36 / 44
一章 憎しみの魔女
36話 魔女の生まれた日(2)
しおりを挟む
おい、なんだあれ……。
なッ……おい! すぐ、人呼んでこい!
こいつはひでぇ……嬢ちゃん怪我は……ひっ!
お前ッ! こっちへこい!!
さっきから俺の周りがやけにうるさかった。慌ただしく走り回る音と小さな悲鳴が聞こえる。
誰かが力強く俺の腕を引っ張って、どこかへと引きずっていく。
掴まれた腕に痛みがあっても、全身に力が入らず抵抗する気も起きなかった。
次第に遠くなっていくマーヤから、俺は目を離せないでいた。
* * *
「……ここは……」
気付いた時には冷たく硬い洞穴に居た。
奥行きは大人が寝そべるには少々狭いぐらいの広さで、岩を削った縦穴だ。
外の景色が見える方には、木材を格子状に組み込まれた壁になっている。洞穴に作られた牢屋なのだと遅れて気付いた。
なんで牢屋に……?
格子の隙間からは村が見える。ここは村から少し離れた所にあるようだ。
出入り口の近くには、槍を地面に突き立てた男が、背を向けて立っていた。
背後から覗き見た男の表情は険しく、村の方向を見据えている。
「あの……」
俺の声に気づいた男が肩越しに俺を一瞥すると、何も言わずスタスタとどこかへ行ってしまった。
ズキン――
急に酷い頭痛がして顔を抑える。手が触れた頬が、湿っているのが分かった。
俺、泣いてる……?
ほんの少し前のことが、記憶に霧が掛かったように曖昧だ。
たしかマーヤに連れられて花畑に行って、そこで野犬に出会して……そうだ、マーヤは……死――。
「やっと言葉を話せるようになったか」
突然聞こえたしゃがれ声に思考を遮られた。驚いて顔を上げると、先程離れていった男と杖をついた老人が、俺を見下ろしていた。
老いにより窪んだ目の奥、小さな瞳と目が合うと、鋭く俺を睨んでいた。
「あなたは……?」
「――マーヤを殺したのはお前じゃな」
「……え?」
俺の質問には答えず、老人は静かにそう言った。
このお爺さんは何を言っているんだ……? 俺がマーヤを……? 何を馬鹿なことを言っているんだ。
「……花畑を見てきた。あれは邪悪な儀式の痕跡じゃ」
「邪悪なって……何を言ってるのか全然――」
老人がくわっと目を見開き、叫ぶ。
「――お前は、野犬とマーヤの命を使い、恐ろしい災厄を呼び起こす、儀式を行っていたんじゃろうッ!!」
老人の言いぶりは、耄碌しているとしか思えなかった。
凄まじい剣幕で怒鳴られて何も言えずにいると、さらに老人は言葉を続けた。
「子供一人が、野犬三匹を相手に焼き殺すなど不可能だッ!! 清く若い娘の命を奪って何を企んでおるッ!!」
「ふ、ふざけるなッ!! 俺はそんな事はしていな――」
「黙れ魔女ッッ!!」
老人は格子の隙間から腕を伸ばし、俺の胸元を掴んで引き寄せた。
「半年ほど前から隣町では、原因不明の流行病が出ておるッ!! お前ら家族がこの村に来たのも同じ頃だったッ!! お前がその邪悪な儀式を行う魔女じゃろう!!」
く、苦しい……息が……できない……。
骨張った腕に触れて、離れようとするが思うように力は入らず、その肌に爪を立てるぐらいしかできなかった。
徐々に視界が霞んでいき、老人の姿が揺れていく。怒鳴り声もだんだんと聞こえなくなっていった。
「お前ごと……もろとも……に……」
老人の言葉を聞き終わる前に、俺は意識を失っていた。
* * *
「……ゲホッ! ゴホッ! うぇ……」
突然、顔面に冷たさと息苦しさを感じて、目が覚めた。
前髪が顔に張り付いて気持ちが悪い。滴り落ちる水滴を見て、水を掛けられたのだと思った。
濡れた顔を拭おうとするが腕が動かない。見ると両腕を後ろに回され、縄か何かで縛られていた。
縄は胴体にもキツく巻かれており、息をすると腹苦しさがある。
視線は普段よりも随分と高い。大人の男たちが俺を見上げて、怪訝な表情を浮かべている。
足は宙に浮き、自分の背後には大きな木の柱があった。
「――レイラッ!! レイラッ!」
おそらく俺を呼んでいるのだろう。今はレイラという少女なことを自覚していた俺は、声のする方へ顔を向ける。
俺の左隣には、同じように腕と体を縛られて、木の柱に括られた二人の男女がいた。
『おかあさん……おとうさん……』
頭の中に少女の声が聞こえた。この人たちはレイラという女の子の両親なのか?
女性の方は赤い髪に細身の体型で、鏡に映った自分の姿に似ている気がする。
「レイラッ! 待っていろすぐに助けてやるからなッ!! ぬぅォオオ……ッ!!」
女性のさらに隣にいる男性――おそらくレイラの父親であろう人が、腕に力を込めて縄を千切ろうとしている。
こめかみに血管が浮き出るほど力んでいたが、縄は軋むだけで千切れはしなかった。
「――家族の最後の団欒は済んだか?」
「くっ……!! 村長、これは一体どういうことです!!」
杖をつきながらゆっくりとした動作で歩み寄ってきたのは、先程牢屋で会った老人。彼がこの村の村長だったらしい。
と、言う事はここは俺の故郷ではない、どこか別の村ということになる。
「どういうも何も、お前たち魔女の一族を根絶やしにするだけじゃよ」
「私たち魔女なんかじゃありません!! そんなのは迷信ですッ!」
「黙らんかッ!! そうやって他の村や町を転々とし、災厄を振り撒いて来たのだろう?! ワシらは騙されんぞ!!」
村長は杖で地面を叩き、怒りを露わにする。周囲にいる村人からも同様に、俺たちへ向けられるのは憎しみと恐怖の眼差しだった。
「さぁ! 今こそ業火によって、この悪しき者たちに制裁をッ!!」
村長の掛け声に合わせて、二人の男が松明に火を灯す。俺たち三人には、桶に入った液体が投げ掛けられた。
「ぶぁっ!! ゲホッ!!」
なんだこれ? ただの水じゃない?
その液体は妙に甘くべったりとした粘性があり、独特な香りを放っている。
「樹液じゃ。しっかりと燃えるように、な」
煌々と燃える松明の火が、レイラの父と母に近づけられる。
「いや、やめて……お願いします……」
「クソッ!! クソッ!!……クソッタレがァアッ!!」
『母は目を見開き怯え、父は怒り吠える』
「……やめろ……」
燃ゆる火が『私の眼前で、二人に掛けられた』。
とても人から出る声とは思えない絶叫が村に響き渡る。
心音と呼吸は徐々に早まり、口内はカラカラに乾いていく。
「やめろぉおおッ!!」
誰かの声と重なった時、俺の意識はプツンと途絶えた。
* * *
再び目が覚めたとき、目の前は火の海になっていた。
村の建物は燃え崩れ、地面は抉られている。そして、そこら中に倒れる人々はピクリとも動かない。
この狭い村の中で、立っているのは自分だけだった。
「一体なにが……これは……?」
パチパチと火の音が四方から聞こえる。崩れた家の音で一瞬、身が竦んだ。
そうだ……レイラのお父さんとお母さんは……?
ぐるりと周囲を見回すと、背後に地面から突き出した三本の柱があった。
それは先ほどまで俺が括られていた柱。隣には両親がいたはずだ。
「『お父さんッ! お母さ……ん……』」
柱に括られた二人は、首を傾けて微動だにしない。
衣服は焼け焦げて、体は赤黒く染まっていた。
もはや誰かも判別出来ないほど、変わり果てた姿の二人に、言葉は出てこなかった。
「ぅ……ぅう……」
声の代わりに出たのは、腹の底から込み上げるような嗚咽。そして――
「あぁああああああああああぁあぁあああああッッ!!!!」
――まるで獣のような叫び声だった。
なッ……おい! すぐ、人呼んでこい!
こいつはひでぇ……嬢ちゃん怪我は……ひっ!
お前ッ! こっちへこい!!
さっきから俺の周りがやけにうるさかった。慌ただしく走り回る音と小さな悲鳴が聞こえる。
誰かが力強く俺の腕を引っ張って、どこかへと引きずっていく。
掴まれた腕に痛みがあっても、全身に力が入らず抵抗する気も起きなかった。
次第に遠くなっていくマーヤから、俺は目を離せないでいた。
* * *
「……ここは……」
気付いた時には冷たく硬い洞穴に居た。
奥行きは大人が寝そべるには少々狭いぐらいの広さで、岩を削った縦穴だ。
外の景色が見える方には、木材を格子状に組み込まれた壁になっている。洞穴に作られた牢屋なのだと遅れて気付いた。
なんで牢屋に……?
格子の隙間からは村が見える。ここは村から少し離れた所にあるようだ。
出入り口の近くには、槍を地面に突き立てた男が、背を向けて立っていた。
背後から覗き見た男の表情は険しく、村の方向を見据えている。
「あの……」
俺の声に気づいた男が肩越しに俺を一瞥すると、何も言わずスタスタとどこかへ行ってしまった。
ズキン――
急に酷い頭痛がして顔を抑える。手が触れた頬が、湿っているのが分かった。
俺、泣いてる……?
ほんの少し前のことが、記憶に霧が掛かったように曖昧だ。
たしかマーヤに連れられて花畑に行って、そこで野犬に出会して……そうだ、マーヤは……死――。
「やっと言葉を話せるようになったか」
突然聞こえたしゃがれ声に思考を遮られた。驚いて顔を上げると、先程離れていった男と杖をついた老人が、俺を見下ろしていた。
老いにより窪んだ目の奥、小さな瞳と目が合うと、鋭く俺を睨んでいた。
「あなたは……?」
「――マーヤを殺したのはお前じゃな」
「……え?」
俺の質問には答えず、老人は静かにそう言った。
このお爺さんは何を言っているんだ……? 俺がマーヤを……? 何を馬鹿なことを言っているんだ。
「……花畑を見てきた。あれは邪悪な儀式の痕跡じゃ」
「邪悪なって……何を言ってるのか全然――」
老人がくわっと目を見開き、叫ぶ。
「――お前は、野犬とマーヤの命を使い、恐ろしい災厄を呼び起こす、儀式を行っていたんじゃろうッ!!」
老人の言いぶりは、耄碌しているとしか思えなかった。
凄まじい剣幕で怒鳴られて何も言えずにいると、さらに老人は言葉を続けた。
「子供一人が、野犬三匹を相手に焼き殺すなど不可能だッ!! 清く若い娘の命を奪って何を企んでおるッ!!」
「ふ、ふざけるなッ!! 俺はそんな事はしていな――」
「黙れ魔女ッッ!!」
老人は格子の隙間から腕を伸ばし、俺の胸元を掴んで引き寄せた。
「半年ほど前から隣町では、原因不明の流行病が出ておるッ!! お前ら家族がこの村に来たのも同じ頃だったッ!! お前がその邪悪な儀式を行う魔女じゃろう!!」
く、苦しい……息が……できない……。
骨張った腕に触れて、離れようとするが思うように力は入らず、その肌に爪を立てるぐらいしかできなかった。
徐々に視界が霞んでいき、老人の姿が揺れていく。怒鳴り声もだんだんと聞こえなくなっていった。
「お前ごと……もろとも……に……」
老人の言葉を聞き終わる前に、俺は意識を失っていた。
* * *
「……ゲホッ! ゴホッ! うぇ……」
突然、顔面に冷たさと息苦しさを感じて、目が覚めた。
前髪が顔に張り付いて気持ちが悪い。滴り落ちる水滴を見て、水を掛けられたのだと思った。
濡れた顔を拭おうとするが腕が動かない。見ると両腕を後ろに回され、縄か何かで縛られていた。
縄は胴体にもキツく巻かれており、息をすると腹苦しさがある。
視線は普段よりも随分と高い。大人の男たちが俺を見上げて、怪訝な表情を浮かべている。
足は宙に浮き、自分の背後には大きな木の柱があった。
「――レイラッ!! レイラッ!」
おそらく俺を呼んでいるのだろう。今はレイラという少女なことを自覚していた俺は、声のする方へ顔を向ける。
俺の左隣には、同じように腕と体を縛られて、木の柱に括られた二人の男女がいた。
『おかあさん……おとうさん……』
頭の中に少女の声が聞こえた。この人たちはレイラという女の子の両親なのか?
女性の方は赤い髪に細身の体型で、鏡に映った自分の姿に似ている気がする。
「レイラッ! 待っていろすぐに助けてやるからなッ!! ぬぅォオオ……ッ!!」
女性のさらに隣にいる男性――おそらくレイラの父親であろう人が、腕に力を込めて縄を千切ろうとしている。
こめかみに血管が浮き出るほど力んでいたが、縄は軋むだけで千切れはしなかった。
「――家族の最後の団欒は済んだか?」
「くっ……!! 村長、これは一体どういうことです!!」
杖をつきながらゆっくりとした動作で歩み寄ってきたのは、先程牢屋で会った老人。彼がこの村の村長だったらしい。
と、言う事はここは俺の故郷ではない、どこか別の村ということになる。
「どういうも何も、お前たち魔女の一族を根絶やしにするだけじゃよ」
「私たち魔女なんかじゃありません!! そんなのは迷信ですッ!」
「黙らんかッ!! そうやって他の村や町を転々とし、災厄を振り撒いて来たのだろう?! ワシらは騙されんぞ!!」
村長は杖で地面を叩き、怒りを露わにする。周囲にいる村人からも同様に、俺たちへ向けられるのは憎しみと恐怖の眼差しだった。
「さぁ! 今こそ業火によって、この悪しき者たちに制裁をッ!!」
村長の掛け声に合わせて、二人の男が松明に火を灯す。俺たち三人には、桶に入った液体が投げ掛けられた。
「ぶぁっ!! ゲホッ!!」
なんだこれ? ただの水じゃない?
その液体は妙に甘くべったりとした粘性があり、独特な香りを放っている。
「樹液じゃ。しっかりと燃えるように、な」
煌々と燃える松明の火が、レイラの父と母に近づけられる。
「いや、やめて……お願いします……」
「クソッ!! クソッ!!……クソッタレがァアッ!!」
『母は目を見開き怯え、父は怒り吠える』
「……やめろ……」
燃ゆる火が『私の眼前で、二人に掛けられた』。
とても人から出る声とは思えない絶叫が村に響き渡る。
心音と呼吸は徐々に早まり、口内はカラカラに乾いていく。
「やめろぉおおッ!!」
誰かの声と重なった時、俺の意識はプツンと途絶えた。
* * *
再び目が覚めたとき、目の前は火の海になっていた。
村の建物は燃え崩れ、地面は抉られている。そして、そこら中に倒れる人々はピクリとも動かない。
この狭い村の中で、立っているのは自分だけだった。
「一体なにが……これは……?」
パチパチと火の音が四方から聞こえる。崩れた家の音で一瞬、身が竦んだ。
そうだ……レイラのお父さんとお母さんは……?
ぐるりと周囲を見回すと、背後に地面から突き出した三本の柱があった。
それは先ほどまで俺が括られていた柱。隣には両親がいたはずだ。
「『お父さんッ! お母さ……ん……』」
柱に括られた二人は、首を傾けて微動だにしない。
衣服は焼け焦げて、体は赤黒く染まっていた。
もはや誰かも判別出来ないほど、変わり果てた姿の二人に、言葉は出てこなかった。
「ぅ……ぅう……」
声の代わりに出たのは、腹の底から込み上げるような嗚咽。そして――
「あぁああああああああああぁあぁあああああッッ!!!!」
――まるで獣のような叫び声だった。
0
あなたにおすすめの小説
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティで「外れスキル」と蔑まれ、雑用係としてこき使われていた錬金術師のアルト。ある日、リーダーの身勝手な失敗の責任を全て押し付けられ、無一文でパーティから追放されてしまう。
絶望の中、流れ着いた辺境の町で、彼は偶然にも伝説の素材【神の涙】を発見。これまで役立たずと言われたスキル【アイテム錬成】が、実は神の素材を扱える唯一無二のチート能力だと知る。
辺境で小さな工房を開いたアルトの元には、彼の作る規格外のアイテムを求めて、なぜか聖女や竜王(美少女の姿)まで訪れるようになり、賑やかで幸せな日々が始まる。
一方、アルトを失った元パーティは没落の一途を辿り、今更になって彼に復帰を懇願してくるが――。「もう、遅いんです」
これは、不遇だった青年が本当の居場所を見つける、ほのぼの工房ライフ&ときどき追放ざまぁファンタジー!
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる