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2章 王城と私
02 憧れのキャスリーン様
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「皆の者、今宵は新年を祝う席に集まってくれて大変うれしく思う。皆も記憶に新しいと思うが、昨年の晩夏、隣国との戦争が我々の勝利で終結した。大変喜ばしい出来事である。これより数十年は戦争がないであろう。平和な世に私も喜ばしく思う。さて、早速だが、今夜は王家より重大な発表があるので心して聞くように。子供らよ、前へ」
陛下は、会場上段のバルコニーから続く階段を見る。階段の上から順に王子達が3人並ぶ。1番下は王女様だ。
ん?
ん? ん?
あれってアレクじゃん! え~?
階段の上から3番目にアレクがいる。私はびっくりした顔でドーンを振り返り小さく指を指す。
するとドーンはうんと頷いた。
マジですか!
「今回、私は終戦に伴い後継を決定した。次期国王は第1王子のミハエルである。今後、皇太子として私の職務を手伝ってもらうので、皆はその様によろしく頼むぞ。他の王子と王女は王位継承権を放棄した。今後は、兄のミハエルを支える礎になろう」
陛下のドッキリ発言に、会場は盛大な拍手で沸いた。
ドキドキドキ。私はパチンパチンと空拍手だ。
でもやっとモヤモヤが繋がった。
ドーンがなぜかアレクに礼をしていた事。ドーンに先生と言っていた事。それに本人が新年にわかるって言っていたアノ秘密。
秘密どころの騒ぎじゃない。マジですか… 私めっちゃ不敬な事連発してない? 大丈夫か? 大丈夫だよね? 仕事だもんね? え~、どうしよう。
「団長、大丈夫です」
後ろからそっとドーンが囁く。
びっくりした~、エスパーかよ!
「今宵は王子の婚約者候補も集まってくれているだろう? ようやくミハエルも決断したようだ。夜会の最後に正式な婚約者を発表する。では、皆の者楽しんでくれ!」
ザワザワと会場が盛り上がっている。年頃のご令嬢達はみんな浮き足立っている。ハンターの様な目付きだ。
「ドーン。私、不敬罪で牢屋行き?」
「ははは、やっぱり。変な事を考えていると思いましたよ。問題なしです」
「そう? 信じるよ? 絶対だよね?」
「はいはい。では、料理コーナーへ行きましょうか? 今なら、と言うか、今日は誰も料理には見向きもしないでしょうから。貸切状態ですよ、きっと」
「うん、そうね。それがいいわ」
私とドーンは後方の料理の方へ向かう。一方、階段近くはご令嬢の団子状態だった。キャ~キャ~と黄色い声が木霊している。
「第一王子ってどこにいたの? そう言えば今まで見た事ないかも」
「あぁ、ご遊学? いい歳して外国を渡り歩いていた様ですよ?」
「しぃ~。ドーン! 言葉選んでよ! 誰が聞いてるかわからないのに!」
「本当の事です。それに私は陛下のお世話もしましたし、王子達の剣の講師でもありますので。多少の事は構いません」
「げっ。またしてもすごい過去を平気で… ドーン。やっぱりあなたが可哀想になって来たわ。私なんかの下で」
「私は今、人生で一番充実しています。自分で選んだ仕事を謳歌中です。団長はわたしなんかなどと言わないで下さい」
「そう? もう、何が何だか… 一気に疲れたわ。何かさっぱりした物を食べたいな」
「そうですね」
ドーンが言っていたように、料理コーナーは誰も居なかった。
「これと、これ。あと、このカルパッチョを多めでお願いします」
ウェイターの人にお願いして、改めて階段付近を振り返る。
アレクは相変わらず無表情だな。冷めた視線で令嬢達を射殺している。射殺す? でも案外ご令嬢達も『うふ~』『いや~ん』と腰砕けになってるから、あれはあれでいいのか。
第2王子様はサラッと営業スマイルでご令嬢達をさばいている。慣れた感じだね。王女様は男性達に囲まれてクネクネ。あ~、そう言うタイプか。
「ん! この白魚うまっ! ドーン、これヤバいから食べた方がいいよ?」
「ん? これですか?」
「うん。すごいね~、王城の料理人。第7に来てくれないかな?」
「ふふふ、それはどうでしょう? 団長は第7にはあと1月も居られないんですよ? 次の職場の食堂は王城内ですから次を期待しては?」
「そうだった! そうだね。やっと、次の楽しみが出来た。は~、気が重すぎて… 食堂に入り浸りそう」
「ははは、仕事はしましょうね」
「はいはい、ソウデスネー」
2人で料理を食べながらまったりと話していたら、総団長の御一行がこちらへやって来る。うえ~。
「総団長」
と、私は今夜はドレスなのでカーテシーで礼をした。
「ん? ラモンか? お? いや~、見違えたな。とてもキレイだ」
「ありがとうございます」
「ドーンも。お前達こんな隅で何をしている?」
「お腹が空いたので… 避難してました」
「ぷはっ。避難か。ま~、お前は興味はないか」
と、総団長は後ろのあのお嬢様軍団を指差す。
「興味がないと言うか、無縁かと」
「ははは。それより騎士団の編成の発表だが、この後、貴族達の陛下への挨拶が終わったらあるらしい。ラモン、帰るなよ?」
「帰りませんよ! 今日は団長の腕章も着けていますし… 逆に帰ったら変な目で見られてしまいます!」
「ねぇ! そろそろいいかしら?」
総団長にポカポカと抗議をしていたら、ひょこっとロリ? 同い年ぐらいの、前世で言うゴスロリ系のお嬢様が顔を出した。
誰だろう? スナッチ副団長をチラッと見るが無視。まぁそっか。さっきも今も無言だしね。
「初めまして。騎士団団長のラモンです。いつも総団長にはお世話になっております。総団長のお嬢様でしょうか?」
「「「「はぁ?」」」」
そこに居た全員の片眉が上がっている。違うの?
「え? 失礼しました。では、誰だろう… あ、愛人とか?」
「バカ! 愛人連れてくる王族とかないわ。本当にバカだな」
ようやく喋ったと思ったら、スナッチ副団長はバカしか言わない。ムカつくな。
「ふふ、ふふ。あはははは。ひ~、ごめんなさいね。あなたいい子ね。私はキャスリーンよ。第3魔法士団副団長をやっているわ」
ま、まさかのキャスリーン様! 妖艶な美魔女の噂はどこへ? てか、若っ! ドーンと本当に同期?
「キャ、キャスリーンしゃま! し、失礼しました」
シュタッ。思わず敬礼をしてしまう、小心者の私。
「あはは、面白いわね。ドレスなのに敬礼とか。ドーンが気にかける子が居ると聞いてハドラー様に着いて来たの。ふ~ん」
と、キャスリーン様は私を上から下まで只今スキャン中です。
「キャスリーン。いい加減にしろ」
「あら? ドーン、殺気を飛ばさないでよ。ラモンちゃん? そのドレス、クリス商会じゃない?」
「え? ドレス… はい、そうですが?」
「ぷぷぷ。そう言う事ね。何ヶ月か前にドーンに聞かれたのよ。『クリス商会のドレスの相場ってどのくらいだ』 ってね」
「おい」
「ほほぉ~」
ニヤニヤと総団長とキャスリーン様がドーンを見ている。てか、そんな事、キャスリーン様に聞いたの? もう、ドーンったら。
「それは… 私が至らないばかりに、ドーンにワガママを言いまして。その節はお手数をおかけしました」
私の事だし一応礼をする。ごめん、ドーン恥かかせて。
「あらあら~、『ドーン?』。本当に仲がいいのね。ドーンが嫌な顔しないなんて」
「そうだろ? 面白いだろ? あのドーンだぜ?」
2人で私をジロジロ見ながらニヤニヤする。何なんだ。居辛いんですけど。
「もういいだろう。挨拶は済ませたんだ、あっちへ行け」
おいおい、ドーンさん。いくら何でもそんな言い方…
「まぁ! 私達には相変わらず冷たいのね。まぁ、いいわ。いいもの見れたし。次は王城へ戻るんでしょう? その内また会えるでしょうし。ね? ラモンちゃん?」
「ええ。はい」
「仲良くしましょうね。またね」
噂とはちょっと違ったキャスリーン様がウキウキで退場した。
「じゃぁ、私も行くよ。またな、ラモンとドーン」
「はい。また後程」
総団長は上機嫌、スナッチ副団長は最後に『ば~か』と口パクして向こうへ行った。
「腹たつな、スナッチ副団長」
「あれは直にわかるでしょうが、口は悪いですが総団長を敬愛していますので」
「うわ~そうなんだ。じゃぁ、スナッチ副団長の前では余計な事言えないね」
「それがよろしいかと」
はぁ~。次から次に。心臓がもたない。
でも、今日は王族主催のパーティーだし。まだ、何かありそう…
「ねぇ、ドーン。ドキドキの連続で… もう体力が限界かも。もうないよね?」
「まだ始まったばかりですよ? ふふふ。極力ココで大人しくしていましょう」
「うんうん、そうしよう」
私は深呼吸して、カルパッチョの続きを堪能する。もうしばらくは誰も来ないでね。ちょっと落ち着きたい。
「やぁ! 団長ちゃん!」
いきなり笑顔で現れたのはトリス達だった。
って、トリスとあなた達!!!
ぐすん。しばらくでいいから放っておいてよ。頼むよ~。
陛下は、会場上段のバルコニーから続く階段を見る。階段の上から順に王子達が3人並ぶ。1番下は王女様だ。
ん?
ん? ん?
あれってアレクじゃん! え~?
階段の上から3番目にアレクがいる。私はびっくりした顔でドーンを振り返り小さく指を指す。
するとドーンはうんと頷いた。
マジですか!
「今回、私は終戦に伴い後継を決定した。次期国王は第1王子のミハエルである。今後、皇太子として私の職務を手伝ってもらうので、皆はその様によろしく頼むぞ。他の王子と王女は王位継承権を放棄した。今後は、兄のミハエルを支える礎になろう」
陛下のドッキリ発言に、会場は盛大な拍手で沸いた。
ドキドキドキ。私はパチンパチンと空拍手だ。
でもやっとモヤモヤが繋がった。
ドーンがなぜかアレクに礼をしていた事。ドーンに先生と言っていた事。それに本人が新年にわかるって言っていたアノ秘密。
秘密どころの騒ぎじゃない。マジですか… 私めっちゃ不敬な事連発してない? 大丈夫か? 大丈夫だよね? 仕事だもんね? え~、どうしよう。
「団長、大丈夫です」
後ろからそっとドーンが囁く。
びっくりした~、エスパーかよ!
「今宵は王子の婚約者候補も集まってくれているだろう? ようやくミハエルも決断したようだ。夜会の最後に正式な婚約者を発表する。では、皆の者楽しんでくれ!」
ザワザワと会場が盛り上がっている。年頃のご令嬢達はみんな浮き足立っている。ハンターの様な目付きだ。
「ドーン。私、不敬罪で牢屋行き?」
「ははは、やっぱり。変な事を考えていると思いましたよ。問題なしです」
「そう? 信じるよ? 絶対だよね?」
「はいはい。では、料理コーナーへ行きましょうか? 今なら、と言うか、今日は誰も料理には見向きもしないでしょうから。貸切状態ですよ、きっと」
「うん、そうね。それがいいわ」
私とドーンは後方の料理の方へ向かう。一方、階段近くはご令嬢の団子状態だった。キャ~キャ~と黄色い声が木霊している。
「第一王子ってどこにいたの? そう言えば今まで見た事ないかも」
「あぁ、ご遊学? いい歳して外国を渡り歩いていた様ですよ?」
「しぃ~。ドーン! 言葉選んでよ! 誰が聞いてるかわからないのに!」
「本当の事です。それに私は陛下のお世話もしましたし、王子達の剣の講師でもありますので。多少の事は構いません」
「げっ。またしてもすごい過去を平気で… ドーン。やっぱりあなたが可哀想になって来たわ。私なんかの下で」
「私は今、人生で一番充実しています。自分で選んだ仕事を謳歌中です。団長はわたしなんかなどと言わないで下さい」
「そう? もう、何が何だか… 一気に疲れたわ。何かさっぱりした物を食べたいな」
「そうですね」
ドーンが言っていたように、料理コーナーは誰も居なかった。
「これと、これ。あと、このカルパッチョを多めでお願いします」
ウェイターの人にお願いして、改めて階段付近を振り返る。
アレクは相変わらず無表情だな。冷めた視線で令嬢達を射殺している。射殺す? でも案外ご令嬢達も『うふ~』『いや~ん』と腰砕けになってるから、あれはあれでいいのか。
第2王子様はサラッと営業スマイルでご令嬢達をさばいている。慣れた感じだね。王女様は男性達に囲まれてクネクネ。あ~、そう言うタイプか。
「ん! この白魚うまっ! ドーン、これヤバいから食べた方がいいよ?」
「ん? これですか?」
「うん。すごいね~、王城の料理人。第7に来てくれないかな?」
「ふふふ、それはどうでしょう? 団長は第7にはあと1月も居られないんですよ? 次の職場の食堂は王城内ですから次を期待しては?」
「そうだった! そうだね。やっと、次の楽しみが出来た。は~、気が重すぎて… 食堂に入り浸りそう」
「ははは、仕事はしましょうね」
「はいはい、ソウデスネー」
2人で料理を食べながらまったりと話していたら、総団長の御一行がこちらへやって来る。うえ~。
「総団長」
と、私は今夜はドレスなのでカーテシーで礼をした。
「ん? ラモンか? お? いや~、見違えたな。とてもキレイだ」
「ありがとうございます」
「ドーンも。お前達こんな隅で何をしている?」
「お腹が空いたので… 避難してました」
「ぷはっ。避難か。ま~、お前は興味はないか」
と、総団長は後ろのあのお嬢様軍団を指差す。
「興味がないと言うか、無縁かと」
「ははは。それより騎士団の編成の発表だが、この後、貴族達の陛下への挨拶が終わったらあるらしい。ラモン、帰るなよ?」
「帰りませんよ! 今日は団長の腕章も着けていますし… 逆に帰ったら変な目で見られてしまいます!」
「ねぇ! そろそろいいかしら?」
総団長にポカポカと抗議をしていたら、ひょこっとロリ? 同い年ぐらいの、前世で言うゴスロリ系のお嬢様が顔を出した。
誰だろう? スナッチ副団長をチラッと見るが無視。まぁそっか。さっきも今も無言だしね。
「初めまして。騎士団団長のラモンです。いつも総団長にはお世話になっております。総団長のお嬢様でしょうか?」
「「「「はぁ?」」」」
そこに居た全員の片眉が上がっている。違うの?
「え? 失礼しました。では、誰だろう… あ、愛人とか?」
「バカ! 愛人連れてくる王族とかないわ。本当にバカだな」
ようやく喋ったと思ったら、スナッチ副団長はバカしか言わない。ムカつくな。
「ふふ、ふふ。あはははは。ひ~、ごめんなさいね。あなたいい子ね。私はキャスリーンよ。第3魔法士団副団長をやっているわ」
ま、まさかのキャスリーン様! 妖艶な美魔女の噂はどこへ? てか、若っ! ドーンと本当に同期?
「キャ、キャスリーンしゃま! し、失礼しました」
シュタッ。思わず敬礼をしてしまう、小心者の私。
「あはは、面白いわね。ドレスなのに敬礼とか。ドーンが気にかける子が居ると聞いてハドラー様に着いて来たの。ふ~ん」
と、キャスリーン様は私を上から下まで只今スキャン中です。
「キャスリーン。いい加減にしろ」
「あら? ドーン、殺気を飛ばさないでよ。ラモンちゃん? そのドレス、クリス商会じゃない?」
「え? ドレス… はい、そうですが?」
「ぷぷぷ。そう言う事ね。何ヶ月か前にドーンに聞かれたのよ。『クリス商会のドレスの相場ってどのくらいだ』 ってね」
「おい」
「ほほぉ~」
ニヤニヤと総団長とキャスリーン様がドーンを見ている。てか、そんな事、キャスリーン様に聞いたの? もう、ドーンったら。
「それは… 私が至らないばかりに、ドーンにワガママを言いまして。その節はお手数をおかけしました」
私の事だし一応礼をする。ごめん、ドーン恥かかせて。
「あらあら~、『ドーン?』。本当に仲がいいのね。ドーンが嫌な顔しないなんて」
「そうだろ? 面白いだろ? あのドーンだぜ?」
2人で私をジロジロ見ながらニヤニヤする。何なんだ。居辛いんですけど。
「もういいだろう。挨拶は済ませたんだ、あっちへ行け」
おいおい、ドーンさん。いくら何でもそんな言い方…
「まぁ! 私達には相変わらず冷たいのね。まぁ、いいわ。いいもの見れたし。次は王城へ戻るんでしょう? その内また会えるでしょうし。ね? ラモンちゃん?」
「ええ。はい」
「仲良くしましょうね。またね」
噂とはちょっと違ったキャスリーン様がウキウキで退場した。
「じゃぁ、私も行くよ。またな、ラモンとドーン」
「はい。また後程」
総団長は上機嫌、スナッチ副団長は最後に『ば~か』と口パクして向こうへ行った。
「腹たつな、スナッチ副団長」
「あれは直にわかるでしょうが、口は悪いですが総団長を敬愛していますので」
「うわ~そうなんだ。じゃぁ、スナッチ副団長の前では余計な事言えないね」
「それがよろしいかと」
はぁ~。次から次に。心臓がもたない。
でも、今日は王族主催のパーティーだし。まだ、何かありそう…
「ねぇ、ドーン。ドキドキの連続で… もう体力が限界かも。もうないよね?」
「まだ始まったばかりですよ? ふふふ。極力ココで大人しくしていましょう」
「うんうん、そうしよう」
私は深呼吸して、カルパッチョの続きを堪能する。もうしばらくは誰も来ないでね。ちょっと落ち着きたい。
「やぁ! 団長ちゃん!」
いきなり笑顔で現れたのはトリス達だった。
って、トリスとあなた達!!!
ぐすん。しばらくでいいから放っておいてよ。頼むよ~。
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