にあたり 主人公の年齢を25歳 ヒロインの年齢を30歳にしました。
カクヨムでカクヨムコン10に応募して中間突破した作品を加筆修正した作品です。
大きく物語は変わりませんが、所々、加筆修正が入ります。
身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される
絵麻
恋愛
桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。
父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。
理由は多額の結納金を手に入れるため。
相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。
放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。
地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。
【完結】前世の記憶があっても役に立たないんですが!
kana
恋愛
前世を思い出したのは階段からの落下中。
絶体絶命のピンチも自力で乗り切ったアリシア。
ここはゲームの世界なのか、ただの転生なのかも分からない。
前世を思い出したことで変わったのは性格だけ。
チートともないけど前向きな性格で我が道を行くアリシア。
そんな時ヒロイン?登場でピンチに・・・
ユルい設定になっています。
作者の力不足はお許しください。
わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない
鈴宮(すずみや)
恋愛
孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。
しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。
その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる