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2章 王城と私
03 アレクの事情
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「トリス! と、クルス… アレクまで… いや、アレクサンダー様?」
「ふふふ、団長ちゃん、びっくりしてたね~。目ん玉飛び出そうだったよ~」
見てたの? ぶー。
「そりゃ~。ねぇ… てか、いいの? 後ろのご令嬢達。ちょっと怖いんですけど。めっちゃ睨まれてるし、こっちに来ないでよ」
アレク達の後方に10人ぐらいの人集りが出来ている。全部ご令嬢。しかも何気にちょっと距離が遠い。
「ぶはっ。来るなとか、王子様に言う~?」
「さっきのドーンの気持ちが少しだけ理解出来たわ。はぁ~だって… 目立たないようにしてたのに。あれは明らかにアレク目当てでしょう?」
「あぁ。無視しろ。あれ以上は近寄って来ないから害はない」
アレクは冷徹な顔がいつもより凄味が増している。
「大変ね、王子様も。てか、あなた達はどうして居るの? 多分だけど、アレクの従者なのかな?」
「そう、俺とクルスは始めからアレクの護衛兼お話相手? 主だよ」
「ふ~ん。第7に居たのはなぜ? あんまり人気のない騎士団だったからもしかして隠れてたの?」
「隠れるって訳では無いが… 今思えば第7は俺の試験場だったんだろう?」
「試験?」
「後継者としての資質や能力を試していたんじゃないか?」
「なるほど… 私が言うのも何だけど、その~残念だったわね。アレクは後悔はない?」
「ない。いい勉強になった。騎士団で上に行くには力が全てだと思っていた節があったからな… 管理能力や人望も必要だとお前から垣間見えた。感謝する。でも、ようやく迷いは消えたんだ。俺は総騎士団長を目指す事にしたよ」
「へぇ~。がんばってね」
「軽いな。『がんばってね』じゃない。お前と俺は今日からライバルだ」
「はぁ? 私、総団長なんて狙ってないけど? 出来れば平穏に… 最終的には第7に戻りたい。もしくは田舎でのんびりしたい。なんせ私はモンバーンだしぃ~」
アレクは驚いた後、お腹を抱えて笑ってくる。てか、後ろのお嬢様方が大変だ。失神者いるんじゃない? 『ぶはっ』『うっ』と鼻やら胸を押さえてヘナヘナと座り込んでいる。
「ちょっと、アレク、笑うの禁止! こらっ。トリスもクルスも! う、後ろ見て!」
トリスは『おいおい勘弁してくれよ~』とお嬢様方の方へ、クルスは近くの警備騎士を呼びに行く。
「アレク。前に笑った方がいいと言ったけど… プライベート限定がいいのかな? ちょっと引くわ。そのモテっぷり」
「… 俺も好きでこんな状態になったんじゃない! だから女は… 顔や爵位しか見てない女には興味がない」
倒れているご令嬢達にわざと大きな声で言い放つアレク。拗らせてるね~。
「ははは。私も言ってみたいよ、そのセリフ。イケメン限定だから無理だけど。ふふふ」
「ははは。って、その耳飾り… もしかしてドーン先生が?」
アレクは私の耳に少し触れてから、後ろのドーンを睨む。
「先生はよして下さい。もうあなたとは師弟関係ではないのですから。まして、第7同士の同僚でもなくなりますしね。それに、団長の耳から手を離しなさい。ここは夜会だと言う事を忘れない様に」
結構トゲトゲした会話だな。どうした? ドーン。過保護過ぎない?
「まぁまぁ、アレクもドーンも。今日はパーティーなんだし、美味しい料理もあるしね。仲良くしようよ~」
「別に、ケンカしてる訳じゃない。ドーンが勝手に殺気立ってるだけだ」
ふふ~んとアレクはドーンを無視し、私の手をとって会場の中央へ行こうとした。
が、私が踏ん張った。
ちょっとつんのめった私は、アレクの手を離し両肩を上げてハニカム。
「ご、ごめん。多分ダンスをしようと誘ってくれたのかな? 私、実は踊れないし、やっぱり目立ちたくないんだ。ごめんね」
「ん? そうか。なら、庭園が見えるバルコニーにでも行かないか?」
「それも… そうだ! 料理を食べよう! 美味しいよ!」
アレクは諦めたのか、苦笑いで私の手を離してくれた。
が、最後、手の甲にキスをして優しく微笑んだ。
おいおいおい! 何してんだよ! めっちゃ見られてるじゃん!
「では、また今度お誘いしますラモン嬢。出会えた奇跡を女神に感謝を」
アレクは最後は紳士らしく一礼して人混みに消えて行った。
「… 何あれ? へ?」
私がボ~ッとアレクの背中を見送っていると、ドーンがスタスタとやって来て、手をめっちゃ拭いている。
「団長? 団長?」
「は?」
「その顔… 冷ましましょう。こちらへ」
と、ドーンと再び料理コーナーへ戻る。ドーンは冷たいジュースを用意してくれて、椅子まで持って来てくれた。
「あの、小僧… 調子に乗りやがって」
「え?」
「何でもございません。それより大丈夫ですか? 落ち着きましたか?」
「あ~、うん。ちょっとびっくりしただけ」
「まぁ、夜会ではよくある事ですから。慣れた方がよろしいでしょう」
「ふへ~、よくあるんだ。世のお嬢様方はすごいんだね。驚きもしないんでしょうね。私には無理っぽいわ」
手でパタパタと顔を仰ぐ。
「もう一杯もらって来ますね?」
「ありがとう」
ドーンが席を離れると、座っている私の前に影が落ちる。誰だろう?
びちゃ~。ごつごつ。
飲み物と氷が何個か頭に浴びせられた。カッチカチの氷が地味に痛い。
「貴方、見た事ないわね… ドレスが濡れたんですもの。さっさと帰りなさい」
『ふん』と両手を組んで私を睨むどこぞのお嬢様。周りには5~6人の取り巻きも居る。
ドーン… 私って… タイミング悪くない?
『今日の占いは小凶 小さな事が積み重なってストレスが増えるでしょう』
「ふふふ、団長ちゃん、びっくりしてたね~。目ん玉飛び出そうだったよ~」
見てたの? ぶー。
「そりゃ~。ねぇ… てか、いいの? 後ろのご令嬢達。ちょっと怖いんですけど。めっちゃ睨まれてるし、こっちに来ないでよ」
アレク達の後方に10人ぐらいの人集りが出来ている。全部ご令嬢。しかも何気にちょっと距離が遠い。
「ぶはっ。来るなとか、王子様に言う~?」
「さっきのドーンの気持ちが少しだけ理解出来たわ。はぁ~だって… 目立たないようにしてたのに。あれは明らかにアレク目当てでしょう?」
「あぁ。無視しろ。あれ以上は近寄って来ないから害はない」
アレクは冷徹な顔がいつもより凄味が増している。
「大変ね、王子様も。てか、あなた達はどうして居るの? 多分だけど、アレクの従者なのかな?」
「そう、俺とクルスは始めからアレクの護衛兼お話相手? 主だよ」
「ふ~ん。第7に居たのはなぜ? あんまり人気のない騎士団だったからもしかして隠れてたの?」
「隠れるって訳では無いが… 今思えば第7は俺の試験場だったんだろう?」
「試験?」
「後継者としての資質や能力を試していたんじゃないか?」
「なるほど… 私が言うのも何だけど、その~残念だったわね。アレクは後悔はない?」
「ない。いい勉強になった。騎士団で上に行くには力が全てだと思っていた節があったからな… 管理能力や人望も必要だとお前から垣間見えた。感謝する。でも、ようやく迷いは消えたんだ。俺は総騎士団長を目指す事にしたよ」
「へぇ~。がんばってね」
「軽いな。『がんばってね』じゃない。お前と俺は今日からライバルだ」
「はぁ? 私、総団長なんて狙ってないけど? 出来れば平穏に… 最終的には第7に戻りたい。もしくは田舎でのんびりしたい。なんせ私はモンバーンだしぃ~」
アレクは驚いた後、お腹を抱えて笑ってくる。てか、後ろのお嬢様方が大変だ。失神者いるんじゃない? 『ぶはっ』『うっ』と鼻やら胸を押さえてヘナヘナと座り込んでいる。
「ちょっと、アレク、笑うの禁止! こらっ。トリスもクルスも! う、後ろ見て!」
トリスは『おいおい勘弁してくれよ~』とお嬢様方の方へ、クルスは近くの警備騎士を呼びに行く。
「アレク。前に笑った方がいいと言ったけど… プライベート限定がいいのかな? ちょっと引くわ。そのモテっぷり」
「… 俺も好きでこんな状態になったんじゃない! だから女は… 顔や爵位しか見てない女には興味がない」
倒れているご令嬢達にわざと大きな声で言い放つアレク。拗らせてるね~。
「ははは。私も言ってみたいよ、そのセリフ。イケメン限定だから無理だけど。ふふふ」
「ははは。って、その耳飾り… もしかしてドーン先生が?」
アレクは私の耳に少し触れてから、後ろのドーンを睨む。
「先生はよして下さい。もうあなたとは師弟関係ではないのですから。まして、第7同士の同僚でもなくなりますしね。それに、団長の耳から手を離しなさい。ここは夜会だと言う事を忘れない様に」
結構トゲトゲした会話だな。どうした? ドーン。過保護過ぎない?
「まぁまぁ、アレクもドーンも。今日はパーティーなんだし、美味しい料理もあるしね。仲良くしようよ~」
「別に、ケンカしてる訳じゃない。ドーンが勝手に殺気立ってるだけだ」
ふふ~んとアレクはドーンを無視し、私の手をとって会場の中央へ行こうとした。
が、私が踏ん張った。
ちょっとつんのめった私は、アレクの手を離し両肩を上げてハニカム。
「ご、ごめん。多分ダンスをしようと誘ってくれたのかな? 私、実は踊れないし、やっぱり目立ちたくないんだ。ごめんね」
「ん? そうか。なら、庭園が見えるバルコニーにでも行かないか?」
「それも… そうだ! 料理を食べよう! 美味しいよ!」
アレクは諦めたのか、苦笑いで私の手を離してくれた。
が、最後、手の甲にキスをして優しく微笑んだ。
おいおいおい! 何してんだよ! めっちゃ見られてるじゃん!
「では、また今度お誘いしますラモン嬢。出会えた奇跡を女神に感謝を」
アレクは最後は紳士らしく一礼して人混みに消えて行った。
「… 何あれ? へ?」
私がボ~ッとアレクの背中を見送っていると、ドーンがスタスタとやって来て、手をめっちゃ拭いている。
「団長? 団長?」
「は?」
「その顔… 冷ましましょう。こちらへ」
と、ドーンと再び料理コーナーへ戻る。ドーンは冷たいジュースを用意してくれて、椅子まで持って来てくれた。
「あの、小僧… 調子に乗りやがって」
「え?」
「何でもございません。それより大丈夫ですか? 落ち着きましたか?」
「あ~、うん。ちょっとびっくりしただけ」
「まぁ、夜会ではよくある事ですから。慣れた方がよろしいでしょう」
「ふへ~、よくあるんだ。世のお嬢様方はすごいんだね。驚きもしないんでしょうね。私には無理っぽいわ」
手でパタパタと顔を仰ぐ。
「もう一杯もらって来ますね?」
「ありがとう」
ドーンが席を離れると、座っている私の前に影が落ちる。誰だろう?
びちゃ~。ごつごつ。
飲み物と氷が何個か頭に浴びせられた。カッチカチの氷が地味に痛い。
「貴方、見た事ないわね… ドレスが濡れたんですもの。さっさと帰りなさい」
『ふん』と両手を組んで私を睨むどこぞのお嬢様。周りには5~6人の取り巻きも居る。
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